第36回 輸入車試乗会2016 女性ジャーナリストの選んだクルマは?

毎年2月の初めに、JAIA(日本自動車輸入組合)が主宰するメディア向けの輸入車試乗会が開催されます。インポーター各社の取り扱う最新モデルが一堂に揃うため、”輸入車一気乗り”試乗会とも呼ばれています。

[aheadアーカイブス vol.160 2016年3月号]

Chapter
女性ジャーナリストの選んだクルマは?
吉田由美が選んだ2台
竹岡 圭の選んだ2台
まるも亜希子の選んだ2台
今井優杏の選んだ2台
藤島知子の選んだ2台

女性ジャーナリストの選んだクルマは?

各メディアがすべてのクルマに試乗できるわけではなく、ラインアップの中からあらかじめ希望を出し、希望が集中した場合には抽選などによって、当日試乗できるクルマが振り分けられます。マクラーレンやベントレーなどのクルマを女性はどう見るのか。本誌でおなじみの女性ジャーナリストに、試乗したクルマの中から気になったクルマについて聞いてみました。

吉田由美が選んだ2台

ベントレー コンチネンタルGT V8S & コンチネンタルGTスピードコンバーチブル

男性に比べると女性の方が色に敏感な気がします。孔雀のメスがオスの鮮やかな羽の色に惹かれるように、これは動物の本能ではないかと思うのです。一方男性は、容姿(フォルム)やスペックに興味が行く方が多いような…。

輸入車のボディカラーには、日本車とは違う、人を惹きつける色があります。色のバリエーションは同じようにあっても、色に深みがあるというか艶があるというか、奥行きがあるというか…。ボディカラーはクルマの表情や印象を変える、クルマの重要なアイテム。

今回、最も「素敵!」と思ったのが水色の「ベントレー コンチネンタルGT V8S」と紺色の「コンチネンタルGTスピードコンバーチブル」。一目で心を奪われました。車内を覗くとシートのステッチもボディカラーと同色でお洒落! 乗らなくてもオーラを放つ存在感…そんなところも輸入車の魅力ではないかと思います。

Bentley Continental GT SPEED Convertible

車両本体価格:¥29,200,000(税込)
全長×全幅×全高(㎜):4,820×1,945×1,390
車両重量: 2,530kg
定員:4人
エンジン:6.0リッター W12ツインターボチャージド
排気量:5,998cc
最高出力:467kW(635ps)/6,000rpm
最大トルク:820Nm(83.1kgm)/2,000rpm
最高速度:327㎞/h
0-100㎞/h加速:4.4秒 
駆動方式:全輪駆動

竹岡 圭の選んだ2台

マクラーレン 570S

マクラーレンMP4-12Cに初めて乗った時、超感動しちゃったんです。

「ムムッ? このドア、どうやって開けるんだ?」って、感じのスーパーカーだったので、かなり覚悟して走り出したのですが「なんなのっ! このスキーのウェーデルンみたいな動きは? 腰の位置はそのままに足だけ動いている感じで、曲がっていくけどロールしないじゃん! それにメチャクチャ乗り心地いいんだけど!」と、目から鱗が落ちるとはまさにこのこと。超衝撃を受けちゃったんですよね!

その衝撃を受けたのは私だけではなく、このマシンの登場でフェラーリだのランボルギーニだの、はたまたポルシェまで、その後のクルマの味付けを変えてきたらしい…というウワサがあるくらい。自動車業界にかなり影響を与えたということは間違いなさそうです。

実際、ウラカンなんかは「女子供でも乗れるランボルギーニ」なんて言われてるほどですからね。そして570Sは、そのイージードライブ感覚をさらに進化させたようで、ボディのサイズ感、乗り心地のしなやかさを合わせて、これなら確実にコンビニに行ける! と、思わせるほどの仕上がり。シザーズドアで乗り降りもラクチンです。かなり目立つけど…。

車両本体価格:¥25,560,000(税込0
全長×全幅×全高(㎜):4,530×2,095×1,202
車両重量: 1,313kg 
エンジン:3.8ℓV型8気筒ツインターボ
排気量:3,799cc
最高出力: 570ps(419kW)/7,500rpm
最大トルク:600Nm/5,000-6,500rpm
最高速度:328㎞/h 
0-100㎞/h加速:3.2秒
駆動方式:MR

ランドローバー レンジローバー・スポーツ SVR

グオ~ッ、グオ~ッ! かつて、こんな音を響かせながら疾走するSUVあったでしょうか? アクセルをちょっと踏み込むと、響き渡る咆哮。V8スーパーチャージャーエンジンは、SUVらしく低回転域からのトルクも素晴らしくて、もうそこら中のものを押し分けていくような加速感!

いいのか、コレ? というような存在感ですが、よく考えてみれば、すでにG65AMGなんていうモデルもあることですし、ジャガーからも、ベントレーからも、なんとランボルギーニからもSUVがリリースされる時代。世界のどこかでニーズがあるということなのでしょう。

でもね、ジャジャ馬かというと、そうではありません。やはりそこは英国王室御用達のランドローバーですから、特にオフロードモードになると、他のレンジローバースポーツ同様の模範優等生になるんだそうです。

見た目もさほどクルマに興味がない人にとっては、単なるレンジローバースポーツに見えるでしょうし、ご近所の目をごまかすにはいい存在なのかもしれませんね。

でも、インテリアも他のレンジローバーのラグジュアリーな感じに比べると、かなりスポーティ度が高い味わいなので、これはやっぱり男の子向けかな?

車両本体価格:¥16,050,000(税込)
全長×全幅×全高(㎜):4,880×1,985×1,800
車両重量: 2,335kg 定員:5人
エンジン:5.0ℓV型8気筒 スーパーチャージャー
排気量:4,999cc
最高出力:405kW(550ps)
最大トルク:680Nm(69.3kgm)/3,500-4,000rpm
JC08モード燃費:7.3㎞/ℓ
駆動方式:4輪駆動

まるも亜希子の選んだ2台

アルファ ロメオ 4Cスパイダー

数多あるオープンスポーツカーの中で、やっぱり私がトキメクのはこのタイプなんだと、あらためて実感させられた。路上に佇んでいるその姿を見ただけで、ズキュンとハートを撃ち抜く威力のあるデザイン。走り出してから昂揚するんじゃなくて、ボディに触れる前からドキドキさせてくれるのがいい。

アルファロメオは、半世紀も前からスパイダーと名のつくモデルを世に出し、その類い稀なる美しさは代々受け継がれてきた。その血を引いているのだから、この4Cスパイダーの美しさには重みがある。そんなプライドみたいなものが、小柄なボディに似合わない存在感を与えているのかもしれない。

優雅な時間を期待してシートに収まれば、容赦なくタイトでスポーツテイスト満載のキャビンに背筋がピリリ。エンジンをかければ、甘いささやきなど微塵もなくブオオンッと轟音が空気を切り裂く。理性をわきまえた風な近ごろのスポーツカーとはまるで違う、完全に肉食系のガテンな走りを見せつけられる。

でも、そのギャップがたまらない、なんて思わせるところがアルファロメオの成せる技。いつかこれが似合う女になりたい、手足のように操れるようになりたいと、新たな目標をくれるクルマでもあった。

車両本体価格:¥8,618,400(税込)
全長×全幅×全高(㎜):3,990×1,870×1,190
車両重量: 1,060kg
定員:2人
エンジン:直列4気筒 DOHC 16バルブ インタークーラー付ターボ 
排気量:1,742cc
最高出力:177kW(240ps)/6,000rpm
最大トルク:350Nm(35.7kgm)/2,100-4,000rpm
JC08モード燃費:12.1㎞/ℓ 
駆動方式:後輪駆動

BMW ミニ クラブマン

容姿が飛び抜けてイイ女は、どうせ家事が苦手なんだろ、と思われているのと同じように、キュートで個性的なミニは、どうせ実用性が犠牲になってるんでしょ、と思われがち。そんなミニの中で、ちゃんと荷物も積めるし後席の乗り降りもラクだよ、と実用性の高さをアピールしてきたモデルがクラブマンだと思っている。

それが約7年ぶりのフルモデルチェンジで新型にスイッチ。トレードマークの観音開きバックドアはそのままに、4ドアでのスムーズな乗り降りと、足元が広くゆったりできる後席、フラットで使いやすい大容量のラゲッジと、実用性がもっともっと磨かれていて感心した。

そして走らせてみると、よく「ゴーカート感覚」なんて揶揄されるミニ独特の元気さ、軽快感はしっかり健在。インパネの真ん中にドーンと置かれた丸いメーターは、ナビ画面も兼ねていてオシャレで見やすい。いつの間にか、ウキウキして走っている自分に気づいた。

チャイルドシートに子どもを座らせて、大荷物を持って出かける毎日はシンドイこともあるけれど、その相棒がもしもクラブマンだったら。そう想像するだけで、なんだか楽しい気分になってくる。これは勝手に、隠れママサポートカーに認定したい。

車両本体価格:¥3,840,000(COOPER S /8AT、税込)
全長×全幅×全高(㎜):4,270×1,800×1,470
定員:5人
エンジン:2.0ℓ直列4気筒MINIツインパワー・ターボ
排気量:1,998cc
最高出力:141kW(192ps)/5,000rpm
最大トルク:280Nm/1.250-4,600rpm
駆動方式:前輪駆動

今井優杏の選んだ2台

DS3 カブリオ

乗った瞬間に「うわは!」と感激したDS3カブリオ。パワートレーンが3気筒の1.2リッターターボチャージャー×6ATに変わったというから、まあちょっと乗っとくかと軽い気持ちで試乗したら、悶絶ものの気持ちよさ。

フランス人は運転が荒いというのはもはや定説なのだけど(特に凱旋門のランナバウトのオラオラぶりったら!)、そんな血気盛んなフレンチ・ガイズたちをも力ずくで納得させるパワフルな加速、ぎゅいん! と効いてくるターボチャージャーのガツンガツンな肉食フィール!

1.2リッターの超ダウンサイジングエンジンだということを微塵も感じさせない貪欲なトルクです。これはぽってりと丸っこいシルエットを持ちながら、DSならではの辛口風味なエッジを効かせたエクステリア&インテリアからは辛くも想像できなかったもの。

そしてそれを受け止める、ねっとりと粘るフレンチらしいアシがまた心地よいのですよ。コーナリングはおろか、塗装が荒れたような場所でも、路面を掴む掴む。なのにキャビンはフラットなままで、ああここにネオ・フレンチの王道極まれり! しかもルーフまでオープンに出来ちゃうロマンチックさまで兼ね備えているのでした。

車両本体価格:¥3,040,000(Chic、税込)
全長×全幅×全高(㎜):3,965×1,715×1,460
車両重量: 1,200kg
定員:5人
エンジン:ターボチャージャー付直列3気筒 DOHC
排気量:1,199cc
最高出力:81kW(110ps)/5,500rpm
最大トルク:205Nm(20.9kgm)/1,500rpm
JC08モード燃費:19.8㎞/ℓ
駆動方式:前輪駆動

メルセデスベンツ C220d ステーションワゴン スポーツ

スタイリッシュで実用的。それでいてインテリアも美しく、セーフティーもバッチリと、何拍子も揃っているC220dステーションワゴン。セグメントを越えたゴージャスさを備え、何回乗っても「ああ、欲しい!」ってなっちゃうくらいに大好きな一台です。

とにかくこのディーゼルエンジンの踏み心地がいい。滑らかかつ、きめ細やかなトルクの盛り上がりは、ドライバーの意志を鏡のように映しだすと言ってもいいくらい、リニアリティーに優れたもの。あんまり思い通りになるものだから、ワインディングでのドライブではセクシーな気分すら味わわせてくれる。

メルセデス・ベンツには剛健なイメージがあるかもしれませんが、このディーゼルはそんなドラマチックさをも持ちあわせている、センシュアルなエンジンだと感じています。

さらに、使い勝手をも網羅するのがステーションワゴンのいいところ。趣味の多い私ですから、広い荷室は大きな魅力です。自転車やサーフボードにウエットスーツはもちろんのこと、登山用品もばかすか積み込める積載量を誇りますし、もちろんゴルフバッグだって、ぽいっと放り込める。それがこのボディサイズで実現するなんて、優等生すぎ!

車両本体価格:¥6,410,000(税込)
全長×全幅×全高(㎜):4,730×1,810×1,450
車両重量: 1,750kg
定員:5人
エンジン:DOHC直列4気筒ターボチャージャー
排気量:2,142cc
最高出力:125kW(170ps)/3,000-4,200rpm
最大トルク:400Nm(40.8kgm)/1,400-2,800rpm
JC08モード燃費:19.6㎞/ℓ
駆動方式:後輪駆動

藤島知子の選んだ2台

テスラ モデルS P85D

「いま、最もモテる高級車は何か?」と聞かれたら、私は電気自動車の「テスラ モデルS」だと答えるだろう。排出ガスを出さない電気自動車は環境負荷が少ない乗り物として認識されているが、テスラが提案する作品はモーター駆動ならではの力強い加速フィールがインパクトを与える。

中でも、「モデルS P85D」と呼ばれる仕様は、車両の前後に2つのモーターを搭載した4輪駆動のモデル。0-100㎞/h加速は驚異の3.3秒!? スーパーカーも真っ青の圧倒的なパフォーマンスを誇る。日本では最高時速の250㎞/hを試すのは難しいが、スタートダッシュだけでもその凄さはすぐに体感できる。

普通に走り出せば、静寂に包まれながら滑らかな足取りで動き出すのだが、いざアクセルペダルを奥まで踏み込むと、ドーンッという強烈な加速Gとともに身体がシートに押しつけられる。まるでワープしたかのような強烈な感覚は、これまでのクルマでは体感したことがなかったもの。

非日常感満点のモデルSは高い次元の操縦安定性を備えたドライブフィール、高級車としての美しい佇まい、17インチのタッチスクリーンを大胆に用いたインターフェイスなど、未来と向き合う感覚が新鮮さと驚きに満ちている。

車両本体価格:¥13,690,000(税込)
全長×全幅×全高(㎜):4,970×1,954×1,440
車両重量: 2,190kg
定員:5人
最高出力(フロント/リヤ):193kW/375kW
最大トルク(フロント/リヤ):330Nm/330Nm
最大航続距離(NEDC):491㎞
0-100㎞/h加速:3.3秒
最高速度:250㎞/h
駆動方式:AWD

ベントレー コンチネンタル GT V8 S

今年のJAIAで心を揺さぶられたのは、ベントレー「コンチネンタルGT V8 S」。

理由は二つあって、一つは「ジェットストリーム」という空色のカラーがあまりにステキだったから。コンチネンタルGTがもつ、威厳ある堂々とした風格に爽やかな空色という意外性。何よりも派手に成り下がらないのは、生まれながらの品性が備わっているから。

そして、もう一つの理由は、どこまでもジェントルな走りで魅了してくれたこと。低速で流している時は、アクセルペダルに力を込めた以上に車速を上げるようなことはなく、ドライバーの感覚以上にクルマが出過ぎることはない。

その一方で、踏み込むと528psもの力を秘めたV8 4ℓツインターボエンジンが力を漲らせるが、2t以上ある巨体で悠々とクルージングしていく。加速する課程のフィーリングはじつに奥ゆかしく、どこまでもジェントル。日ごろはエレガントに振る舞い、時として自らが敵に立ち向かう英国貴族の美学を思わせる。

隅々までクラフトマンシップが息づく作り込みが施されたベントレーには、男性が手にすることで光る魅力が備わっているのではないだろうか。女性が踏み込めない「聖域」に緊張感を感じさせるあたりがたまらない。

車両本体価格:¥23,100,000(税込)
全長×全幅×全高(㎜):4,820×1,945×1,400
車両重量: 2,380kg
定員:4人
エンジン:4.0リッターV8ツインターボチャージド
排気量:3,992cc
最高出力:389kW(528ps)/6,000rpm
最大トルク:680Nm(69.3kgm)/1,700rpm
最高速度:309㎞/h
0-100㎞/h加速:4.5秒
駆動方式:全輪駆動