【対策進む】ピラーの死角が運転に及ぼす影響はどのくらい?

車内の写真

※この記事には広告が含まれます

車の運転中に周囲を確認する際、左右のピラーが視界を遮り、歩行者や対向車が見えなかったことはないでしょうか。ピラーはルーフ(天井)を支え、衝突から室内を守る役割も担っていますが、視界を遮ることで運転に影響をおよぼすこともあります。そんなピラーについて解説します。

文・PBKK
Chapter
Aピラーの死角問題
Aピラーの死角に対する解決策とは?

Aピラーの死角問題

ピラーは英語の「pillar」のことで、日本語では「柱」や「支柱」を意味します。クルマではボディと屋根をつなぐ柱を指して使われます。

クルマの前方からアルファベット順にAピラー・Bピラーと続き、ステーションワゴンなどではDピラーまであります。この中でも現在問題になっているのは、Aピラーの死角です。

Aピラーはクルマ前方にあり、運転席のフロントガラスとサイドガラスを分けています。そして運転席から周囲を確認しているときにこのAピラーが視界を遮り、歩行者や自転車などの接近に気づかないケースがあるのです。

Aピラーは天井を支える重要な部品であり、クルマが万が一転倒したときに天井がひずむのを防いだりと安全にとって必要不可欠なものです。ただし最近ではクルマの剛性を確保するためAピラーを大型化したモデルも増えており、Aピラーが細いモデルより事故リスクが高まります。

単にピラーを細くすればよいだけではないか?と思われるかもしれませんが、細くすると今度は事故の際に天井がひしゃげやすくなり乗車している人の安全が脅かされるなどの問題も出てきます。

このようにAピラーの死角問題はシンプルなようで、解決には高い壁が立ちはだかっています。

Aピラーの死角に対する解決策とは?

Aピラーの死角はクルマ製造に関係する企業の長年の課題であり、各企業が解決に向けて対策を練っています。たとえばトヨタでは、電力を使わず鏡を利用してAピラーを透過させる技術の特許を取得しています。

この技術は、鏡を使い周囲の景色を屈曲させ、あたかもピラーが透けて外の景色が見えるようにできるというものです。モノづくりのリーディングカンパニーであるトヨタだからこそ実現できた、かなり複雑な仕組みです。

また、ドイツで自動車部品製造を行うコンチネンタルでは、Aピラーに有機ELディスプレイを設置するという斬新な方法を提案しています。

有機ELディスプレイは折り曲げられるので、Aピラーの形状に沿ってきれいに設置できます。後は運転者の顔の動きを車内センサーで把握してAピラーのディスプレイ映像に違和感がないよう調整、透過を実現します。
最近ではWebカメラの映像を特殊な素材で包んだAピラーにプロジェクターで投影する案を14歳の少女が発表するなど、ピラー死角解決に関する取組はさまざまなところで進んでいます。

いずれはAピラーだけでなく他のピラーも透過され、全方向ピラーが透けて安全性が高まる時代が来るかもしれません。
【お得情報あり】CarMe & CARPRIMEのLINEに登録する

商品詳細