なぜ国産車のエンジンオイル交換頻度は欧州車よりも短いのか?
更新日:2024.09.09
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クルマの取扱説明書や整備手帳には、そのクルマごとのエンジンオイル交換時期が記されています。
欧州車にお乗りになったことのある方でしたらお気づきかもしれませんが、
欧州車のエンジンオイル交換サイクルは国産車よりも長めです。
ヘタをすると倍以上の距離が指定されていたりします。
その理由、事情とはどこにあるのか、まとめてみます。
欧州車にお乗りになったことのある方でしたらお気づきかもしれませんが、
欧州車のエンジンオイル交換サイクルは国産車よりも長めです。
ヘタをすると倍以上の距離が指定されていたりします。
その理由、事情とはどこにあるのか、まとめてみます。
エンジンオイル交換の頻度、どれくらいがよいのか?
エンジンオイルをどれくらいのスパンで交換すべきかという疑問を持たれる方も多いのではないでしょうか。
あくまでも経験則ではありますが、国産車でなら10000kmまたは半年、というのがベターという感覚です。
エンジンオイルは使わなくても酸化します。走らなくともできるだけ新しい方がいい、という声は多いですね。
感覚の鋭い方だとエンジンオイルの劣化をフィーリングで感じ取られることなどもあるのではないでしょうか。
ベテランの整備士の方にお話を聞いても、ベストは10000kmと言わず、5000km半年、と仰る方も多いです。
しかし、ドイツ車など15000kmや20000kmという指定距離を取説に載せているケースもあります。
この違いとは一体何なのでしょうか。
あくまでも経験則ではありますが、国産車でなら10000kmまたは半年、というのがベターという感覚です。
エンジンオイルは使わなくても酸化します。走らなくともできるだけ新しい方がいい、という声は多いですね。
感覚の鋭い方だとエンジンオイルの劣化をフィーリングで感じ取られることなどもあるのではないでしょうか。
ベテランの整備士の方にお話を聞いても、ベストは10000kmと言わず、5000km半年、と仰る方も多いです。
しかし、ドイツ車など15000kmや20000kmという指定距離を取説に載せているケースもあります。
この違いとは一体何なのでしょうか。
日本はエンジンに厳しい条件の国
燃料を燃やし、そして多少なりともエンジンオイルも燃やしながらエンジンは作動します。
そして多少ならずその燃えかす、ススが発生します。よくスラッジなどと言われるものがそれです。
エンジン内部に海苔の佃煮のようなススが溜まっている画像を見たことがある方もいらっしゃると思います。
なぜそうなるのか。
日本という国はまず狭いです。ということは、自動車によって移動する一回あたりの距離が短いわけですね。
そうすると、たとえばコールドスタート時にやや濃い目のガソリン(混合気)でエンジンをウォームアップさせ、エンジン内部や触媒の温度を早く適切なレベルに高めるということを、エンジンはやっているのですが、このウォームアップが終わらないうちに、移動を終えてしまうというケースが少なくない。濃い目のガソリン(混合気)の状態ではススが発生しやすいですから、いつもススだらけでエンジンが作動しているケースも多いです。
そうなるとエンジンオイルには内部洗浄の目的もありますから、その「洗浄」の回数が多くなってしまう。したがって汚れやすくなるというのはお分かりいただけると思います。
また、最近は以前ほどでもないとは言え、渋滞によるノロノロ運転は当然燃焼状態にはよろしくありませんし、なによりエンジン内部の温度上昇も引き起こしますから、これもまたある程度冷却を担っているオイルに厳しい、と。
性能の落ちたオイルは、潤滑も洗浄も冷却も、すべてダメになってしまいますから、エンジンはスムーズに回らず摩擦が増え、ということは温度上昇や不完全燃焼を招き、さらにはスス、燃えカスも増える一方、という悪循環になります。
故に、日本車のオイル交換指定距離と時期は早めなのですね。
そして多少ならずその燃えかす、ススが発生します。よくスラッジなどと言われるものがそれです。
エンジン内部に海苔の佃煮のようなススが溜まっている画像を見たことがある方もいらっしゃると思います。
なぜそうなるのか。
日本という国はまず狭いです。ということは、自動車によって移動する一回あたりの距離が短いわけですね。
そうすると、たとえばコールドスタート時にやや濃い目のガソリン(混合気)でエンジンをウォームアップさせ、エンジン内部や触媒の温度を早く適切なレベルに高めるということを、エンジンはやっているのですが、このウォームアップが終わらないうちに、移動を終えてしまうというケースが少なくない。濃い目のガソリン(混合気)の状態ではススが発生しやすいですから、いつもススだらけでエンジンが作動しているケースも多いです。
そうなるとエンジンオイルには内部洗浄の目的もありますから、その「洗浄」の回数が多くなってしまう。したがって汚れやすくなるというのはお分かりいただけると思います。
また、最近は以前ほどでもないとは言え、渋滞によるノロノロ運転は当然燃焼状態にはよろしくありませんし、なによりエンジン内部の温度上昇も引き起こしますから、これもまたある程度冷却を担っているオイルに厳しい、と。
性能の落ちたオイルは、潤滑も洗浄も冷却も、すべてダメになってしまいますから、エンジンはスムーズに回らず摩擦が増え、ということは温度上昇や不完全燃焼を招き、さらにはスス、燃えカスも増える一方、という悪循環になります。
故に、日本車のオイル交換指定距離と時期は早めなのですね。
欧州車のエンジンオイル交換指定距離と時期が長めな理由
理由の一つには、いたずらに「廃油」を生まない、という環境意識があるということを挙げておきたいと思います。
最近はリサイクル技術も進み、再利用や多方向への転換利用も増えていはいるようですがそれにはやはりコストがかかります。
できるだけエンジンオイルは長めに使いたいという心理や事情があることは確かでしょう。
また、それ以上に大きな要素としては、日本とは逆と言っても良い交通事情ですよね。
とくにドイツなどでは一般道でもかなりの高い速度で走ることを許されていますし、移動距離そのものも長い。そもそもヨーロッパは陸続きですからクルマで国境を超えるという長距離ドライブは当たり前のように行われます。
と、なれば、先ほど書かせていただきましたように、エンジンが燃えカスを出すシーンがきわめて少ないということ、出したとしてもきちんと燃焼処理できるだけの長時間の移動が多いということ、もっと言うと、渋滞も少ないからエンジンが健康的に作動し続け、エンジンオイルに負担をかけにくい、という、クルマに「優しい」交通事情が大きく作用しています。
そんなことから、欧州車のエンジンオイルは、「現地では」そんなに劣化が進行しない、交換サイクルが長くてもさして問題はないという意識があるわけですね。
それに、交換「時期」、よりも、「距離」の上限のほうが先に訪れてしまう。
経時劣化よりも、バンバン距離を稼いで交換する、という感覚です。
最近はリサイクル技術も進み、再利用や多方向への転換利用も増えていはいるようですがそれにはやはりコストがかかります。
できるだけエンジンオイルは長めに使いたいという心理や事情があることは確かでしょう。
また、それ以上に大きな要素としては、日本とは逆と言っても良い交通事情ですよね。
とくにドイツなどでは一般道でもかなりの高い速度で走ることを許されていますし、移動距離そのものも長い。そもそもヨーロッパは陸続きですからクルマで国境を超えるという長距離ドライブは当たり前のように行われます。
と、なれば、先ほど書かせていただきましたように、エンジンが燃えカスを出すシーンがきわめて少ないということ、出したとしてもきちんと燃焼処理できるだけの長時間の移動が多いということ、もっと言うと、渋滞も少ないからエンジンが健康的に作動し続け、エンジンオイルに負担をかけにくい、という、クルマに「優しい」交通事情が大きく作用しています。
そんなことから、欧州車のエンジンオイルは、「現地では」そんなに劣化が進行しない、交換サイクルが長くてもさして問題はないという意識があるわけですね。
それに、交換「時期」、よりも、「距離」の上限のほうが先に訪れてしまう。
経時劣化よりも、バンバン距離を稼いで交換する、という感覚です。
日本で走る以上はエンジンオイルは頻繁に交換するべき
実際に聞いたことのある話ですが、BMWの指定する20000kmの交換サイクルを守って、新車から20000km、エンジンオイルを交換せず、何も意識せずに走行。しかしある日突然潤滑不良を起こしエンジンオーバーホール。しかもメーカー保証も切れたあとだったので、大出費を強いられたそうです。
つまり、やはりBMWをはじめ、欧州車が指定する交換サイクルはあくまでも、自国での走行環境を基準にしたものでしかなく、日本での条件を勘案したものではない、ということのようですね。むしろ、欧州車の方がエンジンはデリケートですから、オイル管理には、この日本で使用する以上、神経を尖らせるくらいの感覚でいたほうがいいかもしれません。
ポイントとしては・・・
・日本はエンジンとエンジンオイルに過酷な、特殊な環境
・日本車のエンジンオイル交換サイクルはそれにしたがって短めに設定
・欧州車の交換サイクルは自国を基準にしている
というわけで、日本で走る以上は日本の「生活環境」=「交通事情」に則した「健康管理」=「マメなエンジンオイル交換」が必要、ということで良さそうです。
長めの交換サイクルを指示している欧州車であっても、5000kmか半年のうち早い方、せめて10000km一年というサイクルを守ることをおすすめします。
実際には日本国内でも、たとえば東京~大阪を頻繁に行き来されるような、ヨーロッパに近い使い方の方もいらっしゃるかもしれませんし、クルマの使い方というのは人それぞれ異なります。
健康管理と一言で言っても、じつはこれといった答えが存在するわけではありません。愛車のコンディションや整備士からのアドバイスに耳を傾け、せめて週に一回はエンジンルームの点検、してあげてください。
そしてエンジンオイルが汚れていたら、ちょっとエンジンが苦しそうならオイルを変えてあげる、という感覚が大事なのではないでしょうか。
俗に嫁と畳は新しい方がいい、なんて言いますが、それにエンジンオイルも加えておきたいところですね。
<前田恵之進>
つまり、やはりBMWをはじめ、欧州車が指定する交換サイクルはあくまでも、自国での走行環境を基準にしたものでしかなく、日本での条件を勘案したものではない、ということのようですね。むしろ、欧州車の方がエンジンはデリケートですから、オイル管理には、この日本で使用する以上、神経を尖らせるくらいの感覚でいたほうがいいかもしれません。
ポイントとしては・・・
・日本はエンジンとエンジンオイルに過酷な、特殊な環境
・日本車のエンジンオイル交換サイクルはそれにしたがって短めに設定
・欧州車の交換サイクルは自国を基準にしている
というわけで、日本で走る以上は日本の「生活環境」=「交通事情」に則した「健康管理」=「マメなエンジンオイル交換」が必要、ということで良さそうです。
長めの交換サイクルを指示している欧州車であっても、5000kmか半年のうち早い方、せめて10000km一年というサイクルを守ることをおすすめします。
実際には日本国内でも、たとえば東京~大阪を頻繁に行き来されるような、ヨーロッパに近い使い方の方もいらっしゃるかもしれませんし、クルマの使い方というのは人それぞれ異なります。
健康管理と一言で言っても、じつはこれといった答えが存在するわけではありません。愛車のコンディションや整備士からのアドバイスに耳を傾け、せめて週に一回はエンジンルームの点検、してあげてください。
そしてエンジンオイルが汚れていたら、ちょっとエンジンが苦しそうならオイルを変えてあげる、という感覚が大事なのではないでしょうか。
俗に嫁と畳は新しい方がいい、なんて言いますが、それにエンジンオイルも加えておきたいところですね。
<前田恵之進>