なぜ昔は「つり革」が付いている車があったのか?現代の車の「つり革」は?

車に「つり革」ってどういうこと?

30~40歳代の年代の方は見たこともある方も多いかと思いますが、今の若い方たちは知らないかもしれません。「車」と「つり革」、バスならともかく、個人所有の普通車には縁がないもの同士のように思えますが、時々そのつり革が車についている事があります。装着されている箇所はリアバンパー、車内側のドア上部など色々です。

それでは、そのつり革が付いている理由と目的は何なのでしょうか。主な理由と目的を簡単に見てみましょう。

リアバンパー下部のつり革

こちらは元々、車の余計な電気を逃がすためにゴム皮などを使ったアースを装着していたのが起こりと考えられます。今はほとんど見る事もないかと思いますが、昔は黒いベルト状のゴムをぶら下げて走っている車をよく見かけました。しかし、その本来の目的とは違い、ドレスアップ目的でつり革を装着する車がいつしか現れたのです。

事の始まりは、昭和55年ごろの「街角レーサー」なる人達と言われています。厳密には違うかもしれませんが、いわゆる族車と言われるような違法改造車に装着されていました。つり革を付け、カラコロ言わせて「これだけ車高低くしたぜ!」とアピールしたり、本物のつり革を盗んできて装着しては「すげえだろ」と犯罪自慢をしたりしたそう。今の時代にはちょっと理解しがたい世界が当時はあったようです。

そんな理由なので、形も普通の丸いつり革から、握り手部分がハート形になったり、完全にドレスアップ扱いとなっていきました。80年代を過ぎると今度はつり革が小さいバケツに代わったりもしたものです。

ハコ乗り時の落下防止用つり革

こちらも前述のような族車の為の装備になります。しっかり掴まるためのアシストグリップの枠割を果たすという点では、ある意味正しい使い方なのですが、問題なのはそれがハコ乗りの為の落下防止用と言う事です。こちらも若い方たちにしてみれば「ハコ乗り???」という感じかと思いますので簡単に説明をさせていただきます。

ハコ乗りとは、暴走族などが窓から体を乗り出して乗るスタイルのことです。なぜ、そんな事をするのかというと、体を乗り出して、族やチームの旗などを振り回したり、大声を発して周りを威嚇したりするためです。1985年以前は罰則付きのシートベルト装着義務等も無かった時代ですので、今と少々事情は異なりますが、少なくとも今となっては立派な道交法違反ですのでやったら警察に捕まります。

乗車補助の為のつり革

それでは最後に正しい使われ方をしている車のつり革をご紹介します。前述のつり革のご紹介の後であまりにもギャップがありますが、こちらは車の乗降に不自由を感じる方たちの為の素晴らしいつり革です。

そのつり革は、主にお年寄りや妊婦さん、手足が不自由な方などの為に装備されるつり革タイプのグリップ。助手席や後部座席などのアシストグリップ部に装着され、グリップに体重を掛けてしっかりと掴まって乗降する事を可能にするアイテムです。画像は、日産デイズに装着されている「つり革グリップ」と呼ばれるもの。腰や膝の痛みなどで乗り降りに不便を感じている方や乗車時に高くまで腕が上がらない方などをサポートします。

こちらは前述のよろしくない使われ方のアシストグリップと同じような方法で取り付けらてれますが、それとは目的が違い、必要な方の為のきちんとした目的のつり革です。日産の「つり革グリップ」のようなタイプの他に、車に標準装着されているアシストグリップにフックなどで引っ掛けるタイプなどもあります。

以上、つり革が車についている理由をご紹介しました。乗車補助目的以外のつり革は基本的にドレスアップ目的と言う事ですね。もし、リアバンパーなどにつり革を付けたい方がいたら、あくまでも保安基準適合する範囲で装着しましょう。

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