オンナにとってクルマとは Vol.16 クルマ、好きなんです

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ゼッタイに盛り上げなきゃと、自動車業界に身を置く立場として奮闘したつもりの第42回東京モーターショーが終わった。84万2600人という盛況ぶりは、ただただ、心から嬉しい。私自身、同乗試乗会のドライバーやガイドツアーのインストラクターとして、たくさんの来場者と触れ合うことができたが、その反応からほとんどの人が熱心に興味を持ってくれていると実感した。だからこそ、余計に嬉しい。

text:まるも亜希子 [aheadアーカイブス vol.110 2012年1月号]
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Vol.16 クルマ、好きなんです

Vol.16 クルマ、好きなんです

家族連れをはじめ、女性の来場者ともたくさん会えた。中には女性同士のグループや、1人で来場したという女性もいて驚いた。みな、20代から30代前半といったところだろうか。訪れた理由を聞けば、口を揃えて「クルマ、好きなんです」と言うのでまた驚いた。

全員の住まいを聞いたわけではないが、やはり東京在住が多く、「(駐車場代などが高くて)自分のクルマを持てないので、普段は乗りたくても乗れないんです。だから、思い切って来ちゃいました」(同乗試乗会でメルセデス・ベンツSLKに同乗してくれた女性談)。

近頃はこういう女性に出会うとカーシェアリングの利用を薦めているが、彼女たちに真のカーライフを楽しんでもらうためには、もっと行政を含めた根本的な改革が必要だと改めて感じた。

ガイドツアー参加者を引き連れて会場を練り歩いていると、女性の食いつきがいいモデルがだんだん絞られてくる。今回、盛況の牽引役はトヨタ・86だったと思うが、女性たちから最も感嘆の声があがったのは 日産のEVコンセプトカー、ピボ3だ。ボタンを押すと勝手に車庫まで帰ってくれるという、躾のいいペットみたいな機能がツボらしい。

そして次に人気だったのは、三菱アイミーブを電源とした暮らしを提案したミーブハウス。部屋の隅にチョコンとたたずむアイミーブが可愛く、非接触充電だから見苦しいコードがないのもスマートでいいと言う。さらに、外観で人気なのはマツダの雄(TAKERI)だった。あの美しいデザインは、女性の感性にも響くのだということがわかった。

こうして考えると、女性がクルマに求めるものは、自分の暮らしに「あったらいいな」と思える新しさ、美しさ、頼れる存在としての要素だ。そして女性の方が、急激に変化していく今のクルマに肯定的で、すぐに受け容れられるのだと感じた。

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まるも亜希子/Akiko Marumo
エンスー系自動車雑誌『Tipo』の編集者を経て、カーライフジャーナリストとして独立。ファミリーや女性に対するクルマの魅力解説には定評があり、雑誌やWeb、トークショーなど幅広い分野で活躍中。国際ラリーや国内耐久レースなどモータースポーツにも参戦している。
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