日産 フェアレディZとトヨタ スープラを徹底比較!どっちが速い!?【プロ徹底解説】

日産 フェアレディZ&スープラ

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2022年に日本で発売開始となった日産のスポーツカーがフェアレディZです。そのライバルと言える存在が、トヨタのスポーツカーであるGRスープラでしょう。この2台には、どのような違いがあるのかを解説します。

文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
Chapter
【フェアレディZ vs スープラ】歴史の比較
【フェアレディZ vs スープラ】サイズ比較
【フェアレディZ vs スープラ】パワートレイン性能比較
【フェアレディZ vs スープラ】足回りの比較
【フェアレディZ vs スープラ】価格比較

【フェアレディZ vs スープラ】歴史の比較

日産のフェアレディZは、1969年誕生の初代(S30型)から長い歴史を誇ります。一方、トヨタのGRスープラも同じように長い歴史を持っています。GRスープラの初代の誕生は1978年のこと。北米市場でスープラの名称で発売されますが、日本ではセリカXXと名乗っていました。日本でスープラの名称を使うのは、1986年の3代目からとなります。
日産フェアレディZは1969年から現在まで、面々と作り続けられてきたのが特徴です。一方、GRスープラは、2002年に生産が終了になっています。そして2019年に17年ぶりの復活を果たしました。BMWとの共同開発であり、生産はオーストリアのマグナ・シュタイヤー社グラーツ工場で行われています。GRスープラの兄弟車となるのがBMW Z4です。つまり、GRスープラはオーストリアで生産される、逆輸入車となります。一方、フェアレディZは日本の日産が開発・生産を行っています。

【フェアレディZ vs スープラ】サイズ比較

日産フェアレディZは、2人乗りの2ドアクーペであり、ロングノーズ&ショートデッキという古典的なスポーツカーのスタイルを特徴とします。そして、GRスープラも、そうした点は同じで、やはりロングノーズ&ショートデッキという優雅なプロポーションを誇る2人乗りのクーペです。

サイズを比較してみると、フェアレディZは全長4380×全幅1845×全高1315mmに対して、GRスープラは全長4380×全幅1865×全高1295mm。全長は同じで、全幅はGRスープラが20mm幅広く、背もGRスープラが20mm低くなっています。とはいえ、その差は、20mmというわずかなものです。
ホイールベースは、フェアレディZが2550mmなのに対してGRスープラは2470mm。こちらは80mmも違います。GRスープラはショートホイールベースを特徴としており、前後重量バランスも50:50として、優れた回頭性を備えています。

車両重量は、フェアレディZの1570~1730kgに対して、GRスープラは1410~1530kg。なんと最大200㎏もの違いがあります。

【フェアレディZ vs スープラ】パワートレイン性能比較

スポーツカーの魅力のひとつとなるのがパワートレインです。

フェアレディZのパワートレインは、新開発された3リッターのV6ツイン・ターボ・エンジンに6速MTと9速ATという組み合わせです。その最高出力は298kw(405PS)/6400rpmに最大トルク475Nm/1600~5600rpm。燃費性能は6速MTで9.5km/l(WLTCモード)、9速ATで10.2㎞/l(WLTCモード)となります。
一方、GRスープラは2つのエンジンが用意されています。ひとつが2リッターの直列4気筒ターボで、もうひとつが3リッターの直列6気筒ツインスクロール・ターボ・エンジンです。スペックは、2リッターの直列4気筒で、最高出力145kW(197PS)/4500rpm・最大トルク320Nm/1450~4200rpmと、190kW(258PS)/5000rpm・最大トルク400Nm/1550~4400rpm。3リッターの直列6気筒は285kW(387PS)/5800rpm・最大トルク500Nm/1800~5000rpmです。
トランスミッションは2リッターの4気筒には8速AT、3リッターの6気筒には6速MTと8速ATの2つが用意されています。燃費性能は、4気筒の145kW(197PS)が14.5km/l(WLTCモード)、190kW(258PS)が14.0km/l(WLTCモード)。6気筒の6MTが11.0㎞/l(WLTCモード)、8速ATが12.1km/l(WLTCモード)となります。

2台のパワートレインを比較すると、フェアレディZが3リッターのV6ツイン・ターボだけなのに対して、GRスープラは2種類の出力の違う2リッター直列4気筒ターボと3リッターの直列6気筒ツインスクロール・ターボという3種類ものエンジンを用意しているのが違いとなります。V6エンジンと直列エンジンのフィーリングの違いも2台の特徴の差となります。

スペックを見ると、最高出力は298kw(405PS)のフェアレディZが勝りますが、最大トルクは500NmのGRスープラが若干上。燃費性能はすべてのエンジンでGRスープラが上回っています。

【フェアレディZ vs スープラ】足回りの比較

スポーツカーの走りを支えるのがサスペンションとアルミホイール&タイヤです。フェアレディZのサスペンションは、フロントがダブルウィッシュボーンでリヤがマルチリンク式。ホイール&タイヤは、上級グレードではフロント255/40R19・リヤ275/35R19インチの前後異サイズを履きこなします。
GRスープラのサスペンションはフロントがストラットでリヤがマルチリンク。ホイール&タイヤは、255/35R19・リヤ275/35R19と、こちらも前後異サイズとなっています。

【フェアレディZ vs スープラ】価格比較

最後に価格の違いです。

フェアレディZの価格は、すべて3リッターの同じエンジンで524万1500円~696万6300円。一方、GRスープラは2リッターの4気筒が499万5000円~601万3000円、3リッターの6気筒が731万3000円となります。
2台の違いで興味深いのは、ホイールベースと車重、そしてパワートレインです。車両全体のサイズは、2台ともほとんど同じですが、GRスープラはホイールベースが短く、車両重量が最大200㎏も軽いのが大きな違いとなります。そしてパワートレインで言えば、フェアレディZはパワフルなV6ターボだけなのに対して、GRスープラは直列6気筒と4気筒を揃えます。豪快なフェアレディZとハンドリングに注力したGRスープラという見方もできる違いと言えるでしょう。
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