3車線の高速道路では真ん中の車線が広い!その理由を解説

片側3車線の高速道路

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片側3車線の高速道路を走っている時、真ん中の車線だけ僅かに広いと感じたことはないでしょうか。

気付いていない方も多いかもしれませんが、実は一部の高速道路では、真ん中の車線だけが広くなっているのです。

そこで今回は、高速道路の中央の車線だけが広くなっている理由について詳しく解説していきます。

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道
Chapter
車線幅の基本は3.5メートル
少し特殊な高速道路も存在する
安全性と渋滞緩和のために

車線幅の基本は3.5メートル

基本的に道路の寸法、つまり幅(広さ)は道路構造令で決められており、地方や各都市、交通量に道路の種類によって条件とされる広さは異なりますが、高速道路の車線の幅については3.5メートルを基本とします。

道路構造令とは、道路を新しく作る場合や改築する場合、道路の構造の一般的技術的基準を定めたものです。

しかし、これはあくまでも基本に過ぎず、高速自動車国道と自動車専用道路は25センチ刻みで細かく調整されています。

3.5メートルより25センチ広くした3.75メートルの車線は、交通量の多い片側三車線の高速道路上において、真ん中の車線に用いられます。

幅広の3車線道路では、左車線は路肩に近く、右側の車線は中央分離帯に近い場所を走ることになります。真ん中の車線は両脇が車線ということになり、ここに車幅が真ん中だけ広げられている理由が隠されているのです。

中央の車線を走行中、両脇をクルマに挟まれてしまうと、ドライバーは圧迫感を覚えてしまいますが、この圧迫感を低減するため、真ん中の車線が広く取られているのです。

少し特殊な高速道路も存在する

一般的な高速道路では、車線の幅は3.5メートルを基本とすると前項にて解説しましたが、そのセオリーから外れた少し特殊な路線も存在しています。

それは、東名高速道路及び名神高速道路、そして新東名高速道路の3つが少し特殊な高速道路なのです。

東名高速道路と名神高速道路の2路線は、3.6メートルの車線が基本となっています。

普通に走っていれば気づかないような10センチの差ではありますが、この10センチの差が生まれたのは、上で紹介したような道路構造令のような高速道路の基準が決まっていない時代に当時アメリカで使用されていた、12フィート=約3.6メートルを採用したためといわれています。

名神高速道路の栗東ICより尼崎ICの区間は、日本で初めて開通した高速道です。

この時、これに接続する東名高速道路も同じく3.6メートルとなったという背景があります。

また、新東名高速道路は3.5メートルの高速道や3.6メートルの車線幅を持つ東名・名神高速道路よりも広い3.75メートルの車線幅が基本になっており、これは速度が120km/hで設計されており、安全を確保するためなのです。

安全性と渋滞緩和のために

高速道路の広さ、3.5メートルとクルマのボディサイズを比較した場合、5ナンバーのクルマは車幅最大で1.7メートル、3ナンバーでは1.8メートルほど、トラックやバスで最大2.5メートルなので、道路上のほとんどをクルマで占めることになります。

目視ではそのわずかな違いを見分けることは簡単にできるものではありませんが、道路の構造自体が安全はもとより、実は渋滞の緩和にも貢献しているのです。

道幅が狭小だったり、トンネルなどに入って天上が低くなると圧迫感を感じて、ドライバーは無意識の内にスピードを落とす傾向にあります。

無用な減速は高速道路上に渋滞を生み出す原因のひとつ。

そういったことがないよう、車線の幅もしっかり考えられて設計されていることが分かるのではないでしょうか。

また、安全性に関連するなら、首都高速や阪神高速などの都市高速は、特に安全に配慮された高速道路となるよう設計された道路です。

車線の幅も3.25メートル、最高速度も多くの場所で制限されています。一口に高速道路といっても、さまざまな役割と目的があるのです。
高速道路の車線幅は適当に決められたものではなく、人の生命を守り、滑らかな交通を実現するべく設計されたものということがわかりました。

高速道路を走行する際に、車線の幅の違いにも気が付けるようになればベテランドライバーです。

今後遠出をする際は、以前より車線を少しだけ気にして走行してみるのも良いのではないでしょうか。

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