ひこうき雲を追いかけて vol.66 ユーザー車検

アヘッド ユーザー車検

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先日、DS3の継続車検に無事、合格した。わざわざ「合格した」と言うのは、自分で車両を陸運局に持ち込んで検査を受ける、いわゆるユーザー車検で車検を通したからだ。今のDS3は4台目のマイカーとなるが、うち2台は車検の時期が来る前に手放し、うち2台はいずれも自分で車検を通している。

text:ahead編集長・若林葉子 [aheadアーカイブス vol.181 2017年12月号]
Chapter
vol.66 ユーザー車検

vol.66 ユーザー車検

この仕事を始めるまでは、車検は販売店か町のクルマ屋さんなどにお願いするものとばかり思っていたから、ユーザー車検という方法があるよと人から教えてもらったときも、本当に自分でできるのかどうか半信半疑だった。

はじめてルノーのルーテシアを車検場に持ち込んだのは2008年のことで、当時から比べると、手続きも少しずつ便利になってきていると実感する。

ネット予約ができるようになったこと、納税証明書がいらなくなったこと(システムで管理されている)、検査レーンで検査を受け合格した後、再度、窓口に並んで新しい車検証をもらう必要もなくなり、検査レーンの出口ですぐに発行してもらえるようにもなった。順調に行けば1時間も掛からず手続きが完了する。

いきなり検査場に持ち込むのが不安なら、陸運局の近くに点在する「予備検場」に行くと、陸運局と同じ検査が受けられる。私の場合はいつも、光軸検査だけ予備検場で調整してもらうことにしている。

ユーザー車検のメリットはコストが掛からないということに尽きる。私の場合、今回の車検での支出は、自賠責保険12ヵ月分(¥25,830)、重量税(¥24,600)、検査費用(¥1,800)、代書代(¥700)、光軸の予備検査(¥3,500)、合計56,430円で済んだ。

そういうこともあってか、車検場には女性の姿も決して珍しくはない。陸運局の対応も総じて親切で、「これはどうすれば良いですか?」「次はどこへ行けばいいですか?」と聞けば、ちゃんと教えてくれる。検査ラインには見学レーンもあって、ひと通り予習もできるし、ライン上で立ち往生しても検査員が助けてくれる。

「そんなに簡単で安く済むなら、自分で通せばいいじゃん」と言ってしまえるかどうかは、しかし、難しいところだ。なぜなら、私たちには「普段から自分でクルマをみる」という習慣が根付いていないからだ。

定期的に空気圧すらチェックしないのに、ブレーキパットの減り具合や、ラジエーター液の残量やオイル交換なんて、まず気にもしないのではないだろうか。2年に1度、車検時にディーラーでひと通りチェックしてもらう、というのは案外、日本人には適したシステムなんじゃないかと思う。

幸いなことに私は、周囲に私以上に私のクルマを気にかけてくれる同僚やディーラーのメカニックの方がいるからいい状態でクルマを維持できているのだ。偉そうに言えたものではない。

大事なのは、クルマが正常な状態に保たれているかどうか、ということ。その環境があるならユーザー車検で十分だし、そうでなければやはりプロにお願いするのがいいのだと思う。

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text:若林葉子/Yoko Wakabayashi
1971年大阪生まれ。Car&Motorcycle誌編集長。
OL、フリーランスライター・エディターを経て、2005年よりahead編集部に在籍。2017年1月より現職。2009年からモンゴルラリーに参戦、ナビとして4度、ドライバーとして2度出場し全て完走。2015年のダカールラリーではHINO TEAM SUGAWARA1号車のナビゲーターも務めた。
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