車のアンテナなぜ消えたの?最近見かけなくなったラジオアンテナにはどんなものがある?
更新日:2024.09.09
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ドライブ中、ラジオを聴くのがルーティンというドライバーもいるだろう。それがAMなのかFMなのかはさておき、カーオーディオでラジオを楽しむにはアンテナが必要だ。かつては窓を開けて、手動で伸ばすタイプが主流だったが、アンテナを揺らしながら走っているクルマを見る機会も減っている。いまやアンテナといえばルーフ上のちょこんとついているショートポール型か、スタイリッシュなシャークフィン(ドルフィン)タイプが多数派という時代になっている。なぜ、シンプルな“伸びるアンテナ”は減ってしまったのだろうか?
文・山本晋也
文・山本晋也
手動で伸ばすタイプのアンテナは商用車などで健在
減ったといっても、手動で伸ばすタイプのアンテナは商用車など、よりコストに厳しいカテゴリーのモデルでは健在。
たとえば、スズキ・アルトは乗用タイプがショートポール型をルーフ後方に配置しているのに対して、商用バンはAピラーの上部に手動で伸ばすタイプのアンテナを置いているくらいだ。明らかにコストを考慮した違いだ。
実際、機能性でいえばいずれのアンテナでもラジオの受信感度は変わらない。むしろ旧来からの手で伸ばすアンテナの方が有利なくらいだ。
ただし、手動タイプを出し忘れた状態で、走行中にラジオを聴こうとしても受信できないことがある。信号待ちなど窓を開けてアンテナを伸ばすタイミングがあればいいが、走行中にアンテナを伸ばすというのはちょっと危ない部分もあっておすすめできない。出す忘れというのが手動で伸ばすアンテナの欠点だ。
たとえば、スズキ・アルトは乗用タイプがショートポール型をルーフ後方に配置しているのに対して、商用バンはAピラーの上部に手動で伸ばすタイプのアンテナを置いているくらいだ。明らかにコストを考慮した違いだ。
実際、機能性でいえばいずれのアンテナでもラジオの受信感度は変わらない。むしろ旧来からの手で伸ばすアンテナの方が有利なくらいだ。
ただし、手動タイプを出し忘れた状態で、走行中にラジオを聴こうとしても受信できないことがある。信号待ちなど窓を開けてアンテナを伸ばすタイミングがあればいいが、走行中にアンテナを伸ばすというのはちょっと危ない部分もあっておすすめできない。出す忘れというのが手動で伸ばすアンテナの欠点だ。
電動伸縮タイプのアンテナは、もはや幻のアイテム
その対策として、かつては電動でアンテナを伸ばすという機構もあった。
国産車でいうと1980年代あたりから、価格の高いモデルから普及していった記憶がある。インパネのスイッチで伸び縮みを行なうタイプもあれば、ラジオのスイッチにリンクして自動的にアンテナが伸縮するタイプもあった。
電動式のためレイアウトの自由度も高く、リアフェンダーなどにアンテナを配置したクルマも多かった。このタイプのメリットは走行中にラジオを聴くときだけアンテナを出せること。
なにしろアンテナを出しっぱなしにしておくと、駐車中にいたずらで折られてしまうようなこともあった。ただし、立体駐車場などでは連動型のアンテナではラジオを切り忘れているとアンテナを折ってしまうこともあった。
国産車でいうと1980年代あたりから、価格の高いモデルから普及していった記憶がある。インパネのスイッチで伸び縮みを行なうタイプもあれば、ラジオのスイッチにリンクして自動的にアンテナが伸縮するタイプもあった。
電動式のためレイアウトの自由度も高く、リアフェンダーなどにアンテナを配置したクルマも多かった。このタイプのメリットは走行中にラジオを聴くときだけアンテナを出せること。
なにしろアンテナを出しっぱなしにしておくと、駐車中にいたずらで折られてしまうようなこともあった。ただし、立体駐車場などでは連動型のアンテナではラジオを切り忘れているとアンテナを折ってしまうこともあった。
空力を考えるとフィルムタイプのアンテナが理想
もちろん、アンテナが折れる、折られてしまうといった同様のトラブルは手動で伸ばすタイプでも起きる。
そのため、そうしたトラブルを避けやすいショートポール型やシャークフィン型にシフトしてきたという面もある。もちろん、ルックスとしてスマートというのもメリットで、それがユーザーアピールにつながってきたことで伸ばすタイプのアンテナからシフトしてきたのだろう。
とはいえ、ショートポール型でも立体駐車場に入場するときは畳む必要があり、ひと手間あるのは変わりない。そこで注目したいのは、ウインドウガラスに貼り付けるフィルムタイプのアンテナだ。
けっして新しいタイプではないがコスト高のため、これまで主流にはなっていない。しかし、ボディからの飛び出しがないためデザインを損なうこともなく、空気抵抗も低減できるため、今後はフィルムタイプが増えていくのではないだろうか。
そのため、そうしたトラブルを避けやすいショートポール型やシャークフィン型にシフトしてきたという面もある。もちろん、ルックスとしてスマートというのもメリットで、それがユーザーアピールにつながってきたことで伸ばすタイプのアンテナからシフトしてきたのだろう。
とはいえ、ショートポール型でも立体駐車場に入場するときは畳む必要があり、ひと手間あるのは変わりない。そこで注目したいのは、ウインドウガラスに貼り付けるフィルムタイプのアンテナだ。
けっして新しいタイプではないがコスト高のため、これまで主流にはなっていない。しかし、ボディからの飛び出しがないためデザインを損なうこともなく、空気抵抗も低減できるため、今後はフィルムタイプが増えていくのではないだろうか。
山本晋也
自動車メディア業界に足を踏みいれて四半世紀。いくつかの自動車雑誌で編集長を務めた後フリーランスへ転身。近年は自動車コミュニケータ、自動車コラムニストとして活動している。ジェンダーフリーを意識した切り口で自動車が持つメカニカルな魅力を伝えることを模索中。