マツダRX-7の復活はありえるか?復活のシナリオに必要なピースは?

トヨタからスープラが復活した。日産GT-R、ホンダNSXと1990年代前半に日本の自動車マーケットを盛り上げたスポーツカーが、また一台帰ってきた。こうなると、マツダRX-7の復活を期待したくなるというのが人情。すでに、次世代ロータリーエンジン「SKYACTIV-R」や、ロータリースポーツ「RX-VISION」といったコンセプトを発表しているだけに、それらが現実となる日が待ち遠しいというファンも少なくないだろう。果たして、マツダがRX-7(ロータリースポーツ)を登場させる日は来るのだろうか。

文・山本晋也

Chapter
ロータリーエンジンの復活
大型FRプラットフォームの誕生
電動化という大義名分は必要

ロータリーエンジンの復活

ローター

マツダの規模で、独自エンジンのスポーツカーを生み出すことは体力的にはリスクもある。その一方で、自動車がコモディティ化する中で、ブランド価値を高めることが生き残りに必須だとすれば、RX-7の復活はブランディングへ絶大な効果をもたらすことだろう。非常に難しい経営判断となるだろうが、RX-7もしくは新型ロータリースポーツを生み出す意味はある。

そのための大前提、第一条件となるのがロータリーエンジンの復活だ。現在の環境基準を満たし、熱効率の面などでもレシプロエンジンにそん色ないロータリーエンジンがなによりも重要だ。

すでに2015年には「SKYACTIV-R」という名称で、次世代ロータリーエンジンを開発しているというアナウンスはあった。そこから順調に開発が進んでいるとすれば、そろそろ市販に向けてアナウンスが始まってもおかしくないタイミングだ。

もっとも巷間言われているように新世代ロータリーエンジンは、電動車両向けのレンジエクステンダーとして開発されている可能性もある。しかし、ロータリーエンジンというのはローターの数を増やすことで排気量アップがしやすいという点においてモジュール設計のエンジンといえる。

レンジエクステンダー用のシングルローターエンジンをベースに、ローターを並べて配置した2ローターへと展開することはさほど難しくはないはずだ。

大型FRプラットフォームの誕生

こうしてロータリーエンジンが復活したとして、それをどのようなボディに載せるのかも課題だ。ロータリースポーツとしてのヘリテージを考えればFRレイアウトが求められる。

現在、マツダはロードスターでFRプラットフォームを有しているので、そのロングホイールベース版の兄弟車として展開するという可能性が考えられる。かつてのロードスター(NC型)とRX-8の関係を思い出せば、実績のある方式だ。

とはいえ、現行ロードスターはコンパクトなスポーツカーであって、おそらくRX-7という名前から期待するような本格スポーツカーにするにはサイズ的に心許ない。マツダのファンからするとコンパクトで軽量なロータリースポーツカーというのは、ある種の理想かもしれないが、ビジネス的に考えると、それなりに高価な値付けをしたいはずで、ライトウェイトスポーツという立ち位置は難しい。

また、ブランディング面からするとフラッグシップにふさわしいサイズ感も必要だろう。もっとも、ルノーがアルピーヌを復活させたように、ライトウェイトスポーツでも、それなりの価格をつけることはできるかもしれないが。

【東京モーターショー2017】マツダ VISION COUPE

しかし、仮にロードスターとは異なる大型FRプラットフォームが必要だとして、その可能性はゼロではない。

2017年の東京モーターショーにおいてマツダが出展したコンセンプトカー「VISION COUPE」は、明らかにFRレイアウトを思わせるシルエットやタイヤの位置であり、マツダが大型FRプラットフォームを開発していることを示唆するコンセンプトカーだった。

この新しいFRプラットフォームをアテンザなどのフラッグシップモデルに展開するとすれば、RX-7はプラットフォームを共有することで、開発リスクを分散することができる。

ロータリーエンジンが復活し、それにふさわしいプラットフォームが誕生すれば、RX-7が帰って来るシナリオが見えてくる。逆に言えば、この2つのピースなくしてRX-7復活のシナリオは描きづらい。

電動化という大義名分は必要

ライトウェイトスポーツとしてロータリーエンジンが復活するのならまだしも、もし大型FRプラットフォームをベースにロータリーエンジンを搭載するとなれば、環境対応へのエクスキューズが必要となるだろう。

つまり、最低でもマイルドハイブリッドのような電動化とのセットになると考えられる。昔から「モーターのように滑らかなロータリーエンジン」と評されることが多い。そのロータリーエンジンと電動モーターが組み合わさったときに、どれほどのスムースネスを感じさせてくれるのか。内燃機関の新しい世界を切り開いてくれると期待が高まる。