ドイツの運転免許証の有効期限が長いのはメリットだけではなかった

運転免許証

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2013年1月にEU基準での改正となるまでは、ドイツの免許証は更新なし、無期限使えるものだったそうです。改正後にいたっても、15年の期限といいますから、数年に一度更新している私達日本人からするとちょっと考えにくい制度なのですが、どういった事情があったのでしょうか。今回は免許の更新制度について考えてみましょう。
Chapter
ドイツの運転免許証の期限は15年
長期間の更新がないことによる弊害
定期的な免許更新による安全性の担保
欧州でも免許制度刷新の動き
現在の自分の身体能力を認識し、公道へ

ドイツの運転免許証の期限は15年

ガソリン自動車を生み出し、アウトバーンの自動車先進国、ドイツはひと昔前までは運転免許の有効期限は無期限でした。2013年にEU基準に準拠するため、15年間の有効期限と変更になったわけです。また日本の免許証を持っている人は、無試験でドイツの免許証に書き換えることができ、一度取得すれば、15年間、使える事になります。しかし免許を教習所で取得するとなると、なかなかシビアなようです。

日本同様、教習所にて教官のもとで運転技術・交通ルールなどの知識を学び、実技試験と筆記試験に合格するのが条件であり、この辺は日本の制度と同様ですね。しかし、ここからが違います。敷地内で練習するわけではなく、「いきなり」路上講習となります。日本ではちょっと無理ですよね(汗)。いきなり公道を走り出し、そして実技試験で「3回不合格になると永久に受験資格を失う」、つまりは「一生免許証を手にすることができなくなる」そうです。これは本当にシビアな制度…。

免許証の取得は17歳から可能、但し18歳になるまでは、30歳以上5年以上の運転経験のベテランドライバーが同乗することが義務付けられるそうで、日本の「仮免許」のような状況を指します。

長期間の更新がないことによる弊害

若いころ、免許証を取った方、視力の低下で免許条件に「眼鏡等」と印字された方、多数いるんじゃないでしょうか。このように、長期間経過すると人間の肉体の機能は低下していきます。日本の制度は最長5年に一度ですから、以前からの肉体状態の変化を定期的に確認できている、といえます。

また70歳以上の人は高齢者講習と教習を受ける必要があり、講習と教習を通過することができなければ、免許を返納しなければなりません。また70歳以上の方は3年ごとの免許更新を求められることになります。

免許が終身有効だったドイツでは、免許証の更新も身体検査等もゼロだった為、高齢者ドライバーの運転適正のチェックができていなかったといえます。それ故に高齢者の事故も、かなり起こっている事実があるようで、ドイツ内の自治体では、高齢者ドライバーに対して、「運転免許証を自治体に自主返還したドライバーには、市バスの年間フリーパスを無料進呈」という制度を行ったといわれています。

定期的な免許更新による安全性の担保

自動車免許取得に関して年齢上限を設けている国はほとんどありません。実は日本もドイツ同様に前述のような高齢者講習や更新期間の短縮、といった施策を行っています。高齢化だけでなく、視力、聴力、また疾病や受傷に起因する身体機能の低下というのは、年齢問わず起こりうる事です。

そう考えると、やはり定期的な免許の更新制度で免許取得に耐えうる身体状況なのかチェックというのは、必要不可欠であると考えます。

欧州でも免許制度刷新の動き

現在ヨーロッパ各国においても、高齢者の運転に関して制限を設けようとする動きが活発になってきているといわれています。こうした事情は国を問わず、といったところです。おおらかなクルマ文化というのも魅力ですが、安全は何物にも代えがたいものがあります。

そういった意味では、日本の免許制度をEU諸国に参考にして貰ってもよいのではないかな、と思ってしまいますね。

現在の自分の身体能力を認識し、公道へ

いかがだったでしょうか。一見羨ましいな、と思ってしまうドイツの「更新なし」免許制度でしたが、こうして紐解いてみると、それなりに弊害となってしまう部分も多い事がわかりました。私達も5年に一度の方から数年に一度(筆者もです…)免許の更新を行うわけですが、それは生真面目な日本の国柄が出ている…といえそうですね。いずれにせよ、現在の自分の身体能力を認識したうえで公道に出る事は非常に大切であるといえるでしょう。

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