オンナにとってクルマとは Vol.61 99%の衝撃

アヘッド ロゴ

※この記事には広告が含まれます

鏡を見てなんかおかしいなと思ったのは、猛暑を乗り越えてその厳しさをようやく忘れかけた、いつかの秋口のことだった。今までなかったはずのソバカスが、湧いて出たように顔のあちこちに点在している。よくよく全身を点検してみると、手の甲やデコルテにもポツンポツンと、いつの間にやら小さな黒いやつがいるではないか。

text : まるも亜希子 [aheadアーカイブス vol.155 2015年10月号]
Chapter
Vol.61 99%の衝撃

Vol.61 99%の衝撃

一瞬のうちに、私はその夏の行動を思い返した。外へ出る時は、たとえベランダで洗濯物を干すだけでも日焼け止めクリームを塗っていたし、海や山やサーキットでは汗や水に強いというSPF50の強力なクリームを常備。移動はほとんどクルマで、愛車をはじめとしてUVカットガラスがついたクルマにしか乗っていないはずだった。

出かける前に塗った日焼け止めは、どうやら数時間で効果が薄れてくるらしいけれど、私はUVカットガラスのクルマに守られているから大丈夫と、絶大な信頼をおいていたのだった。

それなのに、どうしてこんなにソバカスができてしまったのだろう。日焼け止めクリームの効き目が悪かったのか、塗ったつもりで忘れている日でもあったのか。

なんだか原因が釈然としないまま過ごしていたある日、紫外線を約99%カットするUVカットガラスがクルマに採用されたというニュースが目に入った。その意味を理解するのに少しの時間を要したあと、「えっ? じゃあ今までのUVカットガラスって、何パーセントだったの?」と、ショックで血の気が引いていく。

調べてみると、愛車のガラスは60%ほどしかUVカット効果はなく、それもフロントのドアガラスのみ。どうやらその程度のクルマは多いようで、中には一部のグレードのみUVカットガラスだというクルマもけっこうある。そりゃないよ、信じてたのに。なんて恨みつらみをぶちまけても、私のソバカスはなかなか消えない。

周りの女性たちにこの話をしてみたところ、ほぼ全員が私と同じようなリアクションを返してくれた。やっぱりみんな、UVカットガラスがついてるというだけで安心して、どこについているのか、何パーセントなのかはよく知らないで乗っているのだった。

紫外線は夏が終わってもまだまだ攻撃をやめない。UVカットガラスの過信には要注意である。

----------------------------------------
まるも亜希子/Akiko Marumo
エンスー系自動車雑誌『Tipo』の編集者を経て、カーライフジャーナリストとして独立。ファミリーや女性に対するクルマの魅力解説には定評があり、雑誌やWeb、トークショーなど幅広い分野で活躍中。国際ラリーや国内耐久レースなどモータースポーツにも参戦している。
【お得情報あり】CarMe & CARPRIMEのLINEに登録する

商品詳細