ノンアルコールビールやノンアルコールカクテルは飲酒運転になる?

「ノンアルコールを飲みすぎると、飲酒運転になる」という噂を聞いたことはありませんか? 現在は、ノンアルコールビールやノンアルコールカクテルの種類が幅広く展開され、飲食店やコンビニなど、どこでも手にすることができるようになりました。では、ノンアルコールだからと、本当に飲んで運転しても問題ないのでしょうか?
文・吉川賢一
どのくらい飲んだら飲酒運転?
飲酒運転となるのは、呼気検査をした際に、アルコール濃度が0.15mg以上あった場合です。この状態で酒気帯び運転となり、3年以下の懲役または50万円以下の罰金。さらに酔いがひどく、まっすぐ歩けないような状態の場合、酒酔い運転となり、25点減点で免許取り消しとなります。
呼気中のアルコール濃度は、血中アルコール濃度の5倍になるといわれていますから、血中アルコール濃度が0.03%で約0.15mgの検査結果が出ることになります。
ノンアルコール飲料って本当にアルコール"ゼロ"?
日本の酒税法では、アルコール分1%以上の飲み物を「酒類」としています。そのため、アルコール分1%未満の飲み物は、ノンアルコール飲料に含まれることになります。
たとえば、居酒屋で見かけるホッピーは、アルコール度数は0.8%もありますが、ビアテイストの清涼飲料水(ノンアルコール飲料)です。このホッピーを、体重60kgの方がどのくらい飲むと、酒気帯び運転になるのか計算してみました。
適正な飲酒量(ml)は、(血中濃度)×(指数)×(体重)÷アルコール度数で導き出すことができます。それをふまえて、先ほどの血中アルコール濃度0.03%をベースに計算すると、以下の通りとなります。※指数とは、体重1kgあたりの平均血液量(=833ml)
0.03(%)×833×60(kg)÷0.8(%)=1,874.25(ml)
つまり、ノンアルコール飲料のホッピーでも、アルコールに弱い人なら1.5L強で血中アルコール濃度は0.03%(アルコール濃度0.15mg)近くになります。ノンアルコールだからといって、飲み過ぎると酒気帯び運転になる可能性があるということです。