50年前にあった幻のスーパーカー!マツダ RX500とは?
更新日:2024.09.09
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1970年、東京モーターショーで発表されたマツダRX500は、くさび形のボディに跳ね上げ式の扉、まさに「スーパーカー」というビジュアルで、大きな話題となりました。約50年経った2018年にはイベントが開催されるなど、ファンを中心に、いまだ人気のあるクルマです。今回は、RX500の魅力について紹介していきます。
文・吉川賢一
文・吉川賢一
マツダ RX500はロータリーエンジンを搭載したコンセプトカー
マツダは、ロータリーエンジンを搭載したクルマを、世界で初めて量産化しました。それが1967年に発表されたコスモ スポーツです。RX500は、コスモ スポーツの後継モデルとして1968年に企画が始まり、2年後に完成したコンセプトカーです。
ロータリーエンジンの量産技術は、世界でもマツダだけのものでした。軸のピストン運動を動力に換える一般的なレシプロエンジンと違い、ローターハウジング内にある三角形のローターの回転運動が動力にかえられます。
ロータリーエンジンは、パワーと加速性能の面でレシプロエンジンを凌いでいたため、当時「未来のエンジン」と期待されていました。
1991年、ル・マン24時間耐久レースで4ローターのロータリーエンジンを搭載したマツダ車が総合優勝を果たしたことで、耐久性においても高い評価を得ました。しかし、ほかのエンジンに比べ、燃費が良くなかったことから、環境性能が求められるようになると、市販車からロータリー搭載モデルが消滅。しかし、開発は現在も続けられているようです。
ロータリーエンジンの量産技術は、世界でもマツダだけのものでした。軸のピストン運動を動力に換える一般的なレシプロエンジンと違い、ローターハウジング内にある三角形のローターの回転運動が動力にかえられます。
ロータリーエンジンは、パワーと加速性能の面でレシプロエンジンを凌いでいたため、当時「未来のエンジン」と期待されていました。
1991年、ル・マン24時間耐久レースで4ローターのロータリーエンジンを搭載したマツダ車が総合優勝を果たしたことで、耐久性においても高い評価を得ました。しかし、ほかのエンジンに比べ、燃費が良くなかったことから、環境性能が求められるようになると、市販車からロータリー搭載モデルが消滅。しかし、開発は現在も続けられているようです。
マツダ創立50周年を記念して製作されたスーパーカー
RX500の500は、マツダ創立50周年を意味しています。1970年1月に創立50周年記念を祝う場で、1/2サイズのRX500のクレイモデルが発表されました。
そこでの好評を受け、半年後の7月に実車が公表されました。当初、マツダのイメージカラーの鮮やかな緑色で発表されましたが、その後黄色に塗り直されました。2018年には、近未来的なシルバーカラーで登場しています。
そこでの好評を受け、半年後の7月に実車が公表されました。当初、マツダのイメージカラーの鮮やかな緑色で発表されましたが、その後黄色に塗り直されました。2018年には、近未来的なシルバーカラーで登場しています。
マツダ RX500が人気の理由
RX500は、バタフライウイングドアが特徴ですが、あのランボルギーニですら、バタフライウイングドアを採用したのは1971年のカウンタックが最初だったことを考えると、まさに時代の最先端のクルマであったことがわかります。
両サイドのドアを跳ね上げた姿は、まるで空飛ぶクルマのようでした。トミカから発売されていたRX500のミニカーで、ドアを跳ね上げ、飛ばして遊んだことがある方もいるでしょう。
空力を意識したウエッジシェイプが効いたボディは、繰り返し風洞実験を行った結果に基づいて採用されたデザインです。ミドシップレイアウトに、レース用にもできる250馬力の10A 2ロータリーエンジン。4輪ベンチレーティッドディスクに4ポットキャリバーという、当時のレーシングカーでも珍しいブレーキを搭載していました。
デザインだけでなく、スペックの面でもまさにスーパーカー。最高速度も250㎞/hオーバーと、「未来のスポーツカー」を期待させてくれるものでした。
両サイドのドアを跳ね上げた姿は、まるで空飛ぶクルマのようでした。トミカから発売されていたRX500のミニカーで、ドアを跳ね上げ、飛ばして遊んだことがある方もいるでしょう。
空力を意識したウエッジシェイプが効いたボディは、繰り返し風洞実験を行った結果に基づいて採用されたデザインです。ミドシップレイアウトに、レース用にもできる250馬力の10A 2ロータリーエンジン。4輪ベンチレーティッドディスクに4ポットキャリバーという、当時のレーシングカーでも珍しいブレーキを搭載していました。
デザインだけでなく、スペックの面でもまさにスーパーカー。最高速度も250㎞/hオーバーと、「未来のスポーツカー」を期待させてくれるものでした。
量販されなかった理由
当時高い評価をうけ、今でも伝説の車と言われるほど人気が高いにもかかわらず、量販されなかったのはその大きさにあるとされています。RX500のボディサイズは、全長4,330mm×全幅1,720mm×全高1,065mm、車重は850kgで、当時のカー雑誌では、過大な重量と評されていました。
また、2シーターのRX500のコックピットは、かなり窮屈。シートには前後スライドもなく、市販車として、当たり前の要件が満たされていない車両でもありました。
1970年当時、低燃費や居心地の良さよりも、走りの性能が求められていた時代に、最先端のクルマとして製作されたRX500。量販には向かなかったようですが、純粋にかっこいいボディスタイルは、その後のマツダ車に受け継がれているのではないでしょうか。
また、2シーターのRX500のコックピットは、かなり窮屈。シートには前後スライドもなく、市販車として、当たり前の要件が満たされていない車両でもありました。
1970年当時、低燃費や居心地の良さよりも、走りの性能が求められていた時代に、最先端のクルマとして製作されたRX500。量販には向かなかったようですが、純粋にかっこいいボディスタイルは、その後のマツダ車に受け継がれているのではないでしょうか。
吉川賢一
モーターエンジニア兼YouTubeクリエイター。11年間、日産自動車にて操縦安定性-乗心地の性能技術開発を担当。次世代車の先行開発を経て、スカイラインやフーガ等のFR高級車開発に従事。その後、クルマの持つ「本音と建前」を情報発信していきたいと考え、2016年10月に日産自動車を退職。ライター兼YouTube動画作成をしながら、モータージャーナリストへのキャリア形成を目指している。