オンナにとってクルマとは Vol.77 ドリンクホルダー

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日本車のいいところはなにかと聞かれたら、そのひとつに「ドリンクホルダーの数と使いやすさ」を挙げたいと思う。とくに最近、日本のコンパクトカーやミニバンのドリンクホルダーはすごい。6個から8個くらい備わるのは当たり前で、小さな缶コーヒーから紙パック飲料までさまざまなタイプの飲み物に対応する。中にはスマートフォンホルダーとして使えたり、ペットボトルのキャップ置き場まである親切ぶりだ。

[aheadアーカイブス vol.171 2017年2月号]

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Vol.77 ドリンクホルダー

Vol.77 ドリンクホルダー

そこへいくと、輸入車は4個もあれば立派なほう。ドイツ車勢は日本車並みに使いやすくなってきたなと感じるけれど、イタリア車、フランス車はまだまだ。ちょっと前までドリンクホルダーがないモデルも多かっただけに、付いていても日本の飲み物はサイズが合わなかったり、入ったと思ったらインパネのスイッチが押せない、なんてことが度々ある。

かつて私が乗っていたイタリア車にも、やっぱりドリンクホルダーはなかった。カー用品店で買ってきたものの、うまく取り付けられず結局はあきらめて、飲み物は太ももの間に挟んで乗っていたものだった。

のちにイタリア在住の友人に「イタリア人はドライブ中になにも飲まないの?」と聞くと、「喉が渇いたらサッとバールに立ち寄って、一気に飲んでまた運転するのよ」と返ってきた。ホントかなぁと、いまだに半分疑っているけれど、ドリンクホルダーが進化しないところを見ると、それが王道なのかもしれない。

けれど日本人の私は、ドリンクホルダーのないクルマなんてもうコリゴリ。気づけば、飲み物以外にもいろんな物を放り込んでいる。髪をとめるバレッタやリップクリーム、お店のポイントカードやレシート、食べかけのスナック。大きな収納ポケットに入れたら迷子になってしまう小さな物や、すぐにまた使うものをちょっと入れておくのに、ドリンクホルダーは都合がいい。

そんな女性は多いようで、「最近コレが女性に人気なんですよ」と新型フリードの試乗会で見せてもらった純正アクセサリーが、「ねこちゃんリッド」というものだった。

なんでも、ドリンクホルダーに入れた小物を隠しておきたい、という女性の声に応えて作ったもので、かわいいネコの顔がぴたりとドリンクホルダーを覆うフタになっている。なるほどこれなら、急にゲストを乗せる時に慌てて片付けなくていいし、クルマを離れる時の防犯にもなりそうだ。

きっと、クルマを買う時にドリンクホルダーを最優先する人はいないだろうと思う。でも、一度知ってしまった便利さはもう後戻りできないもの。女性にとってドリンクホルダーは、もはや手放せない「なんでもホルダー」だ。

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text:まるも亜希子/Akiko Marumo
エンスー系自動車雑誌『Tipo』の編集者を経て、カーライフジャーナリストとして独立。
ファミリーや女性に対するクルマの魅力解説には定評があり、雑誌やWeb、トークショーなど幅広い分野で活躍中。
国際ラリーや国内耐久レースなどモータースポーツにも参戦している。


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