日産フェアレディZ 新旧比較!先代モデルからの変化はどこに現れたか【プロ徹底解説】

フェアレディZ

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2022年、ついに日産の誇るスポーツカーであるフェアレディZの新型モデルの販売が開始されました。新型モデルと先代との違いはどこにあるのでしょうか。先代からの進化点などを解説します。

文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
Chapter
伝統と先進技術を融合させたデザインに
強力なパワートレインを搭載
メーターをフルデジタル化
充実した安全の先進運転支援システム

伝統と先進技術を融合させたデザインに

2022年に発売開始となった新型フェアレディZ。先代モデルと、はっきりと違っているので、そのデザインでしょう。
2008年12月に発売された先代モデルのテーマとなったのは「Newness」。新しさです。新しいパフォーマンスと新しいデザインが生む、Newnessという新しい車が、先代のフェアレディZでした。鍛えられたアスリートのようなしなやかでダイナミックな、ぎゅっとした塊感のあるデザインでした。
一方、新しいフェアレディZのテーマは、伝統と先進技術の融合です。新型モデルは、一見して分かるように、初代(S30型)を彷彿とさせる、伸びやかで鋭いデザインとなっています。
それに合わせて寸法は、先代の全長4260×全幅1845×全高1315mmから、新型では全長4380×全幅1845×全高1315mmに。幅と高さはそのままに、全長が12㎝も伸びているのです。

強力なパワートレインを搭載

新型フェアレディZの先代との、もう一つの大きな違いはパワートレインです。先代モデルに搭載されていたのは最高出力247kW(336PS)・最大トルク365Nmの3.7リッターV6の自然吸気エンジン、VQ37VHRでした。組み合わせるトランスミッションは、6速MTと7速ATです。

一方、新しいフェアレディZに搭載されたのは新開発された3リッターV6ツイン・ターボ・エンジンのVR30DDTT。排気量は小さくなりましたが、ツイン・ターボとなったことで、最高出力は298kW(405PS)・最大トルク475Nmにまでパワーアップしています。トランスミッションは、6速MTと9速AT。6MTは内部が改良され、ATは多段化されています。
また、燃費性能は先代で6MTが8.5km/l(WLTCモード)、7ATが8.8km/l(WLTCモード)に対して、新型は6MTが9.5㎞/l(WLTCモード)、9ATが10.2㎞/l(WLTCモード)。新しいパワートレインということで、高出力化しているのに、燃費性能も向上しています。

また、向上したパワーを使い切るため、新型フェアレディZには、加速時のホイールスピンを抑制するローンチコントロールが採用されています。

メーターをフルデジタル化

インテリアで大きく変化したのは、ドライバーの前のメーターとセンターコンソール周りです。先代モデルでは3眼のアナログのメーターが、新型モデルでは、フルデジタルの12.3インチカラーディスプレイになりました。

センターコンソールは、丸みを帯びた縦型から、横基調のデザインに。3連メーターは、先代の「油圧/電圧/時計」から、「ターボブースト圧/ターボ回転計/電圧」に代わっています。

充実した安全の先進運転支援システム

2008年に登場した先代と、2022年の新しいフェアレディZでは、安全に関する先進運転支援システムの充実度も雲泥の差があります。先代では、安全装備といえばエアバッグに横滑り防止機能、ABSといった程度。それに対して、新型フェアレディZは、自動ブレーキ(インテリジェントエマージェンシーブレーキ)をはじめ、前方衝突予測警報(インテリジェントFCW)、車線逸脱警報(LDW)、後側方車両検知警報(BSW)、後退時車両検知警報(RCTA)など、数多くの安全機能が備わっています。また、高速道路で前走車を追従する、全車速追求機能(インテリジェントクルーズコントロール)まで備わっています。
さらに新型フェアレディZのナビシステムは通信機能まで持っているのです。

こうした先進運転支援システムは、過去10年で急激に普及したものでもあり、2008年デビューの先代には、ほぼ存在していなかったということも、大きな違いを生む理由と言えるでしょう。
先代から新型への進化は、主に、デザイン、パワートレイン、そしてデジタル化と先進運転支援機能の充実と言えるでしょう。特に新型フェアレディZは、伝統と先進技術の融合をテーマに掲げるように、先進技術を積極的に採用しているのも特徴です。見た目はトラディショナルなのに、中身は最新。それが新しいフェアレディZと言えます。
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