21世紀少年はドライブにいく夢を見るか? vol.5 実用化されている自動運転技術

vol.5 実用化されている自動運転技術

アヘッド インテリジェントパーキングアシスト2

▶︎ペダル踏み間違い・踏みすぎによる衝突事故被害を軽減する「インテリジェントクリアランスソナー(ICS)」の機能をさらに進化させ、切り返しを伴う駐車や縦列駐車などを半自動で行うのがトヨタの「インテリジェントパーキングアシスト2」である。


例えば、プリクラッシュブレーキがそうだ。スバルが「アイサイト」の名称で普及させている運転支援システムを例に挙げると、この機能は衝突の危険がある場合、ドライバーに注意を喚起する。

それでも回避操作がない場合はクルマがブレーキ制御を行い、自動的に減速または停止する。ドライバーに代わってクルマが状況を認知~判断し、ブレーキを操作するわけだ。立派な自動運転技術である。

プリクラッシュブレーキは、ぶつからずに止まる(あるいは減速する)技術だが、走る方向の自動運転技術も一部が実用化されている。追従機能付きのクルーズコントロールがそうだ。

これもスバルの場合で説明すると、高速道路や自動車専用道路で、100㎞/h以下の車速域で先行車に追従走行する機能だ。

先行車が車速を上げれば、適切な車間距離を保ちながら自車も車速を上げるし、先行車が停止すれば、自車も止まる。頻繁な加減速が求められる渋滞中でも、先行車の動きに追従するのだ。

現在の技術では同一のレーンでしか機能しないが、それでもドライバーの負担が大幅に減る技術に違いない。スバルのアイサイトは、ステレオカメラのみで機能を成立させている(つまり、ミリ波レーダーなどを併用していない)のが特徴だ。

プリクラッシュブレーキは自動運転技術の究極の狙いである「交通事故をゼロにする」ことを実現する技術のひとつであり、追従機能付きクルーズコントロールは交通事故ゼロに向けた「ぶつからない技術」に快適性や利便性をミックスさせたものだ。

もっと利便性を指向した自動運転技術の代表例が、パーキングアシストだ。トヨタのインテリジェントパーキングアシストを例に説明すると、バックで駐車スペースに収める際、必要なステアリング操作をクルマ側がアシストしてくれる機能だ。

まず「ドライバーの目線が駐車線の真横に見える位置で一旦停車」する必要がある。そのとき「駐車スペースから1mくらい離れている」必要があり、これらの条件がクリアできたら「ハンドルを半回転回す」。

それが済んだら「2つ先の駐車スペースあたりまで進んで停車」する。これらのいくつもの条件が整ったら、「シフトレバーをRに入れるだけ」でクルマが駐車位置を自動で認識。画面のOKボタンを押すと、アシストが開始される。

ステアリングは自動で操作してくれるが、ブレーキの踏み加減で車速をコントロールする必要もある。

あとは「シフトレバーをRに入れるだけ」に至る前提条件がたくさんあるので、「あぁ、面倒くさい。自分でやった方が早いよ」と思う人には必要のない機能だし、「それでも助かる」と思う人にはありがたい機能だ。

これは、自動運転技術全般に言えることで、ドライバーに便利だと感じてもらえるかどうかが、普及を促す重要なポイントとなってくる。

アヘッド BMW7シリーズ

▶︎BMWのフラッグシップ・モデルである新型BMW 7シリーズにオプション設定された「リモート・パーキング」。車外から遠隔操作で駐車することができる。量産車では初。


BMW7シリーズは、量産車として初めて、ドライバーが乗車していなくても前進または後退で駐車スペースに出し入れできるリモートコントロールパーキングを実用化した。

駐車スペースまでの距離は最大2mに限られるし、まっすぐ前進してまっすぐ後進することしかできないが、車外にいて自分のクルマを動かすことができるのは画期的だ。隣のクルマとの間隔が狭く、乗り降りしづらい状況で役に立ちそうな機能である。

この機能の発展形はオートバレーパーキングだ。というより、オートバレーパーキングの機能を限定したのが、リモートコントロールパーキングである。

ドライバーは車寄せで降車。ボタンを押すとクルマは自動的に走り去り、駐車スペースを見つけて停車。ドライバーが呼び出したら、クルマが自動的に車寄せに戻ってくるのがオートバレーパーキングだ。

この機能は国内外の自動車メーカーやサプライヤーがこぞって開発中。利用する地域によってニーズは異なるだろうが、「あれば便利」と感じるユーザーが増えれば、普及に弾みがつくだろう。

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text:世良耕太/Kota Sera
F1ジャーナリスト/ライター&エディター。出版社勤務後、独立。F1やWEC(世界耐久選手権)を中心としたモータースポーツ、および量産車の技術面を中心に取材・編集・執筆活動を行う。近編著に『F1機械工学大全』『モータースポーツのテクノロジー2016-2017』(ともに三栄書房)、『図解自動車エンジンの技術』(ナツメ社)など。http://serakota.blog.so-net.ne.jp/

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