日本人好み!? いま、勢いが止まらないボルボのラインナップ

ボルボ XC90 2015

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かつて優れた安全性能で有名だったボルボですが、現在の人気をけん引している要因は圧倒的に優れたデザイン性。北欧に伝わる神話からインスピレーションを受けたハンマー型のヘッドライトや、洗練された印象のショルダーラインなど、大人の雰囲気を醸し出す新デザインが、世界でも高い評価を集めています。

また、2017年には並みいる国産車を抑えて、ボルボXC60が日本カー・オブ・ザ・イヤーを獲得するなど、その勢いはとどまるところを知りません。今回はそんなボルボの現行モデルを紹介します。

文・西山 昭智

※ 2018年10月時点

西山 昭智|にしやま しょうじ

大学卒業後自動車雑誌の編集部へ入社。アメリカ車を皮切りに輸入中古車やスーパーカー専門誌の編集部を経て独立。現在も紙媒体の自動車雑誌で編集および執筆を行なっている。

正規販売ディーラーや中古車専門店などに取材を行なうことが多く、現場でしか聞けない業界の裏話的なものも取り扱い中。好きな車はフランス車。

西山 昭智
Chapter
中国資本になってからデザインを一新
SUV:XC90
SUV:XC60
SUV:XC40
エステート(ステーションワゴン):V90
エステート(ステーションワゴン):V60
エステート(ステーションワゴン):V40
セダン:S60

中国資本になってからデザインを一新

1926年に北欧スウェーデンで産声を上げたボルボカーズ。1990年代の自動車メーカー再編の波を受け、一度はフォード傘下となりますが、2010年になると中国の自動車メーカー吉利汽車の傘下となりました。

この頃からボルボはデザインに力を入れるようになり、2012年には、VWグループで辣腕を振るってきたトーマス・インゲンラートをデザイン担当副社長に採用。自動車ショーで次々とコンセプトカーを出展し、世間の耳目を集めたのち、2016年に2代目のXC90を発表します。

このXC90は、新設計のプラットフォームとともに洗練されたスタイリングを身に纏っていたと同時に、インテリアはベントレーから招聘されたロビン・ペイジ部門責任者によって、上品かつラグジュアリーなデザインに仕上がっています。

このXC90を皮切りに、V90、S90、XC60、XC40など新デザインによるラインナップを続々と発表し続けています。

SUV:XC90

価格帯:¥7,890,000〜¥13,090,000

XC90は、2002年からラインナップされているSUVのフラッグシップです。初代モデルの評価は欧州でもすこぶる高く、当時さまざまなアワードを受賞したことでも知られています。

初代XC90は2015年まで生産され続けた息の長いモデルで、現在発売されているのは新デザインによる2代目。スタイリングだけでなくシャシーやサスペンションなど、すべての面において一新されています。

2代目のボディサイズは、全長4,950mm×全幅1,930mm×全高1,775mm、ホイールベースは2,985mmと堂々たる体躯ですが、搭載エンジンはダウンサイジングターボの2.0L 直4と同じ2.0L 直4のスーパーチャージャー+ターボ。さらに同エンジンにモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドも発売しています。

トランスミッションは8速AT、駆動方式はフルタイム4WDを採用し、発売当時のラインナップは8グレード、2018年現在は6グレードに加えて限定モデルを併売しています。

XC90 画像

SUV:XC60

価格帯:¥5,990,000〜¥8,990,000

2008年に登場したプレミアムSUV。初代XC60のデザインは、C30などを手がけたフェディ・タルスマ氏によるもので、2008年の発売以降世界中で人気を博し、2009年度のボルボのベストセラーにもなっています。

その人気を受け継いで、2017年に発売された2代目モデルは、初代以上の人気を博すことに。ボディサイズは、全長4,690mm×全幅1,900mm×全高1,660mm、ホイールベースは2,865mmと、日本の道路でも使いやすいサイズに仕上がっています。

搭載するエンジンは、XC90と同様の2.0L 直4ターボ、2.0L 直4スーパーチャージャー+ターボ、プラグインハイブリッドのほか、2.0 直4ターボディーゼルも用意されます。

XC60 画像

SUV:XC40

価格帯:¥3,890,000〜¥5,490,000

XCシリーズの最小モデルとして2018年にデビュー。新プラットフォームと新デザインを受け継いだコンパクトSUVは、発売されるやたちまち世界規模で人気となり、欧州カー・オブ・ザ・イヤー2018をボルボとして初めて受賞することになります。

ボディサイズは、全長4,425mm×全幅1,875mm×全高1,660mm、ホイールベース2,700mmで、BMWのX2、ジャガー Eペイスなどがライバルになります。

2.0L 直4ターボエンジンは、基本的にはXC90/XC60と同様ですが、XC40には出力を抑え燃費を向上させた仕様もラインナップされます。控えめな価格ながら、安全装備においてはXC60とほぼ同等の装備が奢られています。

XC40 画像

エステート(ステーションワゴン):V90

価格帯:¥6,640,000〜¥8,990,000

960シリーズの後継モデルとして1996年にデビューした、プレミアムクラスのエステートモデルがV90です。

1998年まで生産・販売されたのち、ラインナップからは姿を消していましたが、2016年に新デザインを纏って復活。翌年には日本市場でも販売が開始されています。

ボディサイズは、全長4,935mm×全幅1,880mm×全高1,480mm、ホイールベース2,940mmもある大型ワゴンで、駆動方式はベースグレードのみがFFとなり、そのほかのモデルはフルタイム4WDを採用。

搭載エンジンは、2.0L 直4ターボのほかに2.0L直4スーパーチャージャー+ターボ、2.0L 直4ディーゼルターボ、プラグインハイブリッドがラインナップされています。

このV90には、最低地上高を55mmほどアップさせたV90 クロスカントリーも用意されています。

V90 画像

エステート(ステーションワゴン):V60

価格帯:¥4,990,000〜¥8,190,000

ボルボの主力エステートだったV70と、コンパクトサイズのV50の中間に位置するミドルサイズのエステートとして2010年にデビュー。2代目となる現行モデルは2018年に登場し、XC90と同じプラットフォームを採用しています。

こちらも新デザインを採用したヘッドライトやダブルウイーブと呼ばれるサイドのキャラクターラインなどで初代モデルからイメージを一新。ボディサイズは、全長4,760mm×全幅1,850mm×全高1,435mm、ホイールベースは2,870mmとなっています。

搭載されるエンジンは、2.0L 直4ターボ、2.0L直4スーパーチャージャー+ターボ、プラグインハイブリッドの3種類で、2.0L 直4ディーゼルターボは用意されていません。本国ではすでに発表されているV60 クロスカントリーですが、日本導入時期はまだ発表されていません。

V60 画像

エステート(ステーションワゴン):V40

価格帯:¥2,990,000〜¥4,590,000

1995年に発売されたコンパクトエステートのV40。当時三菱との合弁会社によるネッドカーで生産が行なわれ、プラットフォームは三菱カリスマ(セダン)と共有、生産ラインも共用されていました。

2004年に生産を終了したのちカタログからは消滅したものの、2012年になると今度は5ドアハッチバックとして再登場。ほかのボルボよりも小柄なボディながら、ほかのモデルと同等の安全装備や快適機能を盛り込み、ライバルの多いDセグメントのなかでも差別化を図っています。

ボディサイズは、全長4,370mm×全幅1,800mm×全高1,440mm、ホイールベース2,645mmと、現行ラインナップのなかではもっともコンパクトで価格もボルボ唯一の200万円台が存在しています。

搭載するエンジンは、2.0L 直4ターボ、2.0L 直4ディーゼルターボのほかに、1.5L 直4ターボもラインナップ。このV40にも、車高を30mmほど高めたクロスカントリーが用意されています。

なお2018年にはXC40と同じプラットフォームである「CMA」を採用した新型V40の開発計画が発表されています。

V40 画像

セダン:S60

価格帯:¥4,490,000〜¥8,590,000(2代目S60)

初代モデルはV70のセダン版として、2代目はV60のセダン版としてデビューしたS60。いわゆる欧州Dセグメントに位置付けられ、メルセデス・ベンツ CクラスやBMW 3シリーズなど、もっともライバルの多いカテゴリーに投入されるセダンです。

2018年には新デザインを採用した3代目モデルへフルモデルチェンジが発表されていますが、発売は2019年春以降になる予定です。
2018年現在、ボルボのラインナップのなかで、旧デザインで販売されているのは、V40とS60の2種。

新しいスカンジナビアンデザインと最新プラットフォームを採用する新型は、V40の開発計画はすでに発表済、S60は来年にも発売されることになっています。

またボルボは、内燃機関の新規開発を終了することを明言しており、今後はプラグインハイブリッドもしくはEVに移行する予定です。

スタイリングやインテリアだけでなく、自動車の心臓部においても大胆なシフトチェンジを行なう予定のボルボからは、今後も目が離せません。
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