【CarMe × 土屋圭市】ドリキンに聞く!レースってどう楽しめばいいんですか?土屋流"レース論"も披露

土屋圭市 萩原文博

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ドリキンのニックネームで幅広い年齢層のクルマ好きに支持されている土屋圭市氏。今回カーミー編集部は知りたいけれどもなかなか聞けないあんなことからこんなことまで直撃インタビューを敢行。今回はレースの楽しみ方について聞いてみました。

聞き手・CarMe編集部/まとめ&写真・萩原文博
Chapter
レースでのペナルティは仕方がない。だけど、観客がつまらなく思うペナルティはダメ
レースを楽しみたいならDTM?レースクイーンを応援しろ?
スーパーGTで見せる”打ち合わせ無し”のトークショーの裏側とは?
カーミー編集部(以下C):土屋さんにお聞きしますが、最近のレースは面白いと思いますか、それともつまらないと感じますか? 土屋圭市さん(以下DK):仕事だから全力でやっているけれど、本音を言えばツマラナイ。くだらないよね。

C:くだらないと感じるようになったのはいつ頃ですか。それは現役でなくなったからですか?

DK:現役だから、監督だからではないよ。まだ俺が現役のレーシングドライバーだったことはクルマ同士がぶつかってもペナルティにならなかった。たとえ、ぶつかっても相手をスピンさせたり、クラッシュさせて再起不能にさせるという行為以外はペナルティにならなかった。
グループAレース時代に戦う、土屋圭市氏

レースでのペナルティは仕方がない。だけど、観客がつまらなく思うペナルティはダメ

だけど現在はちょっと当たっただけでもピットスルーペナルティ。それではもうバトルしていたレーシングドライバーのレースが終わってしまう。その日のレースが。それではドライバーだけでなく観客だってツマラナイよね。ギリギリのバトルをしていて、ちょっと当たってしまう。そんなレーシングアクシデントなんて当たり前じゃない。勝負しているわけだし、何より勝つためにバトルしているのだから。それが、ちょっと当たるとペナルティになってしまうなんて、しらけてしまうじゃない。そうなるとくだらないなと思えてくるよ。
C:故意のブロックなのかそれともファイトなのかそういうところの判断は線引きが難しいですよね。F-1でもスチュアートが2019年シーズンは注目されましたけれど、それもフェルスタッペンとルクレールという血気盛んで有能なドライバーがレベルの高いバトルを繰り広げるからです。しかし何でもかんでもペナルティになるとそれを恐れてバトルしなくなってしまうとも考えられますね。 
DK:そう。それが今のスーパーGTが置かれている状況だよ。ペナルティを恐れて勝負にいけないから、ただ回っているだけ。勝負にいったら当たるリスクは高くなるけれども、当たりながらもいいバトルをするのか、もう一か八かのミサイルのようなバトルをするのか。そこは大きな差なのだよ。
C:スーパーGTでは、元レーシングドライバーの方が監視役をやっていますよね。変わりはないですか?
DK:残念ながらあまり変わっていないよね。そこでペナルティを取られるの?という判定が多いかな。しかしDTMの場合、悪質なヒットだと判定してもピットスルーペナルティは与えない。加害車に、今の接触は悪質だったから、順位を2つ下げなさい。しかし、2〜3周後に再びはバトルが繰り広げられる。そんなチャンスを与えてくれるのだ。これは同じペナルティだけどレース自体に与える影響は大きく異なるよね。

C:ペナルティが出る率は年々高くなっていますか?
DK:高くなっていると思う。だから、2019年に富士スピードウェイで開催されたDTMとスーパーGTの交流戦を見た人は新鮮だったと思うな。日本のペナルティまみれのスーパーGTより、こんな激しいレースもあるのだという目からのバトルウロコだったのじゃないかな。日本のルールはバトルを見せないようにしていると思えてくるよ。

レースを楽しみたいならDTM?レースクイーンを応援しろ?

スーパーGTとDTMとの交流戦を行ったドイツ大会にて
C:それでは土屋さんが見て楽しめるレースといったら何でしょうか。
DK:それは面白いレースを見たいなら、海外のDTMを見た方が良い。かな。笑 

C:となると、スーパーGTはどうしたら面白くなると思いますか。富士スピードウェイ開催には10万人も来るビッグイベントになっています。
DK:レースをしらけさせるペナルティを与えなければスーパーGTはもっと楽しいと思う。実際ドライバーたちのバトルは面白いのだから。2019年の最終戦の山下と関口のバトルみたい。あれだけ接触しているにも関わらずペナルティにならない。これまではペナルティだったのに、アレは何なの?となる。
C:あの最終コーナーの接触がノーペナルティだとなると、考えちゃいますか...
DK:不信になるよ。ペナルティ覚悟でドライバーはやっていると思うけれど。これくらいの接触でペナルティ獲られるの?ということもあるのに、あのファイトはOKとなるともう基準がわからないよね。あの接触は明らかに押し出している。しかし、あのバトルがノーペナルティならば、今後のスーパーGTは楽しくなると思うな。みんなバトルをするようになるから。レースが盛り上がるか盛り上がらないかはバトルにかかっていると思う。だから俺は観客のみんなが盛り上がるようなバトルを心がけていたね。そうなると来て良かった!と思ってくれてまた来てくれるワケじゃない。そうやってファンを増やしていくのは、やはりドライバー同士の真剣勝負だと思うよ。
日本レースクイーン大賞2019にて10代目グランプリに輝いた川村那月さん
C:スーパーGTに観客が集まっている要因ってレース以外に何が考えられますか?
DK:俺がピットウォークを見ている感覚ではレーシングドライバーよりもレースクイーンのほうが人気ある。しかしレースクィーンを見に来る観客はレースを見ない。良いレースを見せるドライバーも増えているけれど、レースクィーンステージのほうが観客は明らかに多い。

C:レースクイーンの人気の高さはわかりますが、例えばブリヂストンブースでのトークショーは盛り上がっていますよね。
DK:それはトークショーの内容が面白いからじゃない?

スーパーGTで見せる”打ち合わせ無し”のトークショーの裏側とは?

C:ステージでは結構際どい話が出ますよね。あれは打合せはなしですか?
DK:俺と寿一は打合せを一切しない。予定調和の国会答弁みたいな優等生のトークショーをしたところで、おもしろくないし、そんなの聞きたいのかな。せっかくサーキットまで足を運んでくれたお客さんには、ココでしかできないことを話すから喜んでくれると思うんだよね。

C:脇阪さんのTシャツを着たりするのもアドリブですか?
DK:お客さんが、コレを着た俺を見たいだろうなと思うじゃない。これツイッターに載せたら面白いだろうと思ったらタブーなく仕込んでいくよね。
C:ほかのドライバートークショーに影響を与えそうですよね。
DK:そう。キャリアが書いた国会答弁のようなトークショー止めたほうがいい。トヨタも日産もホンダもそうだけど、皆同じことしか言わないじゃない。もう少し本音の話をしたらと話をしても「言えませんよ」だから。お客さんへのサービス精神がないよね。レーシングドライバーはレースで速いだけでは、地位は上がらないよ。

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