なぜホイールは汚れるの?その原因と対策は?
更新日:2024.09.09
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雨道や舗装されていない道路を走ったときに、タイヤやホイールが汚れるのは理解できますが、天候も良く、舗装された道しか走っていないのに、気づけばホイールは薄汚れた感じになっています。そんなホイール汚れの原因と、効果的な除去方法を解説しましょう。
文・吉川賢一
文・吉川賢一
ホイールの汚れはブレーキと関係
自動車のブレーキシステムには、大きく分けてドラムブレーキとディスクブレーキの2種類があります。このうち、ホイールの汚れにつながりやすいのは、ディスクブレーキです。
ディスクブレーキは、車軸と一緒に回転する円盤状のディスクローターをブレーキキャリパーにセットされたブレーキパッドで挟み込んで、制動力を発生する構造になっています。
ディスクローターも、ブレーキパッドも金属ですので、ブレーキを踏むたびに金属間で摩擦が生じ、徐々に削られていきます。この削られた金属が”ブレーキダスト”と呼ばれる粉塵となり、ホイールに付着していきます。
ディスクブレーキは、車軸と一緒に回転する円盤状のディスクローターをブレーキキャリパーにセットされたブレーキパッドで挟み込んで、制動力を発生する構造になっています。
ディスクローターも、ブレーキパッドも金属ですので、ブレーキを踏むたびに金属間で摩擦が生じ、徐々に削られていきます。この削られた金属が”ブレーキダスト”と呼ばれる粉塵となり、ホイールに付着していきます。
ブレーキの制動力が高いほど汚れやすい?
ブレーキパッドやディスクローターの素材は、柔らかいほうが摩擦力は高く、制動力も高くなります。ただし、素材が柔らかいということは、削れやすく、ブレーキダストが出やすい、つまりホイールが汚れやすいということになります。
また、ブレーキダストはホイール裏側に付着する時点では、非常に高温です。熱い金属の粉塵がホイール裏側に飛んできて付着して冷え固まるため、汚れがついているというよりは、ホイール裏側に突き刺さっているような状態です。
そのため、通常の泥汚れなどに比べて落ちにくく、付着したブレーキダストをそのままにしておくと錆びついてしまいます。そうなると、さらに落としにくくなってしまいます。
また、ブレーキダストはホイール裏側に付着する時点では、非常に高温です。熱い金属の粉塵がホイール裏側に飛んできて付着して冷え固まるため、汚れがついているというよりは、ホイール裏側に突き刺さっているような状態です。
そのため、通常の泥汚れなどに比べて落ちにくく、付着したブレーキダストをそのままにしておくと錆びついてしまいます。そうなると、さらに落としにくくなってしまいます。
ブレーキダストを落とすには?
ブレーキダストは、カーシャンプーではなかなか落ちません。専用のクリーナーや、鉄粉除去剤を使う必要があります。また、通常の洗車では落ちないほど汚れてしまった場合には、メーカーのホイールクリーニングサービスを利用するのも良いかもしれません。
ちなみに、某ドイツ車正規ディーラーでは、超音波で鉄粉を除去する洗浄サービスを行っています。メガネ屋さんの店先にある超音波洗浄機と同じ原理で、タイヤ&ホイールごと洗浄液に浸して、超音波で汚れを落とします。隅々まできれいになるそうです。
ちなみに、某ドイツ車正規ディーラーでは、超音波で鉄粉を除去する洗浄サービスを行っています。メガネ屋さんの店先にある超音波洗浄機と同じ原理で、タイヤ&ホイールごと洗浄液に浸して、超音波で汚れを落とします。隅々まできれいになるそうです。
ブレーキダスト対策
ブレーキダストを減らす対策として、2つ方法を紹介しましょう。
①ブレーキパッドを変える
前述したように、ブレーキパッド&ローターの素材が柔らかいほど、ブレーキダストは増えることになります。ドイツ車など、高速走行が前提のヨーロッパ車ほど、高速走行時でも安定してブレーキが効くように、制動力が高い柔らかめのブレーキパッドを使う傾向にあります。
アフターパーツとして、制動力を維持しながらダストを減らしたブレーキパッドが市販されていますので、そういったタイプのブレーキパッドに交換するという手段があります。
アフターパーツとして、制動力を維持しながらダストを減らしたブレーキパッドが市販されていますので、そういったタイプのブレーキパッドに交換するという手段があります。
②コーティング剤でホイールを守る
ホイールコートは、フッ素の強力な被膜でブレーキダストなどの汚れを付きにくくする方法です。
コーティングを施したホイールは、水で洗い流すだけできれいになります。ホイールコーティングは、カーショップなどで施工することが可能(約1万円~2万円程度)ですが、自分で施工するとリーズナブル(2,000~3,000円程度)に仕上げることができます。
コーティングを施したホイールは、水で洗い流すだけできれいになります。ホイールコーティングは、カーショップなどで施工することが可能(約1万円~2万円程度)ですが、自分で施工するとリーズナブル(2,000~3,000円程度)に仕上げることができます。
ホイールの汚れは、ブレーキの構造上、どうしても発生してしまうものです。対策は、まめにホイールを洗うか、パッドを交換する、またはコーティング剤で保護することです。
足元がきれいなクルマは、まるで新車のように見えます。きれいな状態が維持できるよう、足元のメンテナンスに気を付けてみるのも良いかも知れませんね。
足元がきれいなクルマは、まるで新車のように見えます。きれいな状態が維持できるよう、足元のメンテナンスに気を付けてみるのも良いかも知れませんね。
吉川賢一
モーターエンジニア兼YouTubeクリエイター。11年間、日産自動車にて操縦安定性-乗心地の性能技術開発を担当。次世代車の先行開発を経て、スカイラインやフーガ等のFR高級車開発に従事。その後、クルマの持つ「本音と建前」を情報発信していきたいと考え、2016年10月に日産自動車を退職。ライター兼YouTube動画作成をしながら、モータージャーナリストへのキャリア形成を目指している。