広く採用されているモノコックボディ。そのメリットとは?

トヨタ プリウス ボディ剛性

現在の乗用車に広く採用されているモノコックボディは、今からほぼ90年前に誕生しました。今回は、そのモノコックボディの歴史と誕生の経緯について、紹介していきます。

Chapter
モノコック構造とは?
モノコックボディを世界で初めて採用したクルマは?
日本車で初めてモノコックボディを採用したクルマは?
モノコックボディのメリット
ラダーフレームの現在

モノコック構造とは?

モノコック構造

ラダーフレーム構造


自動車のボディ構造には、大きく分けて2通りの構造があります。

ひとつは馬車の時代から使われているもので、ラダー(はしご)型のフレームを基本とし、その上にアッパーボディを乗せ、エンジン・トランスミッション・タイヤなどのパワートレイン(駆動系)を取り付けたもの。これは、ラダーフレーム構造と呼ばれています。

もうひとつは、フレームとボディが一体となった構造で、そこにエンジン・トランスミッション・タイヤなどのパワートレインを取り付けたもの。これが、モノコック構造です。

モノコック(monocoque)は、ギリシャ語の数詞「mono(ひとつの)」とフランス語の「coque(貝殻)」の合成語です。英語ではフレームレス(frameless)構造とも言います。

初期のころの自動車は、すべてラダーフレーム構造でした。しかしながら、フレーム部分が重く燃費が悪いため、ボディ全体で強度を確保し軽量化したモノコック構造が誕生、広く採用されるようになったのです。

このモノコック構造は、生き物ならカニやカブトムシといった外骨格生物。家の建築でいえば、輸入住宅に多い2×4工法のようなイメージです。ちなみに日本家屋に多い木造軸組工法がラダーフレーム構造にあたります。

モノコックボディを世界で初めて採用したクルマは?

市販車において、世界で初めてモノコックボディを採用した自動車は、1922年に発表されたのランチア ラムダと言われています。ラムダは、それまでラダーフレームに木製のボディを載せていた自動車の構造を、ボディ全体で強度を受け持つモノコック構造に転換した、まさにエポックメイキングな車でした。

軽量で高い剛性を持ち、その操縦性能と乗り心地は、当時ずば抜けていたと言われています。このクルマのボディが、その後、自動車のボディ構造のスタンダードとなりました。

日本車で初めてモノコックボディを採用したクルマは?

日本初のモノコックボディは、1958年の富士重工業製のスバル360(通称“てんとう虫”)と言われています。

軽自動車の枠組みのなかで大人4人を乗せるスペースを確保したうえで「悪路を時速60キロで飛ばせる車」の製造を目指すにあたり採用したモノコック構造は、もともと航空機から始まった技術。中島飛行機が母体の富士重工業が、その技術に目をつけたことは必然だったのかもしれませんね。

ちなみにスバル360は、2016年度日本機械学会の「機械遺産」に認定されました。

モノコックボディのメリット

モノコックボディのメリットには以下の点が挙げられます。

① ボディのねじれ・たわみ(剛性)に強く、ハンドリングや乗り心地が良い
② 衝撃吸収力が高く、ボディ全体で衝撃を分散する構造のため、安全性が高い
③ ボディの軽量化が図れることで、燃費が向上する
④ 車内スペースを広く取りやすい
⑤ 複雑なボディデザインが可能である

ラダーフレームの現在

乗用車のように、燃費や乗り心地を求められる車にはモノコックボディが広く採用されていますが、トラックやバス、オフロードを走るランドクルーザーやジムニーなどのSUVには、いまだラダーフレームが採用されています。

なぜなら、強度に関してはラダーフレームのほうが優れているからです。

各自動車メーカーは、クルマの目的に応じて、それぞれに適したボディ構造を採用しているのです。

クルマのボディには、カーボンやアルミニウムなど、新たな素材が使われ始めています。将来的にはラダーフレームに匹敵するような強度を持ったモノコックボディが考案されることもあるでしょう。

運動性能も燃費も良く、かつ高い強度を持った、理想的なボディ構造が出てくる日も、そう遠くないかも知れません。

商品詳細