サイドミラーにある黒い線の正体とは?故障ではない安全機能を解説

サイドミラー

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車のサイドミラーやドアミラーを何気なく見たとき、鏡の中に縦に入った黒い線に気づいてドキッとしたことはありませんか?

「この黒い線の正体は何だろう?ひょっとしてミラーが壊れているのでは?安全に問題はないの?」と不安になるかもしれません。

この記事では、サイドミラーの黒い線の正体を分かりやすく説明し、それが安全のための工夫であることを解説します。さらに「故障ではないの?」「運転上の注意点はあるの?」といった疑問にも丁寧に答えていきます。

車に詳しくない方でも安心して読める内容になっていますので、ぜひ最後までお付き合いください。

CarMe編集部

新車・自動車ニュースのWEBマガジン「CarMe[カーミー]」を運営。
「カーライフを楽しむ全ての人に」を理念に掲げ、編集に取り組んでいます。

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Chapter
サイドミラーの黒い線の正体は「広角ミラー境界線」
黒い線がある理由:視野を拡大し死角を減らす安全メリット
黒い線は故障ではない
広角ミラーの注意点と正しい見え方のコツ
広角ミラーは補助用:距離感は標準ミラーと目視で確認
まとめ:黒い線は安全装備、気になる場合は専門家に相談

サイドミラーの黒い線の正体は「広角ミラー境界線」

ズバリ結論から言うと、サイドミラーに見えるその黒い縦線はミラー面が2つのエリアに分かれている境目です。

多くの車(特に助手席側のドアミラー)では、ミラーの外側部分に広角ミラー(ワイドミラー)と呼ばれる曲面鏡が組み込まれており、黒い線は通常の平面ミラー部分と広角ミラー部分との境界線なのです。決してペンキで描かれた線やヒビではなく、メーカーが意図的に設けたものなので安心してください。

実際、メーカー公式の説明でも「ドアミラーに入っている縦線は広角ミラーと標準ミラーとの境目の線です。不具合などではありません」と明言されています。つまり故障ではなく構造上の特徴なのです。

黒い線がある理由:視野を拡大し死角を減らす安全メリット

では、なぜミラーをわざわざ2つのエリアに分けて広角ミラーを設けているのでしょうか?

その目的は一言でいうと視野拡大による安全性向上です。広角ミラー部分を設けることで、通常よりもワイドな後方視界を確保し、いわゆる「死角」を減らす効果があります。

ミラーの端を曲面にすることで、車線変更時や右左折時に斜め後ろにいる車やバイク、歩行者など、通常のミラーでは映りにくい部分まで映し出すことができます。広角ミラーのおかげでより広い視界が得られ、視界性能が高まるため、安全運転の助けになるというメリットがあるのです。


また、広角ミラーは駐車の際にも役立ちます。例えば縦列駐車や狭い駐車場で後退するとき、広角ミラー部分により後方の状況を広く確認できるので、壁や他車との距離感を把握しやすくなります。「ラインがよく見えて駐車が楽になった」というドライバーの声もあるほどです。

総じて、この黒い線のおかげでミラーの視野が広がり安全確認がしやすくなるのが大きな狙いと言えるでしょう。

黒い線は故障ではない

黒い線を初めて見つけた人が真っ先に心配するのが「ミラーが壊れているのでは?」という点です。しかし前述の通り、この線は故障や不具合ではまったくありません。

車種によっては最初から設計として取り入れられているものなので、突然線が現れたからといって慌てる必要はないのです。メーカーの公式な取扱説明書やFAQなどでも「(ドアミラーの縦線は標準ミラーと広角ミラーの境目であり)不具合ではありません」といった趣旨の記載がされていることが一般的です。

むしろ安全のために設けられた機能なので、黒い線=広角ミラー部分が付いている車は「安全装備が充実しているんだな」と前向きに捉えてOKです。

特に最近の車や輸入車では、より広い範囲の安全確認を可能にするため、広角機能付きのサイドミラー(ドアミラー)が採用されることは珍しくなく、それが正常な状態であることを覚えておきましょう。

もし購入直後や車検後にこの線に気づいて心配になった場合も、まずはご自身の車の取扱説明書を確認するか、販売店に問い合わせれば「正常な仕様である」と説明を受けるはずです。

広角ミラーの注意点と正しい見え方のコツ

広角ミラーでは視界が広がる反面、通常のミラーよりも距離感が変わって見える点に注意が必要です。

像が小さく見える結果、ドライバーは物体までの距離を実際よりも遠く感じてしまう傾向があります。

この特性による距離誤認を防ぐため、特に海外の車両の助手席側ミラーなどには「Objects in mirror are closer than they appear」(鏡に映る物体は、見かけよりも実際には近くにあります)という警告文が記載されていることがあります。

これは、「遠くに見えると感じても、実際にはそれよりも近い位置にいる可能性があるので注意してください」という安全のための重要なメッセージなのです。

広角ミラーは補助用:距離感は標準ミラーと目視で確認

広角ミラー部分は、通常のミラーでは死角になりやすい範囲にいる車両や歩行者などが映り込むため、「そこに何か対象物が存在するかどうか」を早期に認知するための補助として活用するのがポイントです。

実際の距離感や対象物の詳細な位置、速度などを正確に判断する際には、ミラー中央の標準的な鏡面部分(平面または曲率の小さい部分)の見え方を優先し、さらに必ず目視(直接振り返るなど)による安全確認を併用するようにしましょう。 

最初は広角ミラー特有の像の小ささや歪みに違和感を覚えるかもしれませんが、その特性を理解し、焦らず運転していれば、多くの場合すぐに慣れて気にならなくなります。

自動車メーカーや交通安全の専門家も「広角ミラーは視界がワイドになる反面、像が小さく見えるため、慣れるまでは距離感に注意して運転してください」といった趣旨のアドバイスをしています。

つまり、特性を理解し、少し注意して使えば広角ミラーは安全運転の強い味方になるということです。

まとめ:黒い線は安全装備、気になる場合は専門家に相談

サイドミラー(ドアミラー)に映る黒い線の正体は、ミラーの視界を広げるための広角ミラー部分との境界線でした。決して故障や不良ではなく、後方や斜め後方の死角を減らし、安全運転をサポートするための有効な工夫です。

最初は見え方に驚くかもしれませんが、その機能のおかげでより広い範囲を視認でき、安全確認の助けとなるメリットがあります。像の歪みや距離感の違いに多少の違和感はありますが、その特性を理解し、使っていくうちに慣れて問題なく活用できるようになるでしょう。

黒い線を「邪魔だな」と感じるかもしれませんが、あまり神経質になる必要はありません。それは正常な機能であり、多くのドライバーがその視界拡大効果の恩恵を受けています。

ただし、どうしてもその見え方に馴染めない場合や、「本当にこのミラーの状態で正しいのだろうか?」と強い不安を感じる場合は、無理に我慢せずディーラーや信頼できる整備工場など専門家に相談してみてください。専門家であれば車種ごとのミラーの仕様を把握しており、正しい見方や慣れ方についてのアドバイスをしてくれます。ミラー全体の角度調整であれば可能ですが、広角部分の曲率や境界線そのものを変更するような調整はできません。

また、ミラーレンズの交換(例えば、広角部分のない平面ミラーへの変更など)については、後方の視認範囲が変わり安全性に影響する可能性や、そもそも車両の設計や保安基準への適合性も考慮する必要があるため、専門家も安易には推奨しないことが一般的です。どうしても見え方に強い違和感が解消されない場合は、そうしたリスクや可否も含めて相談してみるとよいでしょう。

最後にもう一度強調しますが、サイドミラーの黒い線とその外側の広角部分は、多くの場合、安全運転を助けるための大切な機能です。安心してドライブを続けてくださいね。
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