7年の長寿モデル。プリウスαって、プリウスとどう違うの?

現場の声を直接反映したクルマ

トヨタ プリウスα

3代目プリウスが登場した当時は、ミニバンブーム全盛期。そんな中、売りに行かなくても売れていく3代目プリウスは営業現場としては奇跡のクルマであり、「これでミニバンのプリウスが販売されたら最高だな」という声が頻出していました。

プリウスαは、そんな現場の声を吸い上げた、売りやすいクルマとして、東日本大震災により販売が延期された2011年5月にデビューしました。

ミニバンでありステーションワゴン

トヨタ プリウスα 2014

プリウスをセダンとして区分するトヨタは、プリウスαをミニバンとしてカテゴライズしています。しかしながら、5人乗りの2列シートをラインナップするプリウスαはステーションワゴンとしての顔も持ち合わせています。

プリウスがセダンでありながら3ボックスの形を取らずに、キャビンとトランクをつなげるデザインをとり、プリウスαがミニバンでありながら5人乗りをラインナップしたことは、「プリウス」という独自のカテゴリーの創設に一役買っています。

プリウスに搭載されなかった新技術満載

トヨタ プリウスα 2014

3代目プリウスに搭載されなかった技術として、ハイブリッドバッテリーのリチウムイオン化が挙げられます。その後のアクアや4代目プリウスにも使われるリチウムイオン電池の先駆けとなったのが、プリウスαの7人乗りです。

セダン用に作られたプリウスのプラットフォームをそのまま延長しただけのプリウスαには、ニッケル水素電池と3列シートの両方を積むことができませんでした。そこで、7人乗りには小型のリチウムイオン電池を搭載し、5人乗りとの差別化を図りました。

また、ミニバンとしてのデザインのために全高を上げていたため、プリウスと比べると走行安定性に不安がありました。そこで、ハイブリッド機構を利用した「バネ上制振制御」を初採用がされます。

これは、ブレーキングの際のボディの前傾を検知するとモーターを微細に駆動させボディの前傾を緩和し、アクセルオンで後傾する際には、モーター出力を一時的に弱め、ボディをできるだけフラットに保つ機構です。

このため、プリウスよりも車高が高いにもかかわらず、なめらかで乗り心地の良いクルマとなりました。この機能は後の210系クラウンやレクサスのクルマにも使われるようになり、トヨタハイブリッドでは多くのクルマに採用されるメジャーな機構となりました。

若者向けのα

トヨタ プリウスα 2014

プリウスは全年齢層に愛される国民車であり、かつてのカローラの地位を奪い取りました。それはプリウス購入層の高齢化をも意味し、またそれは、若者へのプリウス宣伝にはマイナス影響を及ぼします。

そこで投入されたのがプリウスαであり、若年層へのハイブリッド浸透に大きな力を発揮しました。ミニバンライクでもありステーションワゴンのようなカッコよさもあるプリウスαは、特に20代後半から30代のファミリー層からの人気が絶大で、プリウスユーザーの高齢化に歯止めをかけることに成功しました。


プリウスと似て非なるクルマのプリウスαは、コンセプトも、販売対象も、技術も、プリウスとは一線を画するモデルです。

兄弟車のように見られますが、プリウスαはシリーズの中の1つではなく、独自の道を歩き出そうとしています。今後どのように変化していくのか、プリウスαのモデルチェンジに期待です。

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文・赤井福
大学卒業後、金融業に従事。その後、6年間レクサスの営業マンとして自動車販売の現場に従事する。若者のクルマ離れを危惧し、ライターとしてクルマの楽しさを伝え、ネット上での情報発信を行っている。

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