トヨタ GR86のエクステリアの特徴!デザインコンセプトやBRZとの違いとは?【プロ徹底解説】

GR86

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GR86は、先代モデルと同じくトヨタとスバルによって生み出されました。

エクステリアのデザインを担当したのはトヨタであり、BRZとは異なる個性が与えられています。

では、GR86のエクステリアはどのようなコンセプトでデザインされ、BRZとはどこが違うのでしょうか。

文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
Chapter
コンセプトとなったキーワードは3つ!
BRZとのデザインの違い
ボディサイズは変化が少ない

コンセプトとなったキーワードは3つ!

GR86のエクステリアデザインは、凝縮と機能美、FR的なプロポーションをコンセプトに掲げてデザインされたようです。

凝縮とは、車全体のイメージやフォルムだけではなく、キャビンなどを絞り込むことで重心をセンターに集中させることを指します。

これは、キャビンを車の中心寄りのレイアウトにすることによって、GR86を思い通りに運転したいというドライバーの希望に応えてデザイン面で表現したものです。
次に、機能美を具現化しているのが、左右フェンダーに設置されているエアアウトレットでしょう。これは、先代モデルにはなかった装備です。

エアアウトレットを、機能的かつボディを構成する重要なデザインとして表現しています。
また、キャビンをコンパクト化しCピラー周りを絞り込むことで、リアフェンダーのふくらみを強調。リアからGR86を見た際に、地面に踏ん張っているように見えるFRらしいスタイリングを実現しています。

BRZとのデザインの違い

GR86とBRZのデザインの違いは、フロント部分に集中しています。

まず、GR86のフロントフェイスには、トヨタのGRブランドで用いられているファンクショナルマトリックスグリルが採用されています。

このグリルは、印象的なフロントフェイスを生み出すだけでなく、ラジエーターの冷却性能を最大限生かす機能をデザインで表現したものです。
また、バンパーの左右にはインレットダクトを設置。これは、「そのように見える」だけではなく、実際に空気を取り込んでホイールハウス内から排出されることで操縦性と安定性を向上させています。

さらに、GR86のグリルにはもう一つの特徴があります。それは、新たにGメッシュが初採用されたことです。

Gメッシュとは、六角形のモチーフの1つひとつがアルファベットのGに見えるデザインであり、GR86のファンクショナルマトリックスグリルはGRであることをアピールする効果があります。

ボディサイズは変化が少ない

GR86のボディサイズは、全長4265mm×全幅1775mm×全高1310mmとなっています。先代モデルが全長4240mm×全幅1775mm×全高1320mmであることから、大きな変化は見られません。

全長こそ25mm延長していますが、全幅は先代モデルと同じ数値となっており、全高は10mm低くなっています。
また、アルミルーフを採用したことによって、先代と比較すると重心高が4mm低くなっており、運転席と助手席を3.5mmずつ中央に寄せることで低重心化と冒頭述べた凝縮を実現しています。

プラットフォームやサスペンションといった基礎となる部品に関しては、多くが先代から引き続きの採用となっています。

しかし、サーキットやレースで培ったノウハウによって各部が補強されています。インナーフレーム構造や構造用接着剤を新たに採用することで、車体の剛性はフロント横曲げ剛性で先代と比較して60%向上、ねじり剛性では50%アップしています。
GR86は、全体的にリアに荷重がかかっているように見せることで、FR特有のプロポーションを際立たせつつ、キャビンを小さくすることで凝縮された塊感を演出しています。

そして、細かなデザインでは、兄弟車であるBRZとは異なる個性が表現されています。ゆっくり観察すればするほど、デザインの違いや特徴を感じ取ることができるのではないでしょうか。
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