F1などのレース用タイヤって公道で使ってもいいの?

スリックタイヤ

フォーミュラーカーやGTカーが、乾いた路面のときに使うスリックタイヤや、ラリーカーが雪道で使うスパイクタイヤなど、クルマのレースでは、一般に市販されていないタイヤが数多く使われています。特殊な用途で作られたこういったタイヤが手に入ったとして、はたして公道で使うことはできるのでしょうか?

文・赤井福

スパイクタイヤはスタッドレスタイヤへ

では、WRCなどのラリーで雪道を走る際に使われるスパイクタイヤはどうでしょうか。スパイクタイヤは、タイヤのトレッド面に金属製のピンを打ち込み、雪道や氷上でのグリップ力を高めます。

日本では、1963年から北海道や東北を中心に国産のスパイクタイヤが使用されていましたが、乾燥路面で使用するとアスファルトが削られてしまうという欠点があり、当時、アスファルトの粉塵により環境問題が発生しました。

この対策として、平成2年に「スパイクタイヤ粉塵の発生の防止に関する法律」が施行されました。この法律は、積雪や凍結路面ではない路面をスパイクタイヤで走行することを規制するもので、これにより国内のタイヤメーカーは、スパイクタイヤの製造を中止。雪道走行にはスタッドレスタイヤが使用されるようになったのです。

積雪や凍結路面であれば、スパイクタイヤの使用は認められています。ただし、少しでもアスファルトが出ている路面とスパイクタイヤが接地してしまった場合は法律違反となるので、現実問題として公道でスパイクタイヤを使用することは不可能となります。

レース用タイヤは公道では使えない

ここまで解説したとおり、競技用のスリックタイヤやスパイクタイヤは公道では使用できません。

一般に販売されているタイヤのなかでドライ路面での最大のグリップを得るためには、Sタイヤと呼ばれるラジアルタイヤを使用します。非常に柔らかいコンパウンドに、グリップ力を最大に高めるため、サイピングを最小限に抑えたタイヤで、サーキットでのスポーツ走行に多く使用されています。

通常のタイヤと比べると摩耗が早く、かつ静粛性や排水性は考えられていないので、普段の走行には適しませんが、スポーツ走行の際には高いグリップ力を得ることができるので、タイムの向上を見込めます。通常、私達が使用することができるタイヤのなかでは、レース用に一番近いタイヤといえるでしょう。


レース用に専用設計されたタイヤは、オールマイティではなく、ある特定の性能を極限まで高めたものなので、公道の走行ルールには適しません。法律の定めるルールのなかで、自分に適したタイヤを選択しましょう。

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文・赤井福
大学卒業後、金融業に従事。その後、6年間レクサスの営業マンとして自動車販売の現場に従事する。若者のクルマ離れを危惧し、ライターとしてクルマの楽しさを伝え、ネット上での情報発信を行っている。