日産 GT-R NISMOの初代は2013年に登場。その歴史をプロが徹底解説!!

初代GT-R NISMOが登場したのは2013年。以来、6年以上の年月をかけて進化してきました。
GT-R NISMOは2020年モデルも発表されており、速さの探求はとどまるところを知りません。
今回は、これまでのGT-R NISMOの歴史を振り返ります。
文・写真/萩原 文博
日産 GT-R NISMOの初代は2013年に登場 車両本体価格は1,501万円
日産が誇るスーパースポーツであるGT-RにNISMOのノウハウを注入し、さらなるパフォーマンスアップを施したGT-R NISMOは、2013年11月に登場しました。
日産のモータースポーツを担っているNISMOの数十年にもおよぶレーシングテクノロジーをフィードバックしたモデルであり、レーシングカー譲りのファクトリーチューンが施されています。
GT-R NISMOのフロント及びリアサスペンションには特注のビルシュタインダンプトロニックダンパーが採用され、極限状態でも路面に吸い付くようなグリップや正確なステアリング応答性を実現。
また走行中に3パターンのサスペンションモードが選択可能でした。
このサスペンションを最大限に活かすため、ワイドリムフロントホイール(20×10.0J)とサイズアップした専用の高剛性ハブボルト、そしてフロント255/40ZRF20・リア285/35ZRF20という専用タイヤを採用しています。
NISMO専用チューニングの3.8L V6 ツインターボエンジンにはレーシングカーのGT-R NISMO GT3にも使われている高効率大容量の専用タービンを採用。
気筒毎に最適な点火時期と最適な燃料噴射量をコントロールするインジェクター駆動回路を採用し、最高出力600ps・最大トルク652Nmを発揮します。
エクステリアは、GT-R NISMOの空力性能を高める専用装備として、フロントにカーボン製バンパーとアンダーカバーのエアストレーキを、リアにはカーボン製のスポイラーを採用。
空力性能は、風洞での徹底的な実験や最新のシミュレーション技術を駆使して開発されました。
ダウンフォースは300km/hでプラス100kg。最適化された前後の空力特性は四輪の接地荷重変動を最小化し、車両の優れたバランスを確保。
インテリアは、人間工学的に基づいて造形されたRECARO製NISMO専用カーボンバックバケットシートが乗員をしっかりと支え、ドライビングをサポート。
そして、NISMO専用カーボン調コンビメーターも装備。
メーターリッドにもアルカンターラを採用することで、クルマ全体にレーシーな雰囲気が漂っています。
GT-R NISMOの17年モデルは2016年8月25日に発表 車両本体価格は1,870万円
2017年モデルで大きく変わったのは外観デザインで、新形状のフロントバンパーが特徴です。
NISMO専用のカーボンファイバー製のフロントバンパーはカーボンファイバーシートを幾層にも重ねて成功に造り上げることで、理想的な強度を実現。
カナード形状のデザインがもたらす空気の流れにより、ホイールハウス周辺の空気を吸引し、大きなダウンフォースを発生させています。
またインテリアでは、操作性にこだわったナビディスプレイは7インチから8インチへと拡大。
カーボン製のセンターコンソール上に配置したマルチファンクションスイッチにより、ナビを手元で操作することが可能となりました。
パドルシフトはステアリングホイール固定タイプに変更され、ドライバーが手を離すことなくシフトチェンジできるようになっています。
加えてNISMO専用装備として、新デザインのダッシュボード上層部・ステアリングホイール・センターアームレストには高品質のアルカンターラレザーを採用しています。