車の可変式リアウイングは何が良いのか?そのメリット・デメリット

リアウイングの効果がある=抵抗

911GT3

時速100km/hでリアウイングが効果を発揮するケースを考えてみましょう。ダウンフォースとして車体を押し付ける力が発揮されるのが、時速100km/hということです。

100km/hに達するまでは、わずかながら効果はあるものの、ダウンフォースとしての効果は薄い、ということになります。すなわちリアウイングが空気抵抗になっていることを意味します。空気抵抗は加速を鈍らせると共に燃費に対してはメリットがありません。

また、ダウンフォースが欲しいのは、おおむねコーナリング時です。直線走行中は数トンある車には、ダウンフォースが必要な状況は中々ありません。

デザイン面は?

Audi TT

ランサーエボリューションやWRXなどの大きなリアウイングが特徴的なスポーツカーが存在します。一方、このスポイラーが付いていないほうが、美しいラインの車もあります。

例えば、アウディTTなどは。リフトバックスタイルのリアは、ルーフから流れるようなラインを描いてリッドを造形しリアバンパーへとつながります。このなだらかな美しい曲線にリアウイングが付いているとどうでしょう?レーシングカーであればよいかもしれませんが、スペシャリティクーペとしてはやはりスポイラーが無いほうが美しいラインと言えますね。

同じようにリアスタイルが流麗で美しい車種と言うのはいくつか存在しますが、多くの場合、このようなクルマにはスポイラーなどは付けたくないものです。

可変式リアウイングの搭載

通常走行時に空気抵抗を減らし、美しいデザインをそのままに。高速走行時のダウンフォースが必要なシーンでは、ウイングとしての効果を発揮する…それが可変式のリアウイングです。

また、ウイングが無いことによる後方視界の確保も可能になります。どうしてもリアウイングはトランクなどの上につける都合上、バックする際などの視界に入ってしまい邪魔になる事も。しかし、このタイプのウイングであれば、低速走行となるバック時には収納されるので邪魔になりませんね。

中には、手動でウイングの昇降ができるタイプのものも。速度があまり高くなくても、少し安定感がないときには自らウイングを出すことも可能です。

問題が一つあるとすれば、電動式でモーターなどの重量物が増えることや、故障した場合に動かなくなること、その修理費用が高いことでしょうか。最近のモーターは、小型軽量化されてきているので、重さが気にならなくなるのも時間の問題かもしれませんね。

可変ウイングは最新テクノロジー?

Huayra

このような簡単な可変ウイングもありますが、パガーニ・ウアイラのように車全体が可変ウイングによって制御されている車もあります。あまり一般的な車ではないのも事実ですが、ウアイラのようにダウンフォースだけでなく、空気抵抗を利用してブレーキ力を増したり、コーナリング時の安定感を求めるのは、もはや自動車と言うより航空機。

ここまで風の力を味方にできれば、走りへの影響も非常に大きいでしょう。ちなみに、Horacio Pagani(オラチオ・パガーニ)氏がウアイラに可変ウイングを取り入れたのは、その美しいデザインを崩すことなく高いスタビリティを備えた車を作りたかったから、とのこと。

可変ウイングはF1にも採用されています。オーバーテイクスイッチを押すと、リアウイングが水平になって空気抵抗が減るようになっています。そのF1は、最大で2Gのダウンフォースを受けて走るのだそうです。故にリアウイングが水平になれば、その加速力は大きく増大する事でしょう。

可変リアウイングの中には、時速110km/h以上で自動的に上昇するものもあり、日本国内の公道走行の範囲では自動で上昇しないものもあります。とはいえ、手動でコントロールできるので、少しコーナーが多い高速道路などはうまく活用すると走りが安定するかもしれませんね。

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