エアコンの外気導入と内気循環、正しく使い分けていますか?

内気循環

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外気導入と内気循環、2つの機能を持つクルマのエアコンですが、それぞれが推奨される場面が存在することはご存じでしょうか。

なんとなく使い分けているものの、両者にはどんな違いがあるのか、どんな時にどちらを遣ったらいいか正しく理解している方は少数なのではないでしょうか。

そこで今回は、クルマの外気導入と内気循環を上手く使い分ける方法について、じっくり解説していきます。

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道
Chapter
外気導入は、換気が得意
車外の環境が悪い場合には内気循環
ずっと内気循環にしていると車内環境が悪化?

外気導入は、換気が得意

エアコンの外気導入とは、読んで字のごとく車外の空気を車内に取り入れる方式のことで、車内の空気を換気したい時に使います。

外の空気を取り入れることによって、車内の温度と外の温度の差を減らすことができるのです

そのため車内/車外の温度差で発生するフロントガラスの曇りを取りやすくすることが可能なので、冬場に重宝する機能といえます。

この外気導入は、冬場のフロントガラスの曇り対策のほか、駐車時などに車内の気温が上がりやすい夏にも便利な機能です。
夏の炎天下で駐車したクルマに乗り込んだ直後は、かなり車内の温度が高くなっています。そんな時はエアコンを外気導入にして起動し、窓を開けて走ることで車内の温度を効率よく冷やすことができるのです。

そして車内が涼しくなってきたら、内気循環に切り替えることで効率よくエアコンを効かせることが可能なのです。

また、車内に漂うニオイにも効果を発揮します。

クルマの中で嫌なニオイを発生させる原因は、カビや食べかす、タバコなどさまざまな要因がありますが、外気導入を用いることである程度嫌なニオイを換気することができます。

これは、運転中だけではなくクルマを停めている場合にも同じことがいえるため、駐車場などにクルマを停めている間も外気導入にしておくことで、エアコン内部に発生するカビや雑菌の増殖を低減する効果も期待できるのです。

車外の環境が悪い場合には内気循環

外気導入と異なり、内気循環は車外の空気環境が悪い場合に有効な機能です。

例えば市街地で渋滞につかまってしまい、周囲に排気ガスが充満していると考えられる状況や、花粉の飛散が酷い時期に山道を走らなくてはならない場合、トンネルの中などが挙げられます。

内気循環にすることで、外の排気ガスや花粉などの侵入を防ぐことが可能なのです。
また、エアコンの冷房/暖房がある程度効き始めた車内では、外気導入から内気循環に切り替えることで、更に効率よく車内にエアコンを効かせることができます。これは、エアコンが効いている部屋の窓は閉めておくのをイメージすると理解しやすいかもしれません。

さらに、ジメジメとして湿度が高い日においては、車内より外の湿度が高いために内気循環を使ったほうがフロントガラスの曇りを予防しやすくなることも覚えておくと良いでしょう。

このように、内気循環は周囲の状況に応じて、外気導入から切り替えて使うのが賢い使い方といえます。

ずっと内気循環にしていると車内環境が悪化?

2019年4月に、JAFが内気循環と外気導入の車内環境を比較したテストで面白い検証結果を公表しています。

それは4名乗車して窓を全閉にした同じミニバンを用いて内気循環と外気導入に分け、高速・郊外・山道・市街地など、同じルートを走って車内の二酸化炭素や酸素濃度、花粉の量などを数値化したものです。

まず高速道では、スタートして1時間後も二酸化炭素濃度に変化が見られなかった外気導入に比べ、内気循環のクルマでは車内の二酸化炭素濃度は約4倍ほどに増加。そして市街地においては、内気循環のクルマの二酸化炭素濃度は、外気導入のクルマに比べて約5.5倍を計測しました。

二酸化炭素の濃度が上昇したことにより、乗員の中には眠気や軽い頭痛を感じた者も。
短い時間であれば問題はないとされていますが、二酸化炭素濃度が上昇するにつれ影響は目に見えて大きくなっていくので、適当なタイミングで換気をするか、外気導入と切り替えながら走るのが無難だといえるでしょう。

一方、酸素の濃度は外気導入/内気循環で大きな差は認められず、約1%ほどの差となりました。

花粉の量に関しては、エアコンフィルターの性能上昇によって外気導入でも車内への侵入はわずかしか認められなかったと発表しています。
外気導入と内気循環の使い分けについて解説してきました。

基本的には外気循環で車内の換気を行い、外が排気ガス臭かったり、外の湿度が高い場合には内気循環を使うことで快適にドライブできることが分かりました。

それぞれの特性を理解して、適切な場面で切り替えて外気導入と内気循環を使い分けましょう。

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