中古で買える国産ワゴンのおすすめランキング15選【自動車目利き人が厳選】
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国産ステーションワゴンが欲しいけど、車種選びで迷っている、まだどんな車種を買ったら良いのかわからないという方は、愛車選びの参考にしていただければと思います。
文・三好 秀昌/松田 秀士/小鮒 康一/まるも 亜希子/斎藤 聡
- Chapter
- 国産ステーションワゴン おすすめトップ3【三好 秀昌氏 選定】
- 日産 ステージア:いまでも捨てがたい直列6気筒の快適性
- スバル インプレッサ スポーツワゴン:WRCでも活躍したワゴンモデル
- 三菱 ランサーエボリューションワゴン:最強のパワートレインを搭載した快速ワゴン
- 国産ステーションワゴン おすすめトップ3【松田 秀士氏 選定】
- 新型スバル レヴォーグ(VN5型):見た目以上の進化
- マツダ MAZDA6:新車で買える数少ない国産ミドルクラスワゴン
- トヨタ カローラツーリング:基本骨格の変更で大きく進化
- 国産ステーションワゴン おすすめトップ3【小鮒 康一氏 選定】
- スバル レガシィアウトバック:いまが狙い目!水平対向6気筒を積んだ万能ワゴン
- マツダ アテンザ ワゴン(最終型):MTも選べるフラッグシップモデル
- トヨタ アベンシスワゴン(最終型):欧州テイストの色濃いステーションワゴン
- 国産ステーションワゴン おすすめトップ3【まるも 亜希子さん 選定】
- スバル レヴォーグ(2代目):スタイルはもちろん安全性重視のオーナーにも
- トヨタ カローラツーリング:同クラスでは数少ないコネクティッド機能も魅力
- ホンダ シャトル:使い勝手のいいコンパクトワゴンならコレ
- 国産ステーションワゴン おすすめトップ3【斎藤 聡氏 選定】
- スバル レヴォーグ(VM型):日本国内での使いやすさを目指した設計もイイね
- レガシイ ツーリングワゴン(BR型):フットワークのいい本格ワゴン
- マツダ MAZDA6(アテンザ):ディーゼル+MTでロングドライブも楽しい
国産ステーションワゴン おすすめトップ3【三好 秀昌氏 選定】
三好 秀昌|みよし ひであき
自動車評論家/ラリードライバー。
日本大学芸術学部写真学科卒業後、某出版社の契約カメラマンとして活躍するかたわら国内ラリーに参戦。1989年、イギリスに拠点を移し、1995年からはWRCドライバーとして活躍。1995-1996年サファリラリーグループNクラス優勝、2008年FIAアフリカ選手権チャンピオンなど、華々しい経歴を持つ自動車評論家。豊富な経験による的確なドライビングと分析で、数々の自動車媒体に寄稿するかたわら、雪上ドライビングのインストラクターなども務めている。
クルマ選びの基準は
まずは自分が乗って感動したり、驚いたクルマ、いまでもまだ乗りたいクルマを選びました。またすごく古くてもうヒストリックカーに近くても、エポックメイキングなクルマで皆さんに知ってほしいクルマも大切にしたい。そういったクルマは、市場での値段が高いけど、探そうと思えば見つけられる、というのも基準のひとつにしました。
日産 ステージア:いまでも捨てがたい直列6気筒の快適性
なぜこんな人気なのかと言えば、欲しいものすべて満載スペックだからでしょう。ワゴンとしての完成度、スポーツカー的なパワー、そして高性能な4WDとすべて盛り込まれていました。
というのは前振りで、今回私が選んだのは、レガシィのように機能満載ではないけど、ある部分が特出している個性派の国産ワゴンです。
まずは、日産 ステージア。2000年代に販売されていた2代目ステージアは、北米を意識して開発されたスカイラインと共通のプラットフォームを持つクルマで、ちまたでは‘スカイラインワゴン“と呼ばれていました。
しかしサイズ的にも値段的にも世のなかのニーズとはややずれていたようで、売れ行きは芳しくありませんでした。
とはいえ、ロングノーズのカリッとしたデザインは美しく、長いエンジンルームには、当然のように長いエンジンが搭載されていました。そうです、ステージアは直列6気筒エンジンのラインアップだったのです。
広くて豪華な室内と滑らかなエンジンの組み合わせは、高級ワゴンとしての資質を十分に備えており、高速道路を使っての長距離移動は、快適でとても気持ちのいいクルマでした。
スバル インプレッサ スポーツワゴン:WRCでも活躍したワゴンモデル
エンジンは1台1台丁寧に手組みされ、ECUもスポーツスペック、マフラーも排気効率の良い太いもので、エンジンパワーは、セダンの水平対向4気筒ターボが240psだったのに対して10psアップの250ps。
わずかなパワー差と感じられるかもしれませんが、チューンバージョンのパワー感や加速の迫力は強烈でした。
5MTを駆使してのフル加速後のアクセルオフでは、マフラーからバックファイヤーの火柱が立つこともしばしば。どれほど濃い燃調だったのでしょう。当然、燃費は極悪でした。
このインプレッサ スポーツワゴンSTiはいわゆるカタログモデルではなかったため、1台1台陸運事務所へ運んで持ち込み車検というカタチでナンバーを付けるという手間が掛かっていたこともあって、販売台数も少なくとてもレアなクルマとなっています。
いっぽうSTiではないインプレッサ スポーツワゴンはセダンとほぼ共通の性能を持ち、WRCに出場できるFIAホモロゲーションを取得。
私はこのクルマで、1996年のWRCサファリラリーでグループNクラス優勝を獲得しました。
ワゴン車がWRCでグループ優勝を遂げたのは、後にも先にもこのときだけ。それほどスポーツ性の高いクルマだったのです。
三菱 ランサーエボリューションワゴン:最強のパワートレインを搭載した快速ワゴン
こちらは2005年、発売当初からカタログモデルでランサーエボリューションIXのATモデルであるGT-Aがリリースされたタイミングでラインアップに加わりました。
この通称エボワゴンには、6MTと5ATの2つのミッションを用意。ボディ形状こそ違えど、エンジンパワーも駆動系もランエボと同じで、真に速いステーションワゴンでした。
残念だったのは、それだけの性能がありながら販売台数を絞ったためにFIAのホモロゲーションを取得できず、国際的なモータースポーツイベントに出場しなかったことです。
しかしセダンより空力特性が良いと言われたボディのおかげで、国内のスーパー耐久レースでは一定の成績を収めました。
その翌年には、ロングライフだった名器4G-63ターボエンジン搭載のラストモデルとなるランサーエボリューションIXがMRに進化。同時にランサーエボリューションワゴもMRとして登場しました。
集大成ともいえる可変バルブタイミング機構が組み込まれた4G63ターボエンジンが搭載された完成形のエボワゴンは、パワーやハンドリング、チューニングベース素材と、どれをとっても最高の出来栄えでした。
その後、ランエボはフルモデルチェンジでXにアップデートされましたが、現在はすでに生産中止。その派生形としてのエボワゴンも用意されることなく、速いワゴンの系譜が1代で途切れてしまったことは大変残念でした。
国産ステーションワゴン おすすめトップ3【松田 秀士氏 選定】
松田 秀士|まつだ ひでし
日本カー・オブ・ザ・イヤー/ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
INDY500やル・マン24時間など豊富な海外レース経験と、スーパーGT選手権では100戦以上出場経験者に与えられるグレーデッドドライバーとしても表彰されている。自身が提唱する「スローエイジング」により、66歳のいまも現役のプロレーサーとして活躍中。。昨年、中高齢者のための安全運転指南書「安全運転寿命を延ばすレッスン」(小学館)を刊行。浄土真宗本願寺派 僧侶、BOSCH認定 CDRアナリスト。
クルマ選びの基準は
試乗会とは別に、日々個人的に新型車の広報車両をお借りして数日間試乗するようにしています。短時間の試乗会だけでは得られる知見やフィーリングは不十分と考えているからです。今回は、できるだけ新型車でこのような試乗体験から印象に残ったクルマを基準に選んでみました。
新型スバル レヴォーグ(VN5型):見た目以上の進化
まず新開発の1.8Lターボは、全長を40mm短く設計。スバルは縦置エンジンの4WDゆえに、フロントドライブシャフトより前方にエンジンがマウントされます。
全長が40mm短くなったことで、車両の重心が後方に下がり、前後荷重配分も進化しました。
さらに新開発エンジンは、2,400rpm以下でスバル初のリーン燃焼を行います。筆者は、低負荷な平たん路で、だいたい80km/hレベルの走行で18km/Lの燃費を記録しました。
さらにエンジンのトルクは低中速重視なので、市街地でも発進加速を含めて非常に力があるのです。ガソリンはリーン燃焼ゆえに、着火性の高いレギュラーガソリンが義務付けられます。じつはハイオクガソリンは燃えにくいのです。
また1.8万kmごとに、70km/h以上での5分間の連続走行が必要になります。リーン燃焼で問題となる、煤を飛ばすためです。スバル乗りならこれは普段的に行うことでしょうから、それほど心配ありませんね。
インプレッサと同じSGPプラットフォームを採用しますが、その造りはインナーフレーム構造という手法によりボディ剛性を向上。
STIスポーツには、スバル初のザックス製の減衰力可変ダンパーが採用され、乗り心地も大幅にアップしています。
マツダ MAZDA6:新車で買える数少ない国産ミドルクラスワゴン
2018年の大幅マイチェンでは、まずフロア剛性を大幅にアップ。制振材やサスペンションへの変更により、乗り心地と室内静粛性が大きく進化しています。
インテリアは、当時の東レによるアルカンターラのような新素地をドアまわりなどふんだんに配し、高級感を演出。フロントガラス投影タイプのヘッドアップディスプレイも採用しています。
ハンドリングは安全性の礎となる正確さを向上させるとともに、エンジンのトルク制御とブレーキを自動で行うGVC Plus(G-ベクタリングコントロール プラス)を採用。スムーズな走りで、同乗者の揺り戻しも少なく快適な移動が楽しめます。
ADAS(運転支援機能)もしっかりしていて、ACC+LKAによる車線内の中央を維持して前走車に追従。LKAを単独で作動させ、アクセルブレーキはドライバーがコントロールすることも可能です。
エンジンは、ガソリンの2.0L、2.5L、2.5Lターボと、ディーゼル2.2Lターボを用意し、駆動方式はFFと4WDがチョイス可能。ディーゼルにはAT以外に6MTも用意されています
トヨタ カローラツーリング:基本骨格の変更で大きく進化
近年、国産のコンパクトワゴンは減少傾向にあり、新型ではこのカローラツーリングとレヴォーグぐらいです。
プラットフォームは、プリウスなどと共通のTNGAのGA-Cです。プラットフォームが新しくなったことで走りが大きく進化。ワゴンでありながらドライブする楽しさがあります。
車種構成は、1.8Lハイブリッドに、ガソリンエンジンが1.8L+CVTと1.2Lターボ+6MTで、ハイブリッドにはリヤをモーター駆動するE-Fourの4WDモデルも用意されるなど、バラエティに富んだラインアップとなっています。
ボディが拡幅され3ナンバーになったことで、法人の5ナンバー社内規則などへの対応するため、前カローラフィールダーも一部のグレードが継続販売されています。
フィールダーには、1.5Lハイブリッドと1.5Lガソリンがあり、ガソリンのみ4WDモデルを選ぶことができます。じつはこのフィールダー、後席や荷室の奥行きがカローラツーリングより広くなっています。
とはいえ、フィールダーが販売を商用ユースに的を絞ったこともあり、プレミアム感というポイントでは比べるべくもありません。
センターコンソールには、カローラスポーツと同じディスプレーオーディオが配置されていて、スマホ連携など多彩なコネクテッド機能も活用できますし、車両には最新のADAS機能が装備され、ACC+LTAが高速走行の疲労を軽減するなど、パーソナルドライブカーとしての資質はカローラツーリングのほうが圧倒的に勝っているのです。
国産ステーションワゴン おすすめトップ3【小鮒 康一氏 選定】
小鮒 康一|こぶな こういち
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。
国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とするが、実は現行車へのチェックも欠かさない。また、中古車販売店に勤務していた経験も活かし、中古車系の媒体でも活動中。現行車を所持しながらも、NAロードスターも手放さないオールマイティな車愛が持ち味。
クルマ選びの基準は
現行国産車のなかでは絶滅危惧種となりつつあるステーションワゴンですが、セダン的な動力性能と高い積載能力を持ち合わせる車型として代えがたい魅力があるのもまた事実。今回は走りの良さに重きを置いて、3台をピックアップしてみました。
スバル レガシィアウトバック:いまが狙い目!水平対向6気筒を積んだ万能ワゴン
日本で乗るのであれば大きすぎないレヴォーグも非常に魅力的なモデルではありますが、個人的には今だからこそ乗っておきたいモデルとして5代目レガシィ(BR系)のアウトバックに設定されていた3.6リッターエンジンを搭載したモデルをピックアップします。
このモデルは、水平対向6気筒のEZ36型を搭載したもので、現段階では水平対向6気筒エンジンを搭載して日本で販売された最後のモデル。
また3.6リッターの水平対向6気筒エンジンは、あのポルシェ911と同じ。ですが、このアウトバックであれば、ポルシェの1/10ほどの価格で狙うことができてしまいます。
もちろんポルシェのような切れ味鋭いスポーツカーではありませんが、余裕の排気量とスバルが誇るシンメトリカルAWDによってロングツーリングはお手の物。アイサイトが付いたグレードであれば、アダプティブクルーズコントロールを活用してどこまでも走って行けるような安心感を味わうことができるのです。
タマ数が少ないことが唯一の難点ですが、一世代前の3.0リッターモデルのようなプレミア価格となっているわけでもないので、いまが狙い目ではないでしょうか。
マツダ アテンザ ワゴン(最終型):MTも選べるフラッグシップモデル
そんななか、フラッグシップモデルにセダンとワゴンをラインナップしているのがマツダです。
現在ではアテンザからMAZDA6と名前を変えたモデルですが、マツダのフラッグシップセダン&ワゴンとしてその座を守り続けています。
かつてのミドルクラスのカペラの血統を受け継ぐモデルということになりますが、ボディサイズはトヨタ クラウンに匹敵する堂々としたものですし、本革シートが設定されるなど、内外装もフラッグシップモデルにふさわしいものとなっており、もはやカペラの面影はゼロと言えるでしょう。
そんなアテンザワゴンの特徴のひとつとして、トルクフルな2.2リッターディーゼルターボエンジンが選べること、そしてそこに組み合わされるミッションに6速MTが用意されているという点です。
走る楽しさを体感したい人は3ペダルMTに拘る人も少なくないと思いますが、なかなかフラッグシップモデルともなるとMTの設定がないのが一般的。しかしアテンザでは自らが変速する喜びが残されているという点が他車と異なる点と言えるでしょう。
トヨタ アベンシスワゴン(最終型):欧州テイストの色濃いステーションワゴン
さらに高いアベレージスピードを誇る高速道路から石畳のような荒れた路面まで、さまざまな路面状況にも対応できるクルマづくりが求められることから、現在にいたるまで欧州車はクルマづくりのひとつの指標となっているというワケなのです。
そんな欧州市場をターゲットに生まれたのが、トヨタ アベンシスでした。
日本のコロナの流れを組む車種ではありましたが、初代モデルは欧州専売モデルということもあり、シャシー性能から足回りまで欧州市場で戦えるように作られており、現地では多くのライバル車と対等に渡り合う実力を持ち合わせていました。
2代目モデルからは日本でも販売が開始されますが、英国で生産されたモデルを輸入するという方法が取られており、法規対応を中心とした改良がなされた以外はほとんど欧州仕様のままの味付けで、地味ながら通好みのモデルとなっていたのです。
2代目の販売終了後、しばらくアベンシスの販売は途切れていましたが、2011年に3代目モデルの輸入が再開。このときはセダンは導入されず、ステーションワゴンのみのラインナップとなりました。
当時すでにステーションワゴン人気が下火になっていたこともあり、街中で見かけることも少ない3代目アベンシスワゴンではありますが、初代から続く欧州テイストのモデルとして他のトヨタ車とは一線を画す乗り味が魅力の1台となっています。
国産ステーションワゴン おすすめトップ3【まるも 亜希子さん 選定】
まるも 亜希子|まるも あきこ
映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。
女性パワーでクルマ社会を元気にする「ピンク・ホイール・プロジェクト」、ジャーナリストによるレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表。近年はYouTubeチャンネル等で、ゆるく楽しいカーライフ情報を発信中。
クルマ選びの基準は
人それぞれ、かならず運命のクルマがあるはず。そんな運命の出会いを導くカウンセラーのような視点で、そのクルマがどんな人・どんな生活に合うのかをメインに情報をお伝えするのが私の使命だと考えています。ひとつでも多くの熱愛カップルが誕生しますように!
スバル レヴォーグ(2代目):スタイルはもちろん安全性重視のオーナーにも
初代から日本の道を考えて開発されていることが強みのレヴォーグは、全幅を1,795mmに抑えて取り回しをよくしているのも嬉しいところ。1.8Lターボ+8速マニュアルモード付きCVTの走りは、十分に力強くなめらかでカーブでのしなやかな足さばきも磨かれています。
とくにおすすめはトップグレードのSTI sportで、電子制御ダンパーによる乗り心地の良さに、ドライブモードセレクトで違った走りのキャラクターを楽しめるのがポイント。女性にはありがたい湿度を下げずに快適な温度を保つ「エアコンマイルドモード」は、コンフォートモードを選ぶと利用できます。
また、さらに進化した全車速追従機能付きのアイサイトに加えて、渋滞時(50km/h程度まで)のハンズオフアシスト機能や、ドライバー異常時対応システムなど、一歩先の運転支援技術が満載。安全、快適、使いやすいと三拍子揃ったスポーツワゴンです。
トヨタ カローラツーリング:同クラスでは数少ないコネクティッド機能も魅力
全幅が1,745mmとなったことで、従来のカローラフィールダーのように5ナンバーサイズではなく、3ナンバーサイズになってしまいましたが、最小回転半径5.3mという小ささで、街中での取り回しの良さは健在。荷物がたくさん積みたいけど、大きなクルマはちょっと苦手、という女性にも使いやすいステーションワゴンです。
1.2Lターボ+6速MT、1.8Lガソリン+CVT、ハイブリッドと、グレードも豊富。スポーティな走りや乗り心地の良さもお見事です。
そしてなんと言っても、先代から定評のあるラゲッジの使いやすさ。開口部のフロアが低めで、5人乗車時でも十分な広さがあり、後席を6:4分割で倒してデッキボードを下段にすると、最大802Lという容量が確保できます。
また荷物が積みやすいだけでなく、このクラスではまだ希少なコネクテッド機能があり、オペレーターとの会話で目的地を探せたり、万がいちの際の通報などもできて、安心と楽しさが広がります。
そしてハイブリッドモデルなら、オプションで給電機能もつけられるので、アウトドアや災害時などに家電がそのまま使えて便利。1台あると、かなり頼れる存在となることでしょう。
ホンダ シャトル:使い勝手のいいコンパクトワゴンならコレ
その悩みを解決してくれるのが、5ナンバーサイズのコンパクトクラスでは希少な存在となってしまったシャトルなのです。
ワゴンでありながら、最小回転半径4.9mの小回り性能や、全高1,545mmで機械式立体駐車場にも収まるサイズが強み。先代の3代目フィットがベースとなっているので、いま見るとちょっと古く感じるところもあるかもしれませんが、大きなフロントガラスや三角窓の広々とした視界の良さや、たくさんの収納スペースが揃った室内は、心地よくて使い勝手も抜群です。
ホンダ独自のセンタータンクレイアウトのおかげで、ラゲッジスペースは5人乗りでも570L、後席を倒してフラットにすると、最大1,141Lという驚異的な広さ。フロアの奥行きが184cmもあるので、大柄な男性でも車中泊が快適にできそうです。
1.5Lのガソリンとハイブリッドがあって、2WDと4WDの選択も可能。スキーなどで雪道をよく走るという人にもいいですね。
国産ステーションワゴン おすすめトップ3【斎藤 聡氏 選定】
斎藤 聡|さいとう さとし
モータージャーナリスト。車両のインプレッションはもちろん、タイヤやサスペンションについて造詣が深く、業界内でも頼りにされている存在。多数の自動車雑誌やWEBマガジンで活躍中。某メーカーのドライビングインストラクターを務めるなど、わかりやすい解説も人気のヒミツ。
日本自動車ジャーナリスト協会会員、日本カーオブザイヤー選考委員。
クルマ選びの基準は
クルマとの出会いはとても大切。できれば最初のクルマで、そうでなくてもなるべく早い時期に楽しいクルマ、ワクワクするクルマに出会えると、そのあとのクルマライフがぐっと広がると思っています。適合車がいいクルマじゃないし、売れているクルマだけがいいクルマじゃないという持論のもと、自分が実際に運転してみて、驚いたクルマ、楽しかったクルマ、ワクワクしたクルマを選んでいます。
スバル レヴォーグ(VM型):日本国内での使いやすさを目指した設計もイイね
ポストレガシィとして、そして日本にちょうどいいサイズのワゴンとして、2014年に登場したのがスバル レヴォーグでした。
プラットフォームは、おおきくなってしまったレガシィではなくインプレッサがベース。そこにレガシィで培ってきたステーションワゴンのノウハウをふんだんに盛り込んで、文字どおり日本で走るのにジャストサイズのワゴンに仕上がっていました。
エンジンは、2.0L水平対向4気筒ターボと、1.6L水平対向4気筒ターボの2種類。速さや刺激的な面白さを求めるなら2.0Lターボなんですが、便利なアシとして使うなら1.6L ターボでも十分です。
とくに17年7月のマイナーチェンジ以降は、ボディまわりのブラッシュアップに加え1.6Lエンジンの制御を見直し、パワーフィーリングがクリアで力強いものになっています。
運転支援機構のアイサイトも、この年にグレードアップ。ステアリング、アクセル、ブレーキ操作を全速度域でアシストできる機能を加えた“アイサイト・ツーリングアシスト”を搭載しました。
いっぽうの2.0Lターボは、最高出力221kW(300ps)の快速ワゴンです。速さや刺激も楽しみたいのであればこちらがいいと思います。年式はやはり17年以降がおすすめです。
レガシイ ツーリングワゴン(BR型):フットワークのいい本格ワゴン
BR型レガシィは、スバルが本格的に北米進出するにあたって、ボディサイズをひと回りおおきくしたモデルで、日本ではあまり人気が出ませんでした。けれども実際に走らせてみると大柄なボディを感じなせないフットワークの良さがあって、びっくりするくらい良く曲がります。
4WDを気持ちよく曲げるノウハウは、インプレッサWRXやBP型までのレガシィで培ってきたわけで、考えてみれば当たり前の話です。しかもエンジンは2.5Lの水平対向4気筒ターボですから(ちょっと)苦手だった低回転域のトルクが分厚くなっており、全体に骨太な速さを持っています。
足まわりの味付けも、引き締めたスパルタンなものではなく、そのパワーのわりにはしんなりした柔らかさがあって、乗り心地がいいんです。
当時大柄といわれたボディも最新のクルマと比べれば手に余るほどではなく、扱いにくくはないと思います。
もうひとつBR型をおすすめする理由は、6速MTと5速ATが選べるところです。CVTよりもギヤでつながったトランスミッションのほうが、BOXER(水平対向4気筒)エンジンの鼓動が感じられ、特別なクルマ感が高まると思います。
マツダ MAZDA6(アテンザ):ディーゼル+MTでロングドライブも楽しい
というわけで3台目のおすすめは、マツダ アテンザ(マツダ6) スカイアクティブ D 2.2のディーゼルモデルです。
搭載されている2.2Lディーゼルターボエンジンの、最高出力は140kW(190ps)と平凡な数値ですが、最大トルクが450Nmと4~5リッタークラスのエンジンと同等の極太のトルクを発揮します。しかも発生回転が2,000rpmと低いので、アクセルを深く踏み込まなくても十分に加速してくれます。
それから、高速道を100㎞/hで巡航しているときのエンジン回転は2,100rpm前後と、ちょうどトルクがたっぷりある回転域なので、力強く車速を維持してくれる感触も好印象です。
個人的におすすめは6速MTです。スカイアクティブ D 2.2のトルクバンドが広いので、あまりシフトをガチャガチャやらなくてもスイスイ走ることができます。
それでいてガソリンエンジン並みに軽快に吹き上がるほかにない感覚や、分厚いトルクがぐいぐいクルマを押し出すような力強い加速が楽しめます。まあ、ATでも十分に楽しいのですが…。
荷物をたくさん積んでちょっと長い旅行に。そんなシーンにぴったりのクルマです。