ヘッドランプレベライザーやスノーモードなど…クルマについているけどほとんど使っていないスイッチ

VSC スノー 

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クルマのコクピットには色々なスイッチやボタンが並んでいますが、今まで一度も触ったことがない「これって、なんだっけ?」といったスイッチはありませんか?新車のときには、トリセツを読んでその機能をアタマに入れたけど、すっかり忘れて無用の長物となっているスイッチのなかには、ぜひ使ってほしいスイッチがあります。代表的なものをいくつか紹介しましょう。

文・赤井福
Chapter
ヘッドランプレベライザー
横滑り防止装置OFFスイッチ
スノーモードスイッチ
パーキングランプ(駐車灯)

ヘッドランプレベライザー

コンパクトカーやバンなどを除く最近のクルマには、ヘッドランプにオートレベリング機能がついているクルマが増えました。

レベリング機能とは、重い荷物を積んだりして車両の後部が下がり、ヘッドランプがいつもよりも上を向いてしまったときに、ヘッドランプの光軸を調整して、対向車への幻惑を防止する機能です。

オートは読んで字のごとく自動で調整するものですが、車種によっては、手動のレベリング機能が付いています。重い荷物を積んだときなど、対向車がやたらとパッシングをしてくるときには、レベリング機能で光軸を調整しましょう。

横滑り防止装置OFFスイッチ

ESC」「VSC」「VDC」など、メーカーによって名称が異なりますが、基本は同じ横滑り防止装置で、トラクションコントロールABSを統合制御することで機能しています。

横滑り防止装置は、車体の横滑りとタイヤの空転を防止し、クルマが操縦不能になることを防いでくれるありがたい機能ですが、オフロードのぬかるみや、冬の凍結路や雪溜まりで、トラクションコントロールが介入すると、脱出できなくなることがあります。

それはトラクションコントロールの制御が、滑りやすい路面でタイヤが空転しないように、エンジン出力を抑えるからで、強くタイヤを回すことができず、ぬかるみや雪道の発進時には足かせとなるのです。

そんなときには、トラクションコントロールESCの制御をOFFにすることで、スタック状態からの脱出が可能になります。北海道や東北地方では、ディーラーの営業マンが必ず説明するスイッチなのですが、雪に馴染みのない地域の方も覚えておくと、いざというときに役立つでしょう。

余談ですが、サーキットなどスポーツ走行でタイヤを空転させたいときにも、トラクションコントロールESCはタイヤの空転や横滑りを止めてしまうので、自分の意のままにコントロールしたい場合には、制御が入らないようOFFにすることがあります。

スノーモードスイッチ

SNOWと記されたスイッチが、スノーモードスイッチです。マニュアル車の場合、雪道での発進の際に2速発進を使いますが、ATでは、発進時のギアをドライバーが任意で選択することができません。

ATのマニュアルモードで2速を選択しても、1速から発進します。1速でタイヤに大きな力がかかると、すぐにスリップし、スタックの原因となります。そんなときにSNOWモードを使うと、ATでも2速発進になり、発進時のタイヤの空転を抑えることができます。ちなみに、CVT(無段変速機)でも、仮想の2速発進を行います。

雪道での発進時には、非常に大きな効果を発揮します。ウィンタースポーツを楽しむ方は、ぜひ覚えておくと良いでしょう。

パーキングランプ(駐車灯)

パーキングランプは、国産車ではスバルが最後まで採用していました。読んで字のごとく、夜間の駐車の際に自車の位置を知らせるためのランプで、消費電力の少ない点灯方法を採用しています。

大半のクルマはエンジンを切ってもライトが付いたままになりますが、スバル車はエンジンを切ってしまうと全ライトがOFFになってしまい、法規上問題があったので、パーキングランプの機能をつけていました。

ハンドルの奥という目立たない位置にあったため、オーナーでも存在自体を知らない方が多かったようです。欧州車には、現在も残っています。

普段あまり使うことのないスイッチにも、覚えておくと役立つ機能がたくさんあります。近年のクルマには、さまざまな電子デバイスが装着され、そのぶんスイッチ類も増えています。

これまで使ったことのないスイッチも、機能を知ることで、より快適なドライビングを楽しむことができるはず。長年所有してるけど「このスイッチ使ったことないな」と思ったら、取扱説明書で機能を確認しましょう。

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文・赤井福
フリーライター。大学卒業後、金融業に従事。その後、6年間レクサスの営業マンとして自動車販売の現場に従事する。若者のクルマ離れを危惧し、ライターとしてクルマの楽しさを伝え、ネット上での情報発信を行っている。
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