コネクテッドカーのメリットとデメリット

アウディ Connected Car

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「自動運転車」の実現に向けて自動車メーカーのみならず、IT関連の会社が続々と自動車業界に参入するというニュースが、毎日のように飛び込んできます。それに関連した「コネクテッドカー」は、簡単に言うとインターネットにつながるクルマ、ということです。しかし、コネクテッドカーは単に”ネットにつながる機能を持つクルマ”というよりも、”人を目的地まで運ぶというクルマ本来の役割を担いつつ、それ以上の価値を提供するクルマ”ということになります。なぜそう言えるのでしょうか。

文・吉川賢一
Chapter
「コネクテッドカー」とは?
コネクテッドカーのメリット
コネクテッドカーのデメリット

「コネクテッドカー」とは?

最近話題のAIスピーカーやIoT家電に代表されるように、パソコンやスマホだけでなく、さまざまなものがインターネットに接続され「モノと人」「モノとモノ」が繋がっていくことにより、付加価値が付き、便利になっています。

インターネットでつながり、情報の受信だけでなく、クルマがデータを送信するようになると、人の要求に便利なかたちでクルマが応えるようになります。

もちろんこれまでもカーナビやETCなど、外部の機器と通信する技術は搭載されてきましたが、コネクテッドカーは車両やドライバー、また走行する道路状況に関する情報をより多く収集し、それを高速無線通信によってリアルタイムで送信します。集められたデータはクラウドコンピューティング技術によって生成、分析、活用されることで、クルマが新たな役割を帯びることになります。

生活における「クルマの存在価値」に、大きな影響をおよぼすテクノロジーとなりますから、各社は競ってこの技術を確立しようとしているのです。

コネクテッドカーのメリット

すでに確立されているコネクテッドカーの技術として、緊急通報システムがあります。万がいちの交通事故の際、運転手が自分で警察や消防に連絡が出来ないことがあるかもしれません。その時にセンサーが事故を検知して自動で関係機関に通報をしてくれる「eCall」というものです。ロシアではすでに2017年1月以降、eCallと類似した緊急通報システムの新型車への搭載が、義務化されています。

この他にも、盗難車両を追跡するシステムや、ドライバーの運転状況をセンサーが診断し、その情報に基づいて保険料を決定する”テレマティクス保険”などの応用も期待されています。

自動運転車は、基本的にカメラやセンサーによって道路・周囲の状況をセンシングし、リアルタイムで解析してハンドルやアクセル、ブレーキをコントロールしていますから、オフラインでの動作が可能となっています。しかしコネクテッドカーの技術を合わせると、より精度の高いネットワーク上のデータが利用できるため、安全性が高まるというわけです。

刻々と変化する道路状況や、カメラだけでは予測しにくい周囲のクルマの状況に関する情報をネットワークから引き出し、より安全な自動運転に活用するためにはコネクテッドカーの技術が欠かせないと言えるでしょう。

コネクテッドカーのデメリット

こうした技術、とりわけ自動運転の技術に応用するためには車両に数多くのセンサーやカメラを取り付け、大量のデータを集めて分析する必要がありますし、そのデータを瞬時に送信できるほどの高速通信設備の整備も欠かせません。

その一方で、多くの企業が参入すると、それぞれのメーカーが独自に採用するフォーマットによって、ソフトウェアの移植性や可搬性の問題が生まれます。

またスマートフォンとの連携も、採用するアプリが異なっていたり、車両に搭載されるデバイスのインターフェースに一貫性がなかったりすると、車両の乗り換え時に、その都度、操作になれるまで苦労することが考えられるため、使いたがらない消費者も出る恐れがあります。

セキュリティに関しても、個人情報のセキュリティ確保は絶対条件です。あなたの現在地や、どこに向かって、何人で移動しているのかなど、走れば走るほど個人情報が漏れていくようであれば、いくら自動運転やコネクテッドカーが便利であっても、ユーザーは不安でクルマに乗ることもできないでしょう。

さらにドライバーがまったく運転に関与しないレベル4以上の自動運転車の実現には、コネクテッドカー技術は欠かせませんが、100%事故が起きないという保証はどこにもなく、人の介入がないシステムでも安心できる技術の確立には、まだまだ課題が多いと言わざるを得ません。

コネクテッドカーがもたらす技術革新は、多くの企業や経済界が注目。GoogleやAppleといった大手IT企業も自動車業界に参入しています。現在のところ課題はあるものの、今後、生活におけるクルマの役割は、移動手段から「安全、快適、便利な移動空間」へと大きく変化していくことでしょう。

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