【プロ徹底解説】新型Aクラスからは想像つかない?メルセデス・ベンツのエントリーモデルは挑戦の連続だった

2018年に登場した、メルセデス・ベンツ Aクラス。メルセデス・ベンツのエントリーモデルとしてラインナップされているAクラスですが、「ハイ、メルセデス」と呼べばクルマ側が反応してくれる最新のインフォテイメントシステム「MBUX」を搭載するなど、従来のエントリーモデルとは比べられないほど先進的なモデルに仕上がっています。今回は、外装、内装、安全装備、グレード別の違い、人気カラー、座席や荷室(ラゲージスペース)、オプション装備にライバルまで。などあらゆる視点からAクラスをひも解いていきます。

文・鈴木ケンイチ/写真・萩原文博

Chapter
メルセデス・ベンツの敷居を大きく下げた初代Aクラス
「これが初めてのメルセデス・ベンツ」は2代目の登場により、更に世界へ
若年層を狙ってスポーティになった3代目Aクラス
エントリーモデルに先進のインフォテイメントシステム「MBUX」を搭載した4代目Aクラス

メルセデス・ベンツの敷居を大きく下げた初代Aクラス

Aクラス 初代

今も昔もメルセデス・ベンツといえば、世界が認める高級車です。しかも、かつてのメルセデス・ベンツには、コンパクトなクルマというものは存在せず、今よりももっともっと敷居の高いブランドでした。その敷居を大きく下げてくれたモデルが、1997年に誕生した初代Aクラスでした。

Aクラス 初代

小さくて、安いというだけでなく、初代Aクラスはメルセデス・ベンツにとって、非常に挑戦的な1台でもありました。なんと、初代Aクラスは、同ブランド初のFF(前輪駆動)モデルとなったのです。しかも、フロアを二重にして、その中に二次電池や燃料電池を積む電動車としても使うという斬新なコンセプトが採用されていました。フロアが二重で厚みがありますから、当然、車高は高くなります。そのため発売直後の北欧で行われたテストで横転。対策のための改良が施されるほどの騒ぎとなりました。

「これが初めてのメルセデス・ベンツ」は2代目の登場により、更に世界へ

Aクラス 2代目

しかし、販売自体は順調に伸び、世界中に「これが初めてのメルセデス・ベンツ」というオーナーを数多く生み出すことに成功します。2004年にはコンセプトを踏襲した2代目モデルも登場。さらに翌2005年には、プラットフォームを同じにする兄弟モデルとなるBクラスも誕生。AクラスとBクラスという2モデルで、メルセデス・ベンツといブランドのハードルを下げることに大きく貢献していったのです。

若年層を狙ってスポーティになった3代目Aクラス

Aクラス

ところが2012年の第三世代でAクラスは路線を大きく変更します。メルセデス・ベンツのエントリーという立ち位置はそのままに、より若年層を狙うためスタイルを一新します。背の高さを下げて一般的なハッチバックスタイルとし、ワイド&ローを謳うスポーティなデザインを導入します。また、室内のデザインもぐっと若々しいものとなりました。

エントリーモデルに先進のインフォテイメントシステム「MBUX」を搭載した4代目Aクラス

メルセデス・ベンツ Aクラス A200d

そして2018年に登場したのが現行モデルとなる第4世代の新型Aクラスです。若々しくスポーティなイメージは先代コンセプトのまま。さらにMBUXという、とびきり新しいアイテムも装備し、先進感を大きくアップ。スポーティで生き生きとしたスポーツコンパクトモデルとなります。また、2019年3月にはクリーン・ディーゼル・エンジンを搭載する「A200d」を発売。さらにAMG A35 4MATICやAMG A45 S 4MATIC+という高性能モデルも追加し、ブランドのスポーティ色を強めています。

ちなみに、現在のメルセデス・ベンツには、コンパクトクラスとして、Aクラスを筆頭に、Aクラス・セダンやBクラス、CLA、CLAシューティングブレーク、GLAという多数なモデルを揃えます。こうしたクルマたちのルーツとなり、そして今もメルセデス・ベンツのエントリーとして新たなユーザーを獲得するのに大きく貢献するのが新型Aクラスです。

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ