ポルトフィーノは、フェラーリV8・2+2モデルの系譜を受け継いだのか?

フェラーリ ポルトフィーノ

しかし1950年代初頭には、リアシートを求める顧客のリクエストに応じて「トゥーリング・スーペルレッジェーラ」や「ギア」、「ヴィニャーレ」などのカロッツェリアが、V型12気筒エンジンを2+2ボディに搭載した事例が数多くあり、1960年には正式なカタログモデルとして、ピニンファリーナ製の「250GTE2+2」が登場することになる。

そして現代の「GTC4ルッソ」に至るまで、2+2モデルがフェラーリ製グラントゥリズモ(GT)の最上級モデルとして君臨してきたのは紛れもない事実である。

フェラーリ ポルトフィーノ

しかしフェラーリの新星「ポルトフィーノ」の源流として挙げるべきは、やはりV8エンジンを搭載した2+2モデルと言わねばなるまい。

自動車史に残るスポーツカーの傑作「ディーノ246GT」の後継車として1973年に登場したミッドシップのV8・2+2スポーツカー「ディーノ308GT4」は、エンツォ・フェラーリの長子の名に因んだ「ディーノ」ブランドでのデビューとなった(のちに「フェラーリ308GT4」に変更)が、これがV8・2+2フェラーリの開祖であることは間違いない。

また1980年には、308GT4時代のカロッツェリア・ベルトーネ製ボディから、フェラーリの王道、ピニンファリーナ製ボディへと衣替えした「モンディアル8」にフルモデルチェンジ。以降、エンジンの排気量拡大や搭載レイアウトの変更などの大規模な改良や、カブリオレボディの追加などを受けつつ1993年まで生産された。

カリフォルニアが「V8エンジンを搭載した2+2モデル」の系譜を復活させた

そして2008年、長らく途絶えていたV8・2+2フェラーリの系譜を復活させることになったのが「カリフォルニア」。V8エンジンをフロントに搭載する2+2シーターのGTという、フェラーリとしては初めてのモデル。

また電動リトラクタブル式ハードトップを備えて「クーペ・スパイダー」と銘打つとともに、直噴ヘッドやツインクラッチ式7速シーケンシャルトランスミッションなど、現代のフェラーリに導入されている新機軸を一気に盛り込んだ、ある意味試験的なモデルでもあった。

さらに2014年には、現代のダウンサイジング・トレンドに従って、直噴V8エンジンを3.9リッターまで縮小するとともにツインターボ化した「カリフォルニアT」へと進化を果たしたことは、まだ記憶に新しいと思われる。

フェラーリ ポルトフィーノ

スポーツカー専業メーカーとして世界最高のプレステージを誇るフェラーリの中にあって、エントリーモデルとして45年の歴史を綴ってきたV8・2+2モデル。最新版であるポルトフィーノが、その栄光の系譜に相応しいモデルであるか否かは、間もなく判明することであろう。


武田公実|Takeda Hiromi

かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッドで営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、クラシックカー専門店などで勤務ののち、自動車ライターおよびイタリア語翻訳者として活動。また「東京コンクール・デレガンス」、「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントにも参画したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム」ではキュレーションを担当している。

イタリアの高級リゾートを感じる、フェラーリ ポルトフィーノが登場

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