洗練されたアメ車!?フォード マスタングのメカニズム(エンジン・サスペンション)を徹底解説!

マスタング 2015年式 西川撮影

アメリカンスポーツカーの王道とも言えるスタイルを貫き続けているマスタング。

どこか少し古典的なイメージがある部分もありますが、スポーツカーならば走りに重要なメカニズムが気になるところ、今回はマスタングのメカニズムをチェックしていきます。

写真・文:西川昇吾/車両協力:BUBU横浜

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エントリーグレードに4気筒「エコブースト」エンジンを用意
雰囲気抜群のV8エンジン
サスペンションは7代目で大幅に進化

エントリーグレードに4気筒「エコブースト」エンジンを用意

現行となる7代目となった時に、最も大きなトピックスと言えたのがエントリーグレードに4気筒エンジン搭載グレードがラインアップされたことです。マスタングと言えばアメリカンマッスルにふさわしいV8エンジンというイメージが強かったため、その発表は衝撃的でした。

エコブーストはフォードの新世代環境対応エンジンに名付けられた名称。低排気量ながら大排気量エンジン並みの出力やトルクを持つというエンジンで、いわばフォードのダウンサイジングエンジンに名付けられるという見方もできます。

マスタングに搭載されたエコブーストエンジンは2.3Lで最高出力231kW(314PS)最大トルク434Nm(44.3kgm)というスペック(正規輸入された日本仕様)で、十分なパワーと4.0Lエンジン並みの力強さを持っています。

この優れたスペックを実現したのは直噴技術とターボという組み合わせ。単に既存のエコブーストエンジンを搭載しただけではなく、マスタングらしさにこだわりエキゾーストサウンドのチューニングもされています。雰囲気を味わうのであれば、エコブーストでも十分と言えるのです。

雰囲気抜群のV8エンジン

エコブーストがどんなに素晴らしくても「マスタングはやっぱりV8!」という人も多いでしょう。コヨーテと名付けられた5.0L V8ユニットは、フォードが現在V8エンジンの主力としているユニットです。

4.6L SOHCユニットをベースに5.0Lへとボアアップ、それにDOHCヘッドを組み合わせたのがコヨーテV8です。スペックとしてはV8ベースグレードと言えるGTで最高出力338kW(460PS)最大トルク569Nm(58.0kgf)となっています。

アメリカンV8と聞くと、OHVヘッドの旧態的なパワーユニットという印象を受けるかもしれませんが、DOHCヘッドを持つ現代的なパワーユニットとなっています。また、フォードはこのエンジンを長年改良し続けているのです。

しかしながらそのサウンドは、ヨーロッパ車や日本車の大排気量V8が奏でる上質で高性能を思わせるサウンドとは異なり、どこか不揃いでワイルドな印象を受ける味のあるサウンドとなっています。

低回転からビッグトルクを発生するコヨーテV8は、街乗りでの実用トルクが十分であるのはもちろんですが、2,000rpm前後でもひとたびスロットルを開ければ強烈な加速を見せてくれます。

サスペンションは7代目で大幅に進化

走るために必要なエンジンだけではなく、曲がるための性能も現行モデルになってバージョンアップされているのがマスタングのメカニズム的特徴です。

フロントにマクファーソン・ストラット、リアに独立インテグラルリンク式が採用されたサスペンションはどちらも新開発。特にリアは先代モデルでは3リンクリジットであったため、大幅に進化したと言えます。

これにより現代のスポーツモデルに必要なコーナリング性能と乗り心地を手に入れました。また、新しく軽量で高剛性なペリメーター型サブフレームが装着されています。

スポーツモデルとしてはGTカー的な乗り心地が印象的なマスタングですが、新開発のサスペンションの働きも相まって確かな性能も確保。アメリカンな乗り味ながら洗練されたものになっているのが特徴的です。

7代目となり現代的なメカニズムが多く採用されたマスタング。そのため快適性や性能に関してはヨーロッパ車や日本車に引けを決して取りません。しかしながらアメリカンな雰囲気は抜群な仕上がりになっているのが最大のポイント。

洗練されたアメリカンスポーツという7代目マスタングの魅力を下支えしているのは、新世代ながらもマスタングらしさにこだわって味付けされたメカニズムにあるのです。

西川 昇吾|にしかわ しょうご

1997年生まれ。富士スピードウェイ近隣で生まれ育ち、大学で自動車に関する学習をする傍ら、自動車ライターとしての活動を始める。過去にはコミュニティFMのモータースポーツコーナーにてレギュラー出演経験あり。「書くこと、喋ることで自動車やモータースポーツの面白さを伝える」を目標とし、様々なジャンルのライティングや企画に挑戦中。

西川 昇吾