半世紀以上作られているスポーツモデル「フォード マスタング」の歴史を徹底解説!
更新日:2024.09.09
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2014年に誕生から50周年を迎えたマスタング。半世紀以上販売され続けているスポーツモデルは世界的に見てもそう多くありません。
ポニーカーとして、マッスルカーとして、今なお人気であるアメリカンスポーツの歴史を振り返ってみましょう。
文・西川 昇吾
ポニーカーとして、マッスルカーとして、今なお人気であるアメリカンスポーツの歴史を振り返ってみましょう。
文・西川 昇吾
若者向けの安価でスポーティーなクルマとして
1964年4月17日、ニューヨーク万国博覧会の会場でマスタングは発表されました。当時の社長であるリー・アイアコッカによって企画されたこのスポーツモデルは、スポーツカーとして開発されたというよりは、安価でスポーティーなクルマとして開発されました。
当時のアメリカは大戦後に多く生まれた子供たちが自分の手でクルマを運転し始める若者へと成長した時で、それに応えられるモデルが必要でした。そのためマスタングは既存のコンポーネントを流用しつつ安価でスポーティーに仕立てたクルマとして開発されました。
こうした背景を基に開発されたマスタングは、フォードのラインアップの中では小型車であったファルコンの基本メカニズムが流用され、ノッチバッククーペ・ファストバック・カブリオレと3つのスポーティーなデザインのボディが用意されました。
当時のアメリカは大戦後に多く生まれた子供たちが自分の手でクルマを運転し始める若者へと成長した時で、それに応えられるモデルが必要でした。そのためマスタングは既存のコンポーネントを流用しつつ安価でスポーティーに仕立てたクルマとして開発されました。
こうした背景を基に開発されたマスタングは、フォードのラインアップの中では小型車であったファルコンの基本メカニズムが流用され、ノッチバッククーペ・ファストバック・カブリオレと3つのスポーティーなデザインのボディが用意されました。
また、特徴的だったのがフルチョイスシステム。ベースグレードは質素な装備で安価な金額に抑えつつ、幅広いオプションを用意。これにより当初の狙い通り若者を取り入れることに成功すると共に、それ以外の層からも支持されることになります。結果、T型フォード以来とも言われるほどの大ヒットを記録しました。
パワフルに進化した2代目
1969年に2代目へと進化。しかしながらエクステリアとインテリアの変更が大きかったのみで、基本的なメカニズムに大幅な変更はなかったため、この世代を初代に分類することもあります。
大型化されたボディに、ハイパワー化したエンジンが載せられ、ツーリングカーレースのホモロゲーショングレードなども登場するなど、安価なスポーツカーというイメージから高性能をアピールしたモデルへとキャラクターを変えてのモデルチェンジでした。
大型化されたボディに、ハイパワー化したエンジンが載せられ、ツーリングカーレースのホモロゲーショングレードなども登場するなど、安価なスポーツカーというイメージから高性能をアピールしたモデルへとキャラクターを変えてのモデルチェンジでした。
排ガス規制の影響を受けた3代目
1974年に3代目へと進化、しかし当時は排ガス規制の影響でアメリカンスポーツにとっては冬の時代。V8エンジンはラインアップから消え、直列4気筒とV6エンジンのみのエンジンラインアップになりました。
しかし、ファンからの熱い声に応える形で、翌1975年にはV8エンジンをラインアップに復活させました。
しかし、ファンからの熱い声に応える形で、翌1975年にはV8エンジンをラインアップに復活させました。
ロングセラーとなった4代目
1979年に4代目へとフルモデルチェンジ、エクステリアデザインなどが大きく変わり新時代への移り変わりを印象付けるモデルとなりました。
この世代は結果として長期に渡って販売されることとなり、1987年のビックマイナーチェンジを経て1993年まで販売されていました。
この世代は結果として長期に渡って販売されることとなり、1987年のビックマイナーチェンジを経て1993年まで販売されていました。
マスタングらしさが戻ってきた5代目
5代目へとフルモデルチェンジしたのは1994年のこと。それまでの歴代モデルと比べると曲線基調のデザインとなったのが大きな変化と言えます。
エンジンはV6とV8が用意され、高性能バージョンのマスタングコブラは最高出力238kW(324PS)を発生する4.6L V8エンジンを搭載し、5速マニュアル・ブレンボ製フロントブレーキシステム・LSDなど走りの装備が充実していました。
エンジンはV6とV8が用意され、高性能バージョンのマスタングコブラは最高出力238kW(324PS)を発生する4.6L V8エンジンを搭載し、5速マニュアル・ブレンボ製フロントブレーキシステム・LSDなど走りの装備が充実していました。
初代のイメージを色濃くした6代目
2006年に日本市場販売が開始された6代目モデル、逆スラントしたフロントノーズや、角ばったロングノーズ&ショートデッキのエクステリアデザインを身にまとい、初代を彷彿とさせるそのデザインは一目でマスタングと分かるものに仕上がっていました。
エンジンはV6とV8の2種類で、どちらもオールアルミ製で従来よりもV8エンジンは34kg軽量に仕上がっていました。
エンジンはV6とV8の2種類で、どちらもオールアルミ製で従来よりもV8エンジンは34kg軽量に仕上がっていました。
日本への右ハンドル導入が期待された7代目
そして、現行モデルとなる7代目は2015年に販売を開始。2.3L 4気筒エンジンのエコブーストエンジンがラインアップに加わり、久々に4気筒のマスタングが復活しました。
このエコブーストエンジンから日本市場での販売を開始し、最終的には日本市場でも5.0リッター V8エンジンや右ハンドル仕様が導入される予定でした。
このエコブーストエンジンから日本市場での販売を開始し、最終的には日本市場でも5.0リッター V8エンジンや右ハンドル仕様が導入される予定でした。
しかし、フォードの日本市場撤退によりそれは幻となってしまう結果に。
アメリカやヨーロッパ市場では販売を継続し、2018モデルではフェイスリフトを含む大幅なマイナーチェンジを行い、現在まで販売されています。
アメリカやヨーロッパ市場では販売を継続し、2018モデルではフェイスリフトを含む大幅なマイナーチェンジを行い、現在まで販売されています。
排ガス規制などの時代の変化に泣かされてきたマスタング。しかし、その中でファンの声に応えるような形で初代や2代目へのオマージュを持ちながら、「マスタングらしさ」を伝えてきました。
これから先、自動車に大きな変化が求められていくかもしれませんが、求められた変化を実現しつつもどのようにマスタングらしさを体現するか非常に楽しみです。
これから先、自動車に大きな変化が求められていくかもしれませんが、求められた変化を実現しつつもどのようにマスタングらしさを体現するか非常に楽しみです。