車好きならいまさら聞けない…馬力の話。480馬力なら馬480頭分?

クルマの性能をはかる重要なワード、馬力…

ホンダ NSX2016

280馬力自主規制が撤廃されてから、NSX、GT-Rといった新型スーパースポーツが発表されるたびに、最高出力=馬力に注目してしまいますよね。実際どこまで出力を上げてくるのか、クルマ好きにとっては、そこにロマンがあるわけです。と同時に、馬力はその車の性能を計る、ひとつの基準にもなります。

たとえば新型NSXは、欧州仕様で最高出力がシステム合算で581馬力です。すると、馬581頭分の力がある…という話になるのですが、馬1頭分の力がわからないですよね?

とうの馬だって、牧場で触れ合える愛くるしいポニーから、サラブレッド、農耕馬まで、さまざまな種類がいます。もし仮に出力計算をするならば、前者と後者ではそれこそ大きな差があるといえます。

この馬力の由来は、どこにあるのでしょうか?

馬力の語源とは?

馬力 馬

時代は18世紀にイギリスにさかのぼります。エンジニアのジェームス・ワット氏が蒸気機関を改良、高効率な仕事をできるものにブラッシュアップさせました。これはイギリスの産業革命に大いに寄与したといわれています。

ワット氏は、同時にこうしたエンジン個体の性能を数値で表せる単位が必要と考えました。そこで、馬に荷物を引かせ、33,000ポンド(約15t)の荷物を1分間に1フィート(約30cm)引ける能力を根拠とし、「1秒間につき550ポンド(lbf)を1フィート(ft)動かすときの仕事率(550 lbf·ft/s)」として、1馬力と定めたとされています。ちなみに550ポンドは、キロ換算249,476kgとなります。

このワット氏が提唱した計算式で求められた馬力は、「HP=horse power」として表記されます。なるほど…と思う一方で、現在、馬力を示す表記はPSです。

この表記の違いには、どんな意味があるのでしょうか?

「PS」と「HP」の違いとは?

イギリスにおける馬力は前述の通りであり、HPと表記されます。では同じ馬力を示す表記で、PSが存在するのは、いったいなぜなのか。

ワット氏が提唱した馬力は”英馬力”と呼ばれています。それとは別に”仏馬力”というものが存在していたのです。

これはフランス発祥のメートル法を用いて、英馬力に近づけつつ極力簡素な計算式で示したものとされています。その計算式は「1秒間に75キログラム(kgf)の重量を1メートル動かすときの仕事率(75 kgf·m/s)」となります。

これにより、1仏馬力=約0.986英馬力となり、若干英馬力より仏馬力のほうが数値が低くなります。

PSの由来としては、ドイツ語のpferde(馬) starke(力)の頭文字となっています。フランス語じゃないの?と不思議な気分ですね。

ちなみに1999年以降、日本ではこの仏馬力(PS)を単位として使っています。たしかにこの単位のほうが日本人にとっては馴染みやすいし、わかりやすいですよね。

国によって馬力単位が違っていた!?

日本や欧州では、「仏馬力=PS」を使っています。しかしアメリカでは「英馬力=HP」の表記を使用。単位の基準を見て見ると、お国柄も関係してくるんだな、と納得できるのではないでしょうか。

しかし国によって出力の単位が違う=数値が違うというのは、あまり望ましいことではありません。

そんな事情から最近では国際規格の単位で表記することになったため、最高出力は”kW”で表記されていると思います。しかしまだまだ馴染みが薄いため、”PS”馬力と併記されている例が多いです。

いずれにせよ、今後、馬力という表現は徐々になくなっていくのかもしれません。とはいえ、当分は馬力数値も併記されていくことでしょう。歴史と文化のある単位といえますからね。

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