アウディ新型 A1スポーツバックを箱根で試乗!アウディの往年の名車がデザインモチーフ?

アウディのエントリーモデルであるA1の新型が登場しました。初代A1は2008年の登場になります。当時、プレミアムブランドのBセグメントカーをどう作るのか興味を覚えましたが、丸みを持たせたボディ処理によってチープさを消し、作り込んだ内装によって質感の高さを感じさせるクルマに仕上がっていました。コンパクトカー≠チープという図式を見事に拭い去ったクルマでした。

※トランスミッションの表記が7速S トロニックとなっていなかったため、修正いたしました。(11/26日)

文・斎藤 聡/写真・宮越 孝政

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新型 アウディ A1のデザインモチーフは往年の名車"アウディ スポーツ クワトロ"?
力強く加速してくれる、1.5L TFSIエンジンは箱根の道もグイグイと引っ張ってくれる
旋回中はビタッ!とラインをトレースしてくれる、新型 アウディ A1

新型 アウディ A1のデザインモチーフは往年の名車"アウディ スポーツ クワトロ"?

アウディ A1 スポーツバック 2019 宮越孝政

そんなA1スポーツバックの2世代目となるわけです。内情を明かしてしまえば、ベースはフォルクスワーゲンポロ、フォルクスワーゲンのMQBというプラットフォームを使ったもっともコンパクトなモデルです。

MQBはゴルフに搭載して登場し、その出来の良さで注目を集めたプラットフォームです。ポロからアルテオンまで、UP以外のすべてのフォルクスワーゲンの乗用車用プラットフォームとして採用される、とても拡張性に優れたプラットフォーム・アーキテクチャーでもあります。ちなみにアウディではA3,Q3にも採用されています。

アウディ A1 スポーツバック 2019 宮越孝政

写真:新型 A1スポーツバックのデザインはアウディスポーツクワトロへのオマージュが色濃い、フロントグリルデザイン 3分割スリットが特徴的

アウディ A1 スポーツバック 2019 宮越孝政

今回発売になったのはA1スポーツバック 35 TFSI COD。気筒休止機能付きの1・5ℓ直噴直4DOHCターボで、パティキュレートフィルターも装備しています。A1には、他に2020年第2四半期に導入を予定されている3気筒1L エンジンを搭載するA1スポーツバック25 TFSIも用意されています。

力強く加速してくれる、1.5L TFSIエンジンは箱根の道もグイグイと引っ張ってくれる

アウディ A1 スポーツバック 2019 宮越孝政

新型 アウディ A1 内装(インテリア)の様子

アウディ A1 スポーツバック 2019 宮越孝政
アウディ A1 スポーツバック 2019 宮越孝政
アウディ A1 スポーツバック 2019 宮越孝政
アウディ A1 スポーツバック 2019 宮越孝政

最大でラゲッジ容量は、1090Lと充分なスペースを確保している

アウディ A1 スポーツバック 2019 宮越孝政

今回試乗したのは 35 TSFI COD。1.5L 直噴ターボエンジンは、最高出力150ps/5000〜6000rpm、最大トルク250Nm/1500〜3500rpmを発生します。そして1400~3200回転の範囲で惰性走行をしているときにシリンダー・オン。デマンドシステムによって第2、第3シリンダーが休止します。

気筒休止は、カムシャフトが電磁的に制御されたピンによってスライドし、噛むプロフィールが切り替わります。第2,第3シリンダーはフラットなカムプロフィールとなりバルブを閉じて燃料も点火も休止します。一方、第1、第4シリンダーもカムプロフィールが変わり、高まる負荷に対応したものに変わります。気筒休止からの復帰はアクセルオンで即座に行われます。

旋回中はビタッ!とラインをトレースしてくれる、新型 アウディ A1

アウディ A1 スポーツバック 2019 宮越孝政

小さいのにそんなユニークなエンジンを搭載しているA1です。エンジンフィールは、低回転域からフワッとトルクが膨らむタイプで、250Nmを発揮するトルクが力強い加速を見せてくれます。7速S トロニックがダイレクトにパワーフィールを伝えてくれ、厚みのあるトルクと伸びの良い加速を感じることができます。車両重量は1220kgですから箱根のきつい上り坂でもパワー不足を感じることは皆無。十分に活気のある走りを見せてくれます。

ちなみにCODですが、比較的フラットな下り坂で試してみると、インジケータが光り作動を教えてくれますが、振動やフィーリングの違いはほとんど感じられません。軽くアクセルを踏んだ時に車速を維持するのに必要なトルクが出ている感触はありますが、振動やショックはまったく感じられず、切り替えはとてもスムーズです。

今回は試すことができませんでしたが、高速道路なら実燃費の向上というわかりやすい結果として現れるのではないかと思います。

アウディ A1 スポーツバック 2019 宮越孝政

操縦性は、このクラス最高レベルといっていいと思います。ポロに比べると、ちょっと引き締まった味付けです。ダンパーでなくスプリングレートも上がっているようで(未確認)、だからといってはずんだり乗り心地が悪くなっている訳ではなく、適度に張りのある乗り心地とコーナーではレコード針が溝をトレースしているかのようなオンザレール感覚があります。

ハンドルを切り出すとスーッと旋回に入り、旋回中はビタッ!と姿勢を落ち着かせ微動だにしない安定感があります。

しかもそこからイン側かアウト側にハンドルを切ると、待ち構えていたように反応してくれます。その身のこなしの良さ、自由自在なコントロール感はA1最大の魅力の一つです。

アウディ A1 スポーツバック 2019 宮越孝政

あからさまに高級感を出しているわけではありませんが、質感の高さと身のこなしの所作の滑らかさは、上質な仕上がりで、プレミアムなコンパクトカーとしての存在感と魅力を持っています。

斎藤 聡 | SATOSHI SAITO

モータージャーナリスト。車両のインプレッションはもちろん、タイヤやサスペンションについて造詣が深く、業界内でも頼りにされている存在。多数の自動車雑誌やWEBマガジンで活躍中。某メーカーのドライビングインストラクターを務めるなど、わかりやすい解説も人気のヒミツ。日本自動車ジャーナリスト協会会員、日本カーオブザイヤー選考委員。

斎藤 聡 | SATOSHI SAITO