最近目立つようになった、後輪のホイールの汚れ。その原因とは?

リア ホイール タイヤ

最近リアのホイールがブレーキダストで汚れているクルマを見かける機会が多いような気がしないだろうか?それは気のせいではない。とある電子制御によって、いまのクルマはリアブレーキの負担が大きくなっている。

文・山本晋也

Chapter
後輪のホイールがブレーキダストまみれに!?
リアブレーキを多用している理由
サーキットではリアブレーキからフェード現象が起きることも

後輪のホイールがブレーキダストまみれに!?

欧州車やスポーツカーなどでは、ブレーキダスト(ブレーキを使うことで発生する粉)がホイールを汚してしまうことが悩みの種というオーナーもいるだろうが、ここ数年ブレーキダストによる汚れが、リアホイールでも目立つようになっている。

そもそも、クルマのブレーキというのはフロントがメインであることがほとんどだ。とくにフロントエンジン車であれば、リアはサブ的に使っているというイメージを持っている人は多いだろう。

実際、前後ブレーキを比べると、フロントのほうがブレーキディスク、キャリパーとも大きくなっていることが多いし、フロントが放熱性にすぐれるベンチレーテッドディスクなのにリアは熱のこもりやすいドラムとなっているクルマも珍しくない。

しかし、リアのブレーキダストが目立つということは、リアブレーキを多用しているということになる。ブレーキペダルはひとつであるから、リアだけブレーキを使うといった状況は考えづらいかもしれないが、そうではないからリアのブレーキダストが目立つようになっているのだ。

リアブレーキを多用している理由

その理由は、ESC(横滑り防止装置)の普及にある。VDC、VSA、ESPなど様々な呼び方のあるESCだが、その機能としてはクルマが曲がらなかったり、スピンしそうになったりしたときにブレーキをつまむことで挙動を安定させるというものだ。

つまり、ドライバーがブレーキペダルを操作していなくても、ESCが働くことで実際にはブレーキを使っているのが現代のクルマだ。そしてクルマが外側にはらみそうなとき(オーバーステア状態)ではリアの内輪にだけブレーキをかけるのを軸とした作動となっている。ちなみに、スピンモード(オーバーステア状態)ではフロントの外輪にブレーキをかけて姿勢を安定させようとする。

基本的に、市販されているクルマの多くはアンダーステアに仕上げられているので、飛ばしていると、どうしてもリアのブレーキを「ESCが」多用してしまう傾向になる。さらに、最近ではESCの機能をつかってハンドリングを改善しようとする技術も盛り込まれている(例:ホンダ「アジャイル・ハンドリング・アシスト」、マツダ「Gベクタリングコントロール・プラス」など)。

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サーキットではリアブレーキからフェード現象が起きることも