ツーリングマップルを持って旅に出よう

アヘッド ツーリングマップル

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昭文社が発行する『ツーリングマップル』は、バイク乗りなら誰もが1冊は買ったことがあるのではないか。

text:山下 剛 [aheadアーカイブス vol.180 2017年11月号]
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ツーリングマップルを持って旅に出よう

ツーリングマップルを持って旅に出よう

バイクで携行しやすい手頃な大きさに加えて、毎年刷新される「お薦めルート」や「ひとくちメモ」、旅情を刺激する口絵写真の数々など実走行に基づいたデータが、30年以上の長きに渡って親しまれてきた理由だ。

それは毎年7~9月の3ヵ月に渡り、「北海道」「東北」「関東甲信越」「中部北陸」「関西」「中国・四国」「九州沖縄」の7エリアそれぞれで綿密な現地取材を行っている担当ライダーの貢献によるところが大きい。

彼らが実際にバイクで走りまわり、見て、聞いて、触れて、味わった感動が詰め込まれた〝等身大の情報〟だからこそツーリングマップルは価値があり、読者から愛され続ける地図帳になっているのだ。

ナビやスマホが台頭する現代でも、地図帳ならではの利便性は色褪せない。今後モバイル機器が今以上に普及しても、その利便性は失われないだろう。行程計画時には広範囲を見渡せる地図帳は活用度が高く、ナビや地図アプリなどと併用することで、バイクはもちろんのことクルマでも利用価値は高く、ツーリングがより雄大になるからだ。
つまり担当ライダーこそ、ツーリングマップルの核である。版元の昭文社はそんな彼らを東京・渋谷に集め、読者を招いてのトークショーを行った。昭文社広報によれば、大きなイベント内での併催はあったものの、ツーリングマップル単体でこうした集まりを開催するのは初めてとのこと。

イベントは飲食可能なライブスペースだったこともあり、ビールを片手に登壇した担当ライダーたちは終始和やかで、観客たちとの間に壁はなかった。そもそも「ツーリングマップル」を通じてバイク旅の楽しさを共感できる間柄でもある。トークショーというよりは、制作者と読者による〝ツーリングマップル愛好会〟という趣が強かった。

来春に発売予定の2018年度版はただいま編集作業進行中で、トークショーはそれらに使う予定の写真、つまり取材したばかりのネタを披露する趣向で行われた。

ツーリングマップル本誌に盛り込まれるネタ、盛り込みたいけどこぼれてしまうネタも含めて、どの担当ライダーも伝えたいネタが多すぎたのか、舞台進行は遅れがちだったものの最後はきっちりと合わせてきたあたりは、さすが経験豊富なツーリングライダーたちの〝旅するスキル〟を感じさせるものだった。

来年3月の2018年版発行に合わせて第2回開催も予定されており、即売も検討されている。ツーリングライダーのバイブルを携えて旅に出ようではないか。
前もって予定を立てるのはもちろん、地図上に書き込まれたコメントによって、旅先で次の日の天候などに合わせてルートを変更するのにも、ツーリングマップルは大いに役に立つ。名所や見晴らしの良い高台、気持ちの良いワインディングなどを見逃すこともない。
(2018年版予価:A5判¥1,800/B5判¥2,800(税別)写真は2017年度版ツーリングマップルの表紙)

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text:山下 剛/Takeshi Yamashita
1970年生まれ。東京都出身。新聞社写真部アルバイト、編集プロダクションを経てネコ・パブリッシングに入社。BMW BIKES、クラブマン編集部などで経験を積む。2011年マン島TT取材のために会社を辞め、現在はフリーランスライター&カメラマン。
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