ダイハツ タフトの収納スペース(荷室)は荷物を置きたい位置にレイアウト!【新型車インプレッション3/4】

ダイハツ タフト

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2020年6月10日に発売開始した、新型の軽クロスオーバーSUV「ダイハツ タフト」が、大人気となっています。月販目標4000台に対し、発売1か月後の受注台数は4.5倍となる、約1万8000台に達したそう。すでに納期は3か月待ちとなっており、この新型タフトの勢いは、しばらく続くとみられます。
今回はこの新型タフトの収納スペースや荷室の使い勝手に関して紹介していきます。

文:自動車ジャーナリスト吉川賢一/写真:エムスリープロダクション鈴木祐子

吉川 賢一|よしかわ けんいち

モーターエンジニア兼YouTubeクリエイター。11年間、日産自動車にて操縦安定性-乗心地の性能技術開発を担当。次世代車の先行開発を経て、スカイラインやフーガ等のFR高級車開発に従事。その後、クルマの持つ「本音と建前」を情報発信していきたいと考え、2016年10月に日産自動車を退職。ライター兼YouTube動画作成をしながら、モータージャーナリストへのキャリア形成を目指している。

吉川 賢一
Chapter
タフトの前席は必要にして十分な収納スペースが適所にレイアウトされている
タフトの荷室は寸法検討を重ね、収納スペースが広げられている
タフトのラゲッジスペースの寸法はライバルのハスラーとほぼ同じ
タントとタフトの荷室エリア寸法比較(実測値)

タフトの前席は必要にして十分な収納スペースが適所にレイアウトされている

武骨なエクステリアデザインやスカイフィールルーフだけが、タフトの魅力ではありません。先(別記事)でも触れましたが、新型タフトは、「バックアップスタイル」というインテリアのコンセプトによって、前席は気分が上がる仕掛けをおり込んだ「クルースペース」として、後席は遊びをたっぷりと収納できる「フレキシブルスペース」として、アクティブに活動できる軽快さと、荷物をたくさん積める機能をうまく両立させています。特に、荷物の収納力の高さや、使い勝手の良さは新型タフトの大きな魅力です。

新型タフトの運転席周りの収納は、実はそれほど多くはありません。しかしながら、ステアリングホイール横のドリンクホルダーや、助手席側の前に設置された水平で滑り止めが施された大型インパネトレイ、また、センターコンソールにあるUSB充電口のすぐ下にある、スマホを置くのにぴったりな滑り止め付きのフラットなトレイなど、必要にして十分な収納が確保されています。
また助手席側に目を向けると、シート下にアンダートレイ、インパネ内側にはゴミ袋をかけるためのフックも備えられています。そしてGターボ、Gに標準装備となるフロントのセンターアームレストの収納ボックスも、容量が大きく使い勝手もいいです(Xには適用なし)。

どの収納も、日常に感じる「ここにあって欲しい」と思う位置に最適にレイアウトされていますが、他の新型車も同レベルであり、新型タフトが特別優れている、というわけではありません。新型タフトの収納は必要にして十分な数で、適所にレイアウトされているといえます。

タフトの荷室は寸法検討を重ね、収納スペースが広げられている

後席のシートバックは、シートバック上部にあるスイッチを押すことで倒れます。「フレキシブルスペース」がコンセプトの後席ですが、5:5分割の後席シートバックを両方とも倒せばフルフラットとなり、広大なスペースが出現します。

アンダーデッキボードを外せば、床下にもかなりのスペースが。濡れた靴や汚れものを入れるのに便利なスペースとなりそうです。
シートバックを倒した際、後席ドアと後席シートバックの間に隙間ができてものが落ちないよう、シートバックの端の形状が、ドア内側をなぞるような形状となっているなど、実際に使うシーンを想定した丁寧な設計がなされていると感じました。

後輪タイヤの車室内側には、隙間の空間を有効活用するように削り込みがなされており、極限まで荷室を広げようとした、ダイハツの努力が伺えます。
床面とシートバックボードがカーペットではなく樹脂製のため、汚れの拭き取りがしやすく、後席を起こした場合でも、たたんだ場合でも濡れたものなどをそのまま放り込めるのは、雪山や海などへ行くアウトドアが好きな方にとっては、うれしいポイントでしょう。

後席は固定式のため前方へスライドすることはできません。しかし後席シートバックを倒した際、後席足元がかなり広く高い収納スペースとなるため、観葉植物のような高さのある荷物も載せることができます。

後席スライドがない、というとネガティブポイントとして受け取りがちですが、後席をたたんで使うことが多いと想定したタフトにとっては、「後席スライド必要か?」とすら思えてきました。

タフトのラゲッジスペースの寸法はライバルのハスラーとほぼ同じ

荷室寸法は、おおむねスズキ・ハスラーと同程度の広さです。新型タフトのベースである「タント」ほどはありませんが、荷室の最大奥行は新型タフトも長く確保されており、荷室容量は十分にあるといえます。

タントとタフトの荷室エリア寸法比較(実測値)

  タント タフト
荷室開口部幅(mm) 1000 710
荷室開口部高さ(mm) 1050 710
荷室奥行き(mm) 250 360
後席最前スライド時荷室奥行き(mm) 500 後席非スライド
後席格納時(mm) 1300 1260 
強いて課題をあげるならば、シートバックを倒すためのフックが固く、特に荷室側からは力をかけにくいという点。ハスラーのような中央肩付近にノブを付けた方が、利き手で力をかけやすく感じます。とはいえ、頻繁にパタパタとシートバックを倒す方でもない限り、不便で嫌になる、ということはないでしょう。
次回はいよいよ、一般道や高速道路を走行して感じた、ロードインプレッションをレポートしていきます。ダイハツの新世代プラットホームDNGAを導入した最新車「タフト」の走行性能は、いかに!?

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