【ジープ ラングラー】ゴツくてカッコいい本格オフローダーを徹底比較!【ランドローバー ディフェンダー】

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世の中のアウトドアブームを受けて、クルマの世界でもオン、オフ問わず走れるSUV(スポーツ・ユーティリティ・ヴィークル)の人気が高まっている。

そして、さらに本格的なオフロード性能を求める人が注目しているのは、SUVの原点ともいえるクロスカントリー4WD車だ。

ここでは、クロカン4WDの中でも究極的な存在といえるジープ ラングラーとランドローバー ディフェンダーの2台を徹底比較してみよう。

河西啓介|かわにし けいすけ

「NAVI CARS」「MOTO NAVI」「BICYCLE NAVI」などの編集長をつとめ、その後フリーランスの編集者、モータージャーナリストとして活動。自動車のハードウェア面だけでなく、衣・食・住を含めたライフスタイル商品として捉えるという視点を重視する。同時にアーティスト、タレントとしての活動も行っており、テレビ、ラジオ、イベントなどへの出演も多い。

河西啓介
Chapter
ジープ ラングラーってどんなクルマ?
ランドローバー ディフェンダーってどんなクルマ?
オフロードの走りの違いは?
街乗り、普段使いがしやすいのは?
どんな人にお薦め?

ジープ ラングラーってどんなクルマ?

ジープ ラングラーはアメリカを代表する本格クロスカントリー4WD。

初代が登場したのは1987年だが、そのルーツは1940年、第二次世界大戦中にアメリカ陸軍の要請によって開発された小型四輪駆動車まで遡る。その軍用車は「ジープ」と呼ばれ、戦後は民生用の自動車として普及した。

やがてジープの名前は単なるブランドに留まらず、四輪駆動車の代名詞となった。

そのジープの設計を受け継ぎながら、ホイールベースの延長やタイヤの小径化などにより舗装路での走行性能を高め、同時に現代のクルマに求められる安全性、快適性などを備えて生まれたのがジープ ラングラーだ。

初代から約10年毎にモデルチェンジが行われ、4代目となる現行JL型が登場したのは2018年。

四角いボディに丸いヘッドライト、梯子型フレームを持つボディ構造、パートタイム4WD機構などジープの伝統は受け継ぎつつ、安全性、快適性は格段に向上しており、現在も世界のクロカン4WDのベンチマークとして高い人気を誇っている。

ランドローバー ディフェンダーってどんなクルマ?

ランドローバーは英国の自動車メーカー「ローバー」が第二次世界大戦後の1948年に送り出したオフロード4WD車。アメリカのジープを参考につくられ、その優れたオフロード性能から農耕用などの実用に使われる一方、イギリス軍をはじめ多くの国の軍用車、警察、消防車両にも採用された。

ランドローバーは強固な梯子型フレームにアルミボディを載せた構造を保ちながら、長きにわたりモデルチェンジせずにつくり続けられたが、その間にレンジローバーやディスカバリーなどのモデルが登場したため、それらと区別するために1991年に「ディフェンダー」という名前が付けられた。

2019年、70年ぶりのフルモデルチェンジを受けた新型は、ボディ構造をアルミ製モノコックに、サスペンションを前後独立懸架にと大きく進化させ、外観も先代のデザインをモチーフとしたモダンなものへと大きく変わった。

オフロードの走りの違いは?

ジープ ラングラーとランドローバー ディフェンダーは、どちらも世界最高レベルのオフロード走破性を備えるモデル。だがクルマとしての構造は大きく異なる。

ラングラーは元祖ジープからの伝統である梯子型フレーム、リジッドアクスル、パートタイム式4WDなどの基本設計を踏襲し、いわば機械式のアナログな方法でそれを可能にしている。
いっぽう70年ぶりにフルモデルチェンジを受けたディフェンダーはアルミ製のモノコックボディ、四輪独立懸架の足回り、電子制御のフルタイム4WDシステムなど、最新の技術が投入された。
走破性の高さについてはどちらも長い歴史の中で育まれたもので甲乙つけ難いが、あえて比べるとすれば、どんな路面でもクルマ任せで走れてしまうのがディフェンダー、ハードな悪路ではドライバーの技量を要求するのがラングラーというところ。

ただし極限の悪条件に遭遇した際には、機構のシンプルさやドライバーの操る余地が残されているという点で、アナログなラングラーのほうが有利なこともあるかもしれない。
いっぽうディフェンダーは、高級SUV然とした外観からは想像できないほどのエクストリーム性能を備えている。

それを端的に表しているのが渡河性能。これは「どれぐらいの水深まで走行できるか」を示すスペックだが、ディフェンダーの場合はなんと最大渡河深度900mm

つまり深さ90cmまでの川であればザブザブと渡れるということ。「川なんか渡らない」という人もいるだろうが、実は昨今、ゲリラ豪雨による水害が増えるなか、万が一のことを考えた場合、この渡河性能は重要なのだ。
もちろんラングラーも最大762mmの渡河性能を備えている。

街乗り、普段使いがしやすいのは?

いかに高い悪路走破性を備えたクロカン4WD車とはいえ、ふだん走るのはほとんどが舗装路だ。果たしてオンロードにおける乗り心地や街乗りでの使い勝手はどうだろうか?

ラングラーとディフェンダーは軍用または作業用として生まれた実用車。ゆえにもともと“乗り心地”などは考慮されていなかった。

しかし現在はどちらもそのタフさ、ワイルドさを売りにしたライフスタイルカーであり、十分に快適な乗り心地を実現している。
しかし2台を比べた場合、快適性という点では堅牢なモノコックボディにエアサス(110に標準装備)を備えたディフェンダーに軍配が上がる
また室内の広さや荷室のユーティリティについてもディフェンダーにアドバンテージがある。

前述したように初代ジープ以来の伝統を頑なに守り続けるラングラーに対して、ディフェンダーは「本格オフロード性能を備えた高級SUV」であり、2台の差はコンセプトの違いによるものと言えるだろう。
しかし街中での使い勝手を考えた場合、ディフェンダーのそのゆとりある大きさがネックになる可能性もある。ロングボディの「110」は全長が約5m、全幅が約2mあり、込み合った街中では少々持て余すことがありそうだ。
対するラングラーは全長4.87m、全幅1.85mとディフェンダーに比べれば若干コンパクトで(とはいえ十分大きいのだが)、その四角いボディ形状の見切りのよさゆえ、サイズのわりに取り回しがいい。
燃費については、どちらも大きなボディ、ヘビー級の重量、四駆の走行抵抗などから、今どきのセダンやSUVのような数値は期待できない(WLTCモードで2Lガソリンエンジンのラングラーが10.0km/L、ディフェンダーが8.3km/L)。

はっきり言って燃費はこうしたクロカン4WDの泣きどころだ。

ただしディフェンダーにはディーゼルモデルがラインナップされるので、少しでも燃料代を節約したい人はそちらを選ぶという手もある

どんな人にお薦め?

「どんな道でも行ける」という走破性については、世界中のクルマの中でも最高峰と言える2台。

だが仮にどちらを手に入れたとしても、その性能をフルに使うような極限の道を走る可能性は限りなくゼロに近い。だがそれはたとえ300km/hを出せるスーパーカーに乗っていても、公道ではそれを発揮させることができないのと同じだ。

実際には使うことのない高性能を有している、ということが乗り手の喜びであり満足感になる。つまりこの2台は“オフロードのスーパーカー”なのである。

それを理解したうえで選ぶなら、ラングラーはジープ以来の伝統的なワイルドさ、アナログなギアを“使いこなす”かのような喜びを感じたい人向けと言える。一方、最新SUVと遜色のない乗り心地や快適性を備えるディフェンダーは、伝統と先進性を融合させたモデル。クールかつモダンなカーライフを求める人には最適だ。

どちらも歴史と伝統のうえに生まれた唯一無二のモデルであり、長く乗り続けられる魅力を持つ2台。トータルのコストパフォーマンスを考えれば、手に入れる価値は大いにありと言えるだろう。
今回ご紹介する車両はすべて「ユニバース堺店」で取材、撮影させていただいたもの。

車両の詳細はYouTubeチャンネル「CARPRIME」「Koredeチャンネル」でも解説しているので、動画もぜひご覧いただきたい。
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