オンナにとってクルマとは Vol.34 "自分の目"で見るということ

大人の色気漂う、ステキなデザインのコンパクトカーが増えているのはとても嬉しい。でも運転してみると、デザインのせいで後方視界が悪かったり、小回りがきかないクルマが多いことには危機感をおぼえる。

text:まるも亜希子  [aheadアーカイブス vol.128 2013年7月号]

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Vol.34 "自分の目"で見るということ
オンナにとってクルマとは

Vol.34 "自分の目"で見るということ

近頃は、後方の様子を映し出すカメラが装備され、それがあればほとんど不便を感じないものの、そういう「カメラで後方確認することが当たり前になっている自分」にも、よく考えると愕然とするほどの違和感をおぼえる。

つい先日は、あまり運転に慣れていない女性と出かけ、彼女が駐車する際に一度もサイドミラーを見ず、バックモニターだけを見ていたことに衝撃をうけた。

確かに、運転席からは目視が難しい、真後ろの死角や低い位置の障害物までモニターで確認できるし、ハンドルの切れ角に合わせて予想進路が線で表示されるから、サイドミラーだけを見てバックするよりは、はるかにやりやすいはず。

でも、彼女のハンドル操作はまるでシミュレーションゲーム感覚というか、タイヤの存在や、車両感覚をつかむための視線の動きなどが一切感じられず、私はそこにショックを受けたのだった。

そんなバックモニターは、後方だけでなく両サイドが映るものや、ホンダ、日産で採用している真上から車両の動きを映すもの、ルームミラー内蔵タイプなど、メーカーごとに工夫が凝らされている。でも、「これは完璧だ!」と思えたバックモニターは、今のところひとつもない。

というのは、私自身、もう何年もバックモニターが付いているクルマに乗っていて、そのおかげで助かったことは何度もある反面、本当に必要な時、見たい時に限ってまったく役に立たないことも悟った。

雨の降る夜、雪の日、街灯のない真っ暗な場所など、「今、助けてよ」と心で叫ぶ時ほど画面はボヤけて不鮮明だ。その点、輸入車では障害物が接近するとピピピと警告音がなるタイプが多く、これなら雨の夜だろうが真っ暗闇だろうが作動する。

バックモニターと障害物検知が両方付いていればいいのに、と思うのは先進技術に甘やかされすぎた私のワガママだろうか。

でもひとつ確かなのは、カメラに頼りすぎず、ミラーと目視で安全確認をする習慣をもう一度、徹底しなければいけないということだ。

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text:まるも亜希子/Akiko Marumo
エンスー系自動車雑誌『Tipo』の編集者を経て、カーライフジャーナリストとして独立。ファミリーや女性に対するクルマの魅力解説には定評があり、雑誌やWeb、トークショーなど幅広い分野で活躍中。国際ラリーや国内耐久レースなどモータースポーツにも参戦している。

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