見た目が紛らわしい?Nシステムとオービスの違いとは?

Nシステム

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道路を走行する車両の速度違反を自動的に取り締まるための装置「オービス」は皆さんご存じかと思います。そして、大きさ等は違うものの、よく知らない人からするとオービスと間違えてしまう「Nシステム」。この2つの装置はそれぞれどういう機能や役割があるのでしょうか?
Chapter
Nシステムとは?
オービスとは?
オービスの種類と特徴
オービスとNシステムの違い

Nシステムとは?

各地の道路に設置されている「Nシステム」という名は通称で、正しくは「自動車ナンバー自動読み取り装置」です。

また、「車両捜査支援システム」、「初動捜査支援システム」、「車両ナンバー捜査支援システム」、「緊急配備支援システム」などと呼ばれることもあるようです。「Nシステム」の「N」は、Numberの頭文字Nから取られています。

「Nシステム」は、警察が道路上に設置し、走行中の自動車のナンバープレートを自動的に読み取るシステムです。現場から逃走した容疑車両、盗難車両等を速やかに発見し、犯人の検挙をするために整備されました。

1980年代後半に科学警察研究所とNECが合同で開発。実用第1号は、1987年に国道14号(東京都江戸川区新堀付近)に設置されました。

Nシステムを通過した車両は、すべて自動で記録され、警察の手配車両リストと照合。手配車両もしくは近しいものであることが判明すると、同時に車種・所有者・メーカーなどが割り出され、関係部署に伝達されます。

速度違反取締装置ではないので、「Nシステム」で撮影した画像が速度違反の検挙に使われることはないようです。

オービスとは?

オービスとは、走行車両の速度違反を自動的に取り締まるための装置です。ラテン語で眼を意味する「オービス(ORBIS)」は、アメリカのボーイング社で開発され商標もボーイング社にあります。

したがって、「オービス」を自動速度違反取締装置全般の呼称として使用するのは正しくはありませんが、商標の普通名称化により、他社の製品を含む速度違反取締装置全般の通称として使用されることが多くなりました。

「オービス」は主要幹線道路や、高速道路などに多く設置され、制限速度を大幅に超過した車両を検知すると、速度を記録すると同時に、カメラ部分でナンバープレートと運転者を撮影します。

通常、赤切符レベルの速度超過を取締対象としており、撮影の瞬間には赤色のストロボが発光することが多くなっています。

オービスの種類と特徴

「オービス」にはいくつかの種類があり、その種類によってカメラ等の取り付け位置や形状などが異なっています。以下、過去も含め、主なな種類と特徴を記載します。

【レーダー式】
ドップラー・レーダーを利用して車両の速度を測定する方式。電波を車両に照射し、反射した電波の周波数から速度を計測します。雨天時や車間距離が近い場合には反射波がうまく受信されずに誤測定されたり、デジタルカメラ化が予算の都合上遅れたりということもあり、現在は姿を消しつつあります。

【ループコイル式】
道路下にループコイルと言われるものを6.9m間隔で3個埋め込み、その上を車両が通過した際に、車両の通過時間と距離から速度を割り出します。積雪が磁気遮蔽となりうまく撮影されないことがあるため、積雪が多い地域ではあまり設置されていません。

【Hシステム】
現在、最も多く設置されている取締装置で、レーダーによる測定が行われます。撮影されたデータは、通信回線を通じて管理センターに伝送されます。

【LHシステム】
1994年から登場し、「ループコイル式Hシステム」といいます。Hシステムは速度計測にレーダーを使っていたのに対し、LHシステムはループコイル式と同様に道路に埋め込まれたループコイルを使用します。

【移動式(光電管式)】
ループコイルの代わりに光源と光電管装置を設置し、車両が通過する時間を測定します。移動式の取締等で多く使われるようになっています。

オービスとNシステムの違い

もうお分かりかと思いますが、「オービス」と「Nシステム」は、使用目的がまったく異なっています。「オービス」が速度違反を取り締まる機能に特化しているのに対し、「Nシステム」は犯罪捜査のための機能に特化しているわけです。また、「オービス」は速度を超過しない限り作動しませんが、「Nシステム」は通過する全車両が自動的に撮影されているといった違いがあります。

どちらにしても、交通違反や犯罪を犯さない限りは運転者にとって何も不都合はないはずですので、皆さんも両システムのご厄介になるようなことがないようにしましょうね。
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