トヨタ カローラ フィールダーは旧型なのになぜ未だに継続販売されているのか?

トヨタ カローラフィールダー 2017

2019年にカローラツーリングと名前を変え、12代目が登場してもなお販売が続いている従来型の11代目トヨタ カローラ フィールダー

モデルチェンジがなされれば従来型は姿を消すのが常ですが、なぜ11代目カローラ フィールダーは継続販売されているのでしょうか

そこで今回は、旧型のカローラ フィールダーが継続販売されている謎に迫っていきます。

Chapter
そもそも11代目カローラ フィールダーとはどんなクルマなの?
カローラフィールダーが継続販売されているのは5ナンバーであることが理由?
カローラ ツーリングよりもカローラ フィールダーの方が使い勝手が良い?

そもそも11代目カローラ フィールダーとはどんなクルマなの?

カローラフィールダーとは、2002年までトヨタが製造・販売を行っていたカローラ・ワゴンを前身とする5ナンバーのステーションワゴンです。

11代目がデビューしたのは2012年のことで、カローラ アクシオをベースとして、プラットフォームをヴィッツ系のBプラットフォームを採用しました。

デビュー当初は直4の1.5L /1.8L のエンジンに、CVTか5MTの組み合わせというラインアップでしたが、2013年にはハイブリッドモデルを追加。

マイナーチェンジを受け、インテリア(内装)とエクステリア(外装)のデザインが一部変更されると共に、トヨタ セーフティ センスがオプションとして設定されたのです。

その後、2017年にはオプション設定だったトヨタ セーフティ センスが標準装備となり、より安全性能を高める変更がなされています。

そして2019年、カローラは新型に移行し、同じようにステーションワゴンもカローラ ツーリングと名前を変えることとなりました。

通常、フルモデルチェンジが行われれば、従来型はカタログから姿を消すのが一般的です。

しかし、カローラ フィールダーはそのまま販売が続けられています。

新型が販売されているのに、従来型も現行モデルという特殊な状況になっているのです。

カローラフィールダーが継続販売されているのは5ナンバーであることが理由?

現在販売されているカローラフィールダーのラインアップは、廉価グレードに相当するEXのみ。

2WD(2輪駆動)/4WD(4輪駆動)の2種類の駆動方法が設定されており、2WDにはハイブリッドが用意されています。

なぜここまでグレード体系を絞ったうえで、トヨタはカローラフィールダーを続投させているのでしょうか。

まず、新型となったカローラのセダン・ツーリング・スポーツは全てが3ナンバーサイズのモデルです。

一方、フィールダーは5ナンバーサイズ。実はここに秘密があり、「5ナンバーサイズにこだわる顧客」のためにカローラフィールダーは継続して販売されているのです。

5ナンバーサイズにこだわる顧客とは、主に社用車としてカローラを購入する顧客がほとんど

ボディーも小さく本体価格も安いカローラフィールダーは、社用車としてもってこいの1台なのです。

また、レンタカーとしての需要や乗用車としても3ナンバーとなったカローラシリーズより、5ナンバーのフィールダーを選ぶ方もいるのだとか。

カローラフィールダーは、日本のビジネスシーンを支えつつ、一般顧客のニッチな需要に応えるため継続販売されているのです。

カローラ ツーリングよりもカローラ フィールダーの方が使い勝手が良い?

3ナンバーとなったカローラツーリングと、5ナンバーサイズを守るカローラフィールダーは、ボディーサイズに大きな差があります。

カローラツーリング :全長4,495mm×全幅1,745mm×全高1,460mm
カローラフィールダー:全長4,400-4,410mm×全幅1,695mm×全高1,475-1,510mm

2台には、全長96mm、全幅50mm、全高15mmの差があるのです。

さらに、室内の広さを比較してみると、

カローラツーリング :室内長1,795mm×室内幅1,510mm×室内高1,160mm
カローラフィールダー:室内長1,945mm×室内幅1,430mm×室内高1,200mm

カローラフィールダーの方が150mm長く、ツーリングが80mm幅広く、フィールダーが40mm高いという結果になりました。

3ナンバーになっても、大きくなったのはボディーサイズと室内幅のみであり、車内の開放感から得られる快適性という点に関しては、カローラフィールダーもツーリングもそこまで大きな違いはないのではないでしょうか。

また、荷室(ラゲッジルーム)容量ではカローラフィールダーがカローラツーリングを圧倒します

カローラフィールダーは元々ステーションワゴンタイプであることから、2列目シートを倒せば872Lという大容量のラゲッジが姿を現すのです。

一方のカローラツーリングの最大容量は598Lと、その差は歴然。

非常に優秀な積載力が備わったカローラフィールダーは、社用車としても大人数でのドライブ時のクルマとしても重宝すること間違いないでしょう。

カローラフィールダーとカローラツーリング、どちらが優秀か?という問いに、恐らく答えはありません。

なぜなら、そもそもターゲットとしている顧客が違うことから、同じカローラシリーズであるのにコンセプトが異なるためです。

そして、カローラフィールダーが継続販売されているのは、社用車用や5ナンバーにこだわりがある顧客の需要を満たすため。

安定的な販売が見込めることからも、カローラフィールダーは今後も長きに渡って販売されていくクルマになるのではないでしょうか。

※2021年8月現在

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道