BMW M4はいわば素性の良さが光る高性能スポーツ

BMW M4

BMW M4(F82, F83)は、モータースポーツからフィードバックされたテクノロジーで革新的な走りを見せる一台です。今回はこのBMW 初代M4に注目し、その特徴やライバルとの比較、さらには中古車市場にまで注目していきたいと思います。

(※価格は消費税込、2020年8月現在)

Chapter
BMW M4はどんなクルマ?
BMW M4のライバルは?
BMW M4とレクサスRC F 高性能に対するアプローチの違いとは
BMW M4の中古車価格は?

BMW M4はどんなクルマ?

BMW M4は、8まであるBMW Mシリーズの中間に位置するクラスで、価格帯は1334.3万円(M4クーペ 6MT)~1557.6万円(M4カブリオレ コンペティション)となっています。

グレードは、6MTと7速 M DCTのM4クーペに加えて6MTと7速 M DCTのM4クーペ コンペティション、さらには7速 M DCTのM4カブリオレ コンペティションの5グレードが揃い、 6MT車は左ハンドルと右ハンドルが選べます。

2020年1月には各国のサーキットをイメージした専用ボディーカラや、20インチMライト・アロイ・スポーク・スタイル666Mホイールなど、さまざまな専用装備を搭載したM4クーペ エディションヘリテージを日本国内30台限定で発売。価格は1699.5万円でした。

BMW M4のライバルは?

BMW M4は、クーペとカブリオレがラインラップされていますが、クーペを中心とした場合レクサス RC Fがライバルに挙げられます。

両車のライバル関係は、その前身のモデルから成り立っていました。2007年にレクサスからはセダンのIS Fが、BMWからはM4クーペの前身となるE92型 M3クーペとE90型M3セダンが登場。2014年まで販売されていた両車は、ミドルクラスのセダンもしくはクーペをベースとしたハイパフォーマンスモデルだったので、比べられることが多い関係でした。

現在レクサスからラインアップされているミドルクラスクーペ RC をベースにしたハイパフォーマンスモデル RC Fは、レクサス IS Fに搭載されていたエンジンをアップデートした自然吸気5.0リッターV8を搭載しています。

この RC F はブランドイメージを牽引する役割が与えられており、日常における使用では快適に移動ができながら、サーキット走行も可能な本格的プレミアムスポーツカーとして開発されました。

ならば気になるのは、キャラクターが似通っているBMW M4クーペとの違い。BMW M4クーペは全長4,685mm×全幅1,870mm×全高1,385mm、レクサス RC Fは全長4,710mm×全幅1,845mm×全高1,390mmとほぼ同サイズですし、車両価格も1000万円~1700万円と良きライバルと言えます。

さて高性能に対するアプローチはどのように異なるのでしょうか? 各部を比べながら探っていくことにしましょう。

BMW M4とレクサスRC F 高性能に対するアプローチの違いとは

まずはエンジン。BMW M4クーペは、3.0L 直列6気筒ツインターボで、最高出力317kW(431PS)/7,300rpm、最大トルク550Nm(56.1kgm)/1,850~5,500rpmです。

一方、レクサス 初代RC Fは、前述の通り5.0L V型8気筒自然吸気で、最高出力351kW(481PS)/7,100rpm、最大トルク535Nm(54.6kgm)/4,800rpm。レクサス RC Fの方が高い最高出力を誇り、BMW M4クーペの方が、トルクが勝っています。ターボと大排気量NAのキャラクターの違いがスペックに現れた形となっています。

BMW M4の直6は過給器付ユニットながらレスポンスに優れ、豊かなトルクも魅力。レクサス RC FのV8は大排気量の豪快さが魅力です。

しかし、ここで気になるのは、燃費の差。JC08モード燃費で、BMW M4クーペは12.2km/L(7速DCT)、レクサス RC FはWLTCモード8.5km/Lです。

数値的にはJC08モードの方がWLTCモードより良好な数値が出るので直接的な比較は難しいのですが、レクサス RC FをJC08モードに換算するとおおよそ9~10km/Lとなります。BMW M4は高性能を誇りつつも、環境性能にも配慮したためか、排気量を抑え、過給器エンジンを採用したダウンサイジングターボエンジンであることがわかります。(WLTCモードからJC08モードへの換算は予測値です)

また燃費にも関わるトランスミッションについては、BMW M4クーペが7速DCTと6速MTから選べる(BMW M4カブリオレ コンペティションは7速DCTのみ)のに対し、レクサス 初代RC Fは8速ATのみ。ここからは、走りの楽しさをどん欲に追求するBMWの考え方が強く伝わってきます。

続いてはシャシー性能。どちらも快適性と走行性能を両立し、シャシー性能の高さには定評があります。
サスペンションはBMW M4シリーズが前:ストラット、後:5リンクで、レクサス RC Fは前:ダブルウィッシュボーン、後:マルチリンクという形式を採用しています。サスペンション形式としては、RC Fの方が手間のかかる形式を採用していますが、M4も電子制御式ダンパーであるアダプティブ M サスペンションを採用しており、引けを取りません。

優れたトラクション性能の獲得においては、BMW M4シリーズがアクティブMディファレンシャル、レクサス RC FがTVD(トルクベクタリングデファレンシャル)を採用するなど、最新テクノロジーの投入にも余念がありません。

次に重量について掘り下げてみましょう。車両重量BMW M4クーペが1610kgで、レクサス 初代RC Fが1720kgとかなり大きな差があります。BMW M4クーペの場合は、ルーフパネルをはじめとするカーボンファイバー素材の積極的に採用されていて、クラスを超えた軽さをもたらしています。それは室内に目を向けても大きな違いを感じるほどです。

どちらもコクピットは上質さが印象的ですが、BMW M4はシート回りで前モデルよりも12 kg の軽量化を実現しました。見た目は豪華だし、乗っても快適なのですが、中身にはレーシングカーのような軽さへのこだわりが隠されているのです。

BMW M4は、BMWロードカーの文法通り前後重量バランス50:50にこだわっていますが、レクサス RC Fは大排気量V8エンジンを積むだけに180kgほどフロントヘビーとなっています。このように車両重量を比べてみると、両者の違いが明らかになってきます。

BMW M4の中古車価格は?

BMW M4は日本での発売から7年目となり、中古車市場にもかなりの台数が出そろってきました。M4クーペに関しては、大手中古車情報サイトでは最安値は398万円、最高額が1830万円、平均価格636万円となっています。台数は134台の取り扱いがありました。

基本的にはノーマルグレードの7速DCT車がもっとも安く、6MT車は台数が少ないこともあって、比較的高値が付いています。1000万円を超えているのは、台数限定の特別仕様車です。

また、BMW M4カブリオレも台数は3台とわずかですが、中古市場には存在しており価格は900万円前後です。(2020年8月時点)

BMW M4とレクサス RC Fを比べると、どちらも優れているところがあり、優劣が付けられないハイパフォーマンススポーツクーペです。

中古車価格を見てもBMW M4クーペは398万円~(平均636万円)、レクサス 初代RC Fが388万円~(平均547万)とほぼ同じ価格帯で、良きライバルといった感じです。

ただ、ひとつ言えることは、BMW M4はいわば素性の良さが光る高性能スポーツ。サーキット等で極限まで攻め込んだとき、その素性の良さが光ることでしょう。