なぜ、スバルのシンメトリカルAWDが理想と言われるのか

シンメトリカルAWD

水平対向エンジンに、4WDを組み合わせるスバル。この構造は「シンメトリカルAWD」と呼ばれており、全世界に多くのファンをかかえています。そのシンメトリカルAWDの歴史と、メリットを紹介しましょう。

文・立花義人

ほかの4WDシステムとどのように違うのか

ほとんどのFF車は、直列エンジンを横置きに搭載しています。FFであれば、駆動系のパーツも少なく合理的なレイアウトとなりますが、この方式を4WD化する場合、横向きの出力(クランクの回転方向は車両の進行方向と90度と異なる)を縦向きに変換するための機構が必要で、この方式は結果的に重量増と走行抵抗増につながり、燃費も悪くなります。

一方、一般的な縦置きエンジンは、ドライブトレーンを一直線上に配置できることに加え、FFの4WDに比べて、プロペラシャフトも短くできるため、駆動ロスを少なくすることができます。

さらに水平対向エンジンを採用するスバルでは、前述した左右重量バランスにも優れているなどのメリットがあります。

こうしてスバルは、伝統あるAWDを、悪路走破だけを目的とした機構ではなく、降雪や降雨、また高速走行時における走行安定性を実現させる機構として進化させてきたのです。

シンメトリカルAWDがもたらす走りの安定感は、スバルの世界的な高評価にもつながっています。このシステムが今後どのように熟成されていくのか、非常に楽しみですね。

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文・立花義人
フリーライター。5歳の頃に自動車図鑑で見たアルファロメオのデザインに衝撃を受け、以降クルマに魅了される。様々なクルマの個性を知りたいと考え、免許取得後国産・輸入車問わず20台以上を乗り継ぐ。車検整備を取り扱う企業に勤務していた際、メンテナンスや整備に関する技術や知識を学ぶ。趣味はドライブ、食べ歩き。現在の愛車はパサート・ヴァリアント。