【元ディーラーマン解説!】輸入車で人気なメルセデスベンツやBMW、アウディは国産車となにが違うの?

クルマ

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今回は日本において輸入車シェアの確固たる地位を誇るドイツ車の中でも、御三家と言われるメルセデスベンツ、BMW、アウディは国産車となにが違うのでしょうか。

元輸入車ディーラー勤務の筆者がご紹介します。

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道
Chapter
ガソリン自動車の始まりはドイツから
ドイツ車が持つ優れた走行安定性
精密さと細かな配慮が国産車の魅力

ガソリン自動車の始まりはドイツから

世界で最初の自動車として言われているのは、1769年にフランス陸軍の技術大尉ニコラ=ジェゼフ・キュニョーが製作した、蒸気機関で動く蒸気自動車の「キュニョーの砲車」と言われています。

この頃から1870年頃までは蒸気自動車が主流でしたが、1885年ドイツ人のゴットリープ・ダイムラーがガソリン自動車の製作に成功し、特許を得ました。同じく1886年ドイツ人のカール・ベンツもガソリン自動車の製作・走行に成功しました。

彼らが今もなお続くダイムラー・メルセデス(ドイツ本社の名称)の礎を作り、これがガソリン自動車の歴史の始まりと言われています。

ちなみに純国産で初のガソリン自動車は1907年に誕生したと言われています。

ドイツ車が持つ優れた走行安定性

ドイツにはメルセデスベンツやBMW、アウディの他にもフォルクスワーゲンやポルシェなど世界的に有名な自動車メーカーが存在します。それは先ほど紹介したように、ガソリン自動車の歴史を作ったというドイツ人のプライドがあり、そのこだわりがクルマにも強く反映されているように思います。

特徴としては、走行安定性が挙げられるでしょう。

日本においての最高制限速度は高速道路でも80km/h~120km/hほどです。対してドイツでは制限速度無制限区間があるアウトバーンがあるため、200km/hほどのスピードを出すことも想定してクルマ造りをしなければなりません。

最高速度100km/hで走ることを想定して造るクルマと、200km/hで走ることを想定して造るクルマというのが大前提として大きな違いを生んでいるのでしょう。

自動車とは安全が一番であり、200km/hで走っていても走行にブレが生じない、ハンドルがしっかり切れる、ブレーキがよく効くなどの条件を満たしていなければなりません。ひと口に走行安定性といってもイメージが湧かない方もいるかと思いますが、乗ってみて一番違いが分かるのがやはり高速運転時の安定感です。

地面を這うように走るメルセデスやBMW、アウディのクルマで高速道路を走行するとまさに違いが分かります。スピードを出していることにすら気付かない振動の少なさや、ハンドルの安定性、車内の遮音性の高さなど、乗ったことのある方にはその違いが分かるのではないでしょうか。

メルセデスベンツのクルマ造りにおける名句で「シャーシはエンジンよりも速く」という言葉があります。エンジンが最高速度で走っていても、走る、曲がる、止まるを織り成すクルマの骨格であるシャーシが、より高性能なものでなければ安全ではないという理念です。

メルセデスベンツは安全性を第一に考える理念により、今日では全ての自動車に適用されている衝撃吸収構造ボディを発明し、その特許を無償で公開しました。

今では当たり前ですが、衝突する車体前後は潰れやすくすることで衝撃を吸収し、人命を守る考えに基づいたクルマ作りを約50年近く前から取り入れているのです。

これは余談ですが、筆者がディーラーに勤めていた約7年間で大破して運ばれてくるクルマは何台かありましたが、乗員は怪我ひとつありませんでした。

精密さと細かな配慮が国産車の魅力

ドイツ人が自動車の歴史にプライドを持っているのと同様に、日本にも素晴らしい「モノづくり」の文化があります。

国産車の優位点として、まず思いつくのはやはり故障が少ないことです。

輸入車においても確かに近年故障は減っていますが、それでもセンサー類の故障やナビのトラブルなどが保証期間内に起こることもよくあります。対して国産車は10年近く乗っても故障は無かったと言う話も多く、その精密なクルマ造りは世界に誇れるものだといえます。

また、私が国産車に触れていつも感心しているのが、痒いところに手が届くその設計です。簡単なところで言うと、国産車では当たり前にあるような収納がドイツ車にはないことが多いです。

当たり前のようにあったスペースがふと無くなってしまうと、日本人は本当に細かいところまで配慮して設計をしているのだなと感心します。
今回は輸入車で人気なメルセデスベンツやBMW、アウディは国産車となにが違うのか、輸入車の良さにフォーカスして紹介していきました。

ドイツ車が誇れるものは、その歴史から生まれた安全性と走行安定性

対する国産車も、日本人のモノづくりのきめ細やかな配慮が詰まった素晴らしいクルマです。

ぜひ一度ショールームでどちらのクルマも実際に体感してみてはいかがでしょうか。

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