トヨタに迫る勢い?韓国メーカーって世界でどんな評判?!現代(ヒョンデ)、起亜(キア)を徹底解説!

日本において、韓国の自動車メーカー聞いてピンと来る人は少ないでしょう。韓国には「現代自動車(ヒョンデモーター)」「起亜自動車(キアモータース)」「韓国GM」「ルノーサムスン」そして「双竜自動車(サンヨンモーター)」と5つの乗用車メーカーが存在します。
その全メーカーあわせた国内生産台数(商用車や大型車も含む)は、2019年の1年間において395万台。さらに、現代と起亜の2大メーカーだけで388万台の海外生産をおこなったときけば、実は韓国車が世界で多く売られていることが理解できるでしょう。
文:工藤 貴宏/写真:萩原 文博
現代起亜グループ、2019年度の世界総生産台数は719万台とトヨタに迫る企業へ
韓国では現代と起亜の規模が他のメーカーを大きく引き離していますが、両者は同じグループとなっていて、「現代起亜グループ」としてカウントすれば世界総生産台数は719万台(2019年)とかなりの規模。
参考までに自動車販売で世界トップを競う「フォルクスワーゲン」や「トヨタ」の年間生産台数はそれぞれ1000万台を超えますが、「SUBARU」は100万台ほど。現代起亜グループの生産規模は、その7倍にもなるのです。
現代 (ヒョンデ) NEXO (ネッソ)
2019年の世界ランキングでは、フォルクスワーゲン、トヨタ、ルノー・日産・三菱グループ、そしてGMについで5位となっています。
韓国メーカーである現代や起亜のクルマは、いまや世界中でごく当たり前の存在。その存在にピンとこないのは日本人だけというのも、大げさではないのです。
世界市場において韓国メーカーは、日本メーカーに割って入る勢いを見せる!
現代(ヒョンデ)の中で人気車種のSonata(ソナタ)
それでは地域別の状況をチェックしてみましょう。
世界で2番目に大きな自動車マーケットになっているアメリカ合衆国には、現代と起亜が進出しています。2019年には現代が44万台、起亜が43万台を販売。規模感としては44万台を販売したSUBARUに近いところ。
ただし、現代と起亜は同じグループなので両社を合計すると88万台となり、97万台を販売したホンダの下で、75万台を販売した日産よりは上のポジション。127万台を売ったトヨタとの差は大きいとはいえ、規模としては充分に堅実に稼げる市場になっているのです。
2020年のWCOTY(ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー)を獲得した、起亜(KIA)テルライド(Telluride)
北米におけるラインナップ数は、現代が12モデル、起亜は14モデル(1つのボディを1車種としてカウント)。SUVを中心にセダンやコンパクトカー、そしてミニバンもそろえています。
2020年第3四半期(7月~9月)の北米販売台数ランキングをみると、韓国ブランドでもっとも売れた車はコンパクトクロスオーバーSUVの「ヒュンダイ・ツーソン」でランキング27位。3カ月で3万3198台を販売しました。以下41位のミドルクラスSUV「ヒュンダイ・サンタフェ」(2万6991台)、42位のコンパクトセダン「ヒュンダイ・エラントラ」(2万6653台)と続きます。
キア・フォーテ (Kia Forte)
起亜は52位のコンパクトセダン「キア・フォーテ」(2万3467台)がトップと少し控えめですが、とはいえ3ヵ月間で2万台(月平均7000台強)を販売した車種が5モデルもあるので地道に売れているといっていいでしょう。