【プロ解説】BMW X5を徹底評価…良い点や欠点などを試乗レビュー!

BMW X5 M50i

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輸入車のSUVブームのパイオニアであるBMW X5。4代目となる現行モデルは2019年2月に日本市場に導入されました。初代モデルのコンセプトを継承し、SUVらしい塊感のあるスタイルと高い実用性と走行性能を兼ね備えたモデルです。ここでは現行型X5に試乗し、良い点や欠点などを探っていきます。

文/写真・萩原文博

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博
Chapter
今回の試乗グレードはM50i
X5 M50iは圧倒的なパワーからなる走行性能が魅力
X5 M50iに求められる改善点とは?

今回の試乗グレードはM50i

現行型X5の新車価格はX5 xDrive35dスタンダードの938万円〜X5Mコンペティションの1899万円となっています。今回試乗したのは、新車価格1361万円のM50iです。このM50iは最高出力530ps、最大トルク750Nmを発生する4.4L V型8気筒ガソリンツインターボエンジンを搭載し、0-100km/h加速4.3秒というハイパフォーマンスを発揮するモデルです。
外観はMパフォーマンスモデル専用色となるセリウム・グレーをBMWのアイコンであるキドニー・グリルをはじめ、エアインテーク、エア・ブリーザー、ミラー・キャップに採用することで、ハイパフォーマンスモデルとしての存在感と個性を演出しています。インテリアでは、シート表皮にヴァーネスカ・レザーを使用したホールド性抜群のスポーツシートを採用。フロントシートだけでなく、リアシートにもヒーター機能が装着され、快適に移動できます。さらに、試乗車にはオプション装備のコンフォートパッケージ(43万7000円)が装着されており、フロントシートにはベンチレーション機能やマッサージ機能も装備されています。さらに、68万6000円のBowers&Wilkinsダイヤモンド・サラウンド・サウンドシステムが装着されており、室内はコンサートホールのような優れた音響を誇ります。
装着されているアルミホイールも28万8000円の22インチ Mライト・アロイホイール。ダブルスポーク。スタイリング699が装備されるなどオプション装備だけで356万5000円という合計金額となり、車両本体価格を加えると1710万5000円となります。

X5 M50iは圧倒的なパワーからなる走行性能が魅力

試乗したX5 M50iの良い点は、何と言っても圧倒的なパワーをベースとした走行性能です。大排気量エンジンによるビッグパワーは環境面からすると、この先何年乗れるかわかりません。したがってピュア内燃機関による最高出力530psというビッグパワーを味わえる最後のチャンスということになるかもしれません。使用する素材を変更することで、軽量化そして高剛性化したボディはこのビッグパワーのエンジンをしっかりと受け止めてくれます。様々な電子デバイスによってドライバーの意のままに操ることができ、まさに「駆け抜ける歓び」を味わうことができるのが魅力です。
背の高いSUVにありがちなコーナリング時のボディの揺れの大きさなどは微塵もなく、ドライバーが思ったとおりのラインをトレースすることができますし、クルマの傾きは最小限に抑えてくれるので、乗員も不安に感じるシーンはほとんどありません。最高出力530psをというと「どれだけ凄いんだ!?」と思うかもしれませんが、車両重量が2トンを超えるX5 M50iをスムーズにそしてジェントルに加速させるためには必要なパワーといえます。4.4L V8エンジンによる走りは非常にスムーズで高い静粛性が特徴。まるで、スポーティなSUVと高級セダンという異なるキャラクターを併せ持っているクルマに仕立てられています。

ディーゼルエンジンによる粘り強い加速力も魅力ですが、V8エンジンによるエンジン数の回転とともにクルマが加速していくフィーリングはやはり気持ち良いモノです。このフィーリングを味わうためには、このM50iを手に入れる必要があるのです。

X5 M50iに求められる改善点とは?

改善というものではありませんが、全長4935mm、全幅2005mmというボディサイズは、やはり日本の道路事情では持て余すシーンがあります。最小回転半径は5.9mとがんばっていますが、駐車場に入れるシーンやガソリンスタンドで給油する時などは切り替える必要があります。広くラグジュアリーな空間を手に入れるためには仕方ないことですが、このX5のボディサイズには馴れが必要です。そして、胸の空くような圧倒的な加速力を味わってしまうと、残念ながらガソリン代が高額になります。ガソリン代を気にして走るというのであれば、このM50iを選ぶ意味がないということになりますが、気持ち良さと出費が高額になることは比例すると考えておきたいです。
試乗したX5 M50iはオプション価格をプラスすると約1710万円。ハイパフォーマンスモデルであるX5Mと約100万円差にまで接近していまいます。そうなるとX5Mを選んだほうが、リセールバリューを考えるとお得かもと考えてしまいそうです。
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