【プロ解説】ホンダシビックタイプRの安全装備を徹底解説!!

シビックタイプRは2020年10月のマイナーチェンジでホンダ独自の運転支援システムであるホンダセンシングを採用しました。このシステムはミリ波レーダーと単眼カメラで、クルマの前方の状況を認識。ブレーキやステアリングの制御技術と協調し、事故回避を支援するシステムです。一体どのような機能があるのか紹介します。

文・写真/萩原 文博

Chapter
衝突軽減ブレーキ(CMBS)
歩行者事故低減ステアリング
路外逸脱抑制機能
アダプティブクルーズコントロール(ACC)
車線維持支援システム(LKAS)
先行車発進お知らせ機能
オートハイビーム
標識認識機能

衝突軽減ブレーキ(CMBS)

先行車や歩行者との衝突を回避してくれるのが、衝突軽減ブレーキ(CMBS)です。システムが先行車や歩行者を検知し、衝突するおそれがある場合、音とディスプレー表示で警告し、注意を促します。さらに接近した場合は軽いブレーキングを行い、衝突のおそれが高まった場合は強いブレーキングを行い、衝突回避・被害軽減を支援します。この機能は、約5km/h以上で走行中に自車との速度差が約5km/h以上ある車両や歩行者に対して衝突するおそれがあるとシステムが判断したときに作動し、停止または減速することにより衝突回避や衝突被害の軽減を支援します。

歩行者事故低減ステアリング

歩行者事故低減ステアリングは路側帯を歩く歩行者との衝突回避のための支援を行う機能です。歩行者側の車線を逸脱し、歩行者と衝突のおそれがある場合、音とディスプレー表示で警告します。さらに車道方向へのステアリング操作を支援することでドライバーの回避操作を促します。また歩行者事故低減ステアリングは、約10km/h~約40km/hで走行中、システムが歩行者側への車線逸脱と歩行者との衝突を予測したときに、ステアリング操作による回避を支援します。ドライバーのステアリング操作に代わるものではありません。ドライバーが加速やブレーキ操作、急なステアリング操作を行っているとシステムが判断したとき、また、ウインカーを作動させている場合には作動しません。

路外逸脱抑制機能

クルマが車線をはみ出しそうになるのを防ぎ、車線内へ戻すように支援するのが、路外逸脱抑制機能です。システムが車線(実線、破線)を検知し、ディスプレー表示とステアリング振動の警告で注意を促すとともに、車線内へ戻るようにステアリング操作を支援します。

なおこの機能は、約60km/h以上で走行中、システムが路外への逸脱を予測したときに作動します。ドライバーのステアリング操作に代わるものではありません。ドライバーが加速やブレーキ操作、急なステアリング操作を行っているとシステムが判断したとき、また、ウインカーを作動させている場合には作動しません。

アダプティブクルーズコントロール(ACC)

アダプティブクルーズコントロールACC)は高速道路などで、予め設定した車速内でクルマが自動的に加減速を行い、先行車との適切な車間距離を維持しながら追従走行し、ドライバーの運転負荷を軽減する機能です。この機能は約30km/h以上で走行中に作動します。先行車に接近しすぎる場合には、ブレーキペダルを踏むなどして適切な車間距離を保ってください。高速道路や自動車専用道路を運転するときに使用してください。

車線維持支援システム(LKAS)

車線維持支援システム(LKAS)は走行中のふらつきを抑える機能です。高速道路を走行する際、システムが車線(実線、破線)を検知し、クルマが車線の中央付近を維持するようにステアリング操作を支援し、ドライバーの運転負荷を軽減します。車線維持支援システム(LKAS)は、約60km/h以上で走行中に作動します。運転者のステアリング操作に代わるものではありません。運転者がステアリングから手を放した状態や、運転者が意図的に車線を越えるようなステアリング操作をしているとき、また、ウインカーを作動させている場合には作動しません。高速道路や自動車専用道路を運転するときに使用してください。

先行車発進お知らせ機能

先行車の発進を教えてくれる機能が、先行車発進お知らせ機能です。赤信号などの停車時にシステムが先行車の発進を検知し、ドライバーがアクセルを踏まなかった場合、音とディスプレー表示で先行車の発進をお知らせします。この機能は、先行車との車間距離が約10m以内で、先行車の発進を検知しても自車が停止し続けたときに作動します。

オートハイビーム

ヘッドライトのハイビームとロービームを自動で切り替えるのがオートハイビームです。夜間など暗い道をロービームで走行中、システムが前方の状況を検知。街灯などがなくて暗い場合、見やすいように自動でハイビームに。先行車や対向車を検知すると、ロービームに切り替えます。

この機能は、約30km/h以上で走行中に作動します。ハイビームとロービームの自動切り替え制御には状況により限界があります。必要に応じて手動で切り替え操作を行ってください。

標識認識機能

システムが道路標識を認識し、適切なタイミングでディスプレー表示し、標識への注意を促すのが、標識認識機能です。この機能は、最高速度、はみ出し通行禁止、一時停止、車両進入禁止の道路標識を認識し、マルチインフォメーション・ディスプレーに表示します。一時停止、車両進入禁止は約60km/h以下で走行中に作動します。

シビックタイプRのような走行性能にこだわったスポーツモデルに運転支援システムなど必要ないと考える人もいるかもしれませんが、ポルシェやフェラーリといったスーパースポーツカーでも運転支援システムが搭載されています。したがってシビックタイプRのような走りに特化したモデルであっても、全ての人がサーキットを走行するわけではないので、運転支援システムの標準装備化は歓迎したいです。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ